世界中で社会現象を巻き起こし、今でも愛される大ヒット映画『ハリー・ポッター』シリーズ(以下『ハリポタ』)。2023年にはとしまえん跡地にテーマパークもオープン予定の本シリーズがドラマとなって帰ってくるかもしれない。米Hollywood Reporterが独占で報じた。
米HBO Maxでの製作が噂されている本作は、現時点ではドラマ版のコンセプトはなく、製作チームも存在しない。だがHollywood Reporterが独自に入手した情報源によると、HBO Maxは脚本家候補と共に初期段階の「模索会議」として議論しているという。この報道に対し、HBO Maxとワーナーからはシリーズ化はないという返答があったという。
『ハリポタ』という最も価値のある作品をドラマ化という形で活用したいというのは、理にかなった動きだと言えるだろう。例えば、米ディズニーはすでに、『スター・ウォーズ』シリーズとMCU作品を製作しDisney+(ディズニープラス)で配信している。またワーナーではDCユニバース、特に『バットマン』のフランチャイズを実行している。
しかし、『ハリポタ』のシリーズ化は、原作者であるJ・K・ローリングと彼女のチームが許可しない限りありえない。なぜなら、彼女はフランチャイズ権や資産に関わる全てに発言権を持っているからだ。
更に、本シリーズは複雑な契約問題を抱えているのもすぐに実現とはいかない理由の一つだ。 2016年にワーナーは、『ハリポタ』における米国内ローカルでのTV配給、放送、ケーブル、ストリーミングの権利を7年間という長期間で米NBCユニバーサルと交わした。この契約にはテーマパークのコンテンツやイベントだけでなく、デジタルイニシアティブも含まれているが、2025年4月に終了するという。ということは、2025年までワーナー傘下であるHBO Maxでは、『ハリポタ』配信の権利はないことになる。映画シリーズは、今年後半にNBCの配信サービスPeacockでの視聴が可能となるそうだが、HBO Maxとワーナーにとって『ハリポタ』の世界を拡張することは最優先事項になる。
ローリングの原作シリーズは8本の長編として映画化され、全世界で70億ドル以上の興行収入を記録。ワーナーは『ファンタスティック・ビースト』シリーズも抱えており、3作目は来年公開予定、更にその後もう2作品も公開される可能性が高いと言われている。
HBO Maxでは、『フレンズ』、『ゲーム・オブ・スローンズ』そして製作予定の『SEX AND THE CITY』の続編『And Just Like That...』を含む全てのHBOオリジナル作品を配信。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではスピンオフ作品の製作が複数進行中であり、その全シリーズが最終的にはHBO Maxで配信されるということも注目すべき点だ。今後、『ハリポタ』のシリーズ化が実現するかどうか、続報を待ちたい。(海外ドラマNAVI)
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ダニエル・ラドクリフ©FAM008/FAMOUS