『グッド・ファイト』シーズン5、米議会襲撃やBLMに影響を受けた内容に

米CBSを代表する本格法廷ドラマ『グッド・ワイフ』のスピンオフ『The Good Fight/ザ・グッド・ファイト』。シカゴの弁護士事務所を舞台に、次々に押し寄せる困難に立ち向かう弁護士たちの活躍を描く本作のシーズン5がどのような内容になるのかクリエイターらがATXパネルで話した。米Deadlineが報じている。

本作では、これまでと同様に世界で起きている出来事が作品に反映されることになる。クリエイターのロバート・キングによると、最も影響を受けたのは、今年の初めに首都ワシントンD.C.で起きた事件だったという。

「今シーズンは1月6日に起きたアメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件に最も影響を受けていると思います。この国が少しずつ壊れていく感覚、そしてそれを元に戻す方法が果たしてあるのでしょうか」と語った。他にも、ジョージ・フロイドが殺害された事件やブラック・ライヴズ・マター運動などが、シーズン5を大きく左右する出来事になる。

レディック・ボーズマン&ロックハート法律事務所では、エイドリアン・ボーズマン(デルロイ・リンドー)を含む二人のトップ弁護士を失ったことで、ダイアン・ロックハート(クリスティーン・バランスキー)とリズ・レディック=ローレンス(オードラ・マクドナルド)の間に摩擦が生じてしまい、人種問題も今シーズンのテーマに。会社と国の両方にとって重要な時期に、二人はダイアンがアフリカ系アメリカ人の多い法律事務所の中で最も強力な人物の一人であり続けることがどれほど適切なことなのか問われていくという。

「エイドリアンが事務所を去ると、リズはさらにリーダーシップを発揮しなければならず、事務所のトップのアフリカ系弁護士として、この難しい問題に立ち向かわなければなりません。リズは女性が事務所をリードするという考えをとても気に入っていますが、白人が事務所を支配するという観点も理解しているのです」とリズを演じるオードラは語る。

「彼女はダイアンをとても尊敬してもいるので、この状況で難しい振る舞いをしなければならない。二人は複雑かつ深い友情で結ばれていて、一緒に様々なことを経験してきたので、そこがとても厄介なポイントなのです」

ロバートは、またストーリーの展開上、容易な答えを打ち出すことはないだろうと続け、「解決策があるかどうかはわからない。本作は、いかに知的な人間が和解の言葉を見つけようとしているか、それを解明しようとしているかを物語っていると思う。私たちは疑問を抱えながら生きています。私たちは質問の中を生きているのです。答えはないのです」とダイアン役のクリスティーンは答えた。

クリスティーンとオードラは、クリエイターのロバート&ミシェル・キングについて、複雑なテーマであるにもかかわらず、完璧な信憑性をもって検証する姿勢を称賛した。オードラは、「私がキング夫妻についていつも言っているのは、彼らはいつも一線を越えて、"これは何が起こっているのか"と言い、それに光を当てているということ。面倒になるのを恐れないし、それが今シーズンの特徴なのです」

ミシェルは、リズとダイアンのパートナーシップにおけるお互いの葛藤を検証する本作は、昨年の出来事がなければ実現しなかったかもしれないとしながらも、テレビドラマのストーリーテリングに対する長期的な影響についてはまだ触れないようにしている。「業界への影響という意味では、2年後には素晴らしい議論になるでしょう。なぜなら、この(変化の)話がどれだけ本当なのかがそのとき明らかになると思うからです。というのも、3年前、人々は#MeToo運動と、それが女性にとって意味することに注目が集まりましたが、今ではそのような話は出ません。ですから、私たちはそのような話題が廃れずずっと続くことを望んでいますが、今は"様子見"の状態なのです」

「物語を始める前に、彼らがこの最後の年に何を経験したのかを知らなければならないと思いました。このパンデミックの年は、誰にとっても大変な年だったと思います。リズやダイアン、その他の人たちにとってはどうだったのか?私たちはそれを一つのエピソードで追体験したかったのです」と、ミシェルは締めくくった。

『The Good Fight/ザ・グッド・ファイト』シーズン5は、米Paramount +にて6月24日(木)より配信される。(海外ドラマNAVI)

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『The Good Fight/ザ・グッド・ファイト』© 2020 CBS Interactive. All rights reserved.