MARVELとDCコミックスというアメコミ二大巨頭が次々と実写化作品を手掛け、スーパーヒーロー人気はこれまでにないほどに急上昇。アメコミやスーパーヒーローものと聞くとMARVELやDCコミックスが思い浮かぶかもしれないけれど、それだけじゃない！ ということでぜひとも見てみてほしいスーパーヒーロードラマを6作品ご紹介。ここで扱う"スーパーヒーローもの"の共通点は、現代を舞台にしていることと、コスチュームがあること。特殊能力系やアンチヒーロー系は、またの機会にご紹介したい。
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『ザ・ボーイズ』
米Amazonオリジナルドラマ史上、最高視聴回数の記録を打ち出した『ザ・ボーイズ』は、「スーパーヒーローは絶対的な正義！」という概念が音を立てて崩れ落ちていく衝撃作。本作が描くのは、ヒーロー集団"セブン"が世界中から支持される世界。しかし彼らの実態は自分たちの力に酔っている腐敗した正義集団。さらにその裏にはセブンを商品にビジネスを展開する欲にまみれた巨悪な企業"ヴォート社"の存在が。彼らに愛する者を奪われた名もなき者たちの集団"ザ・ボーイズ"が、復讐に挑む！
放送禁止用語連発だし、血まみれは朝飯前。過激なシーン盛りだくさんで、見応えのあるドラマをみせていく。製作には俳優だけでなくマルチに活躍するセス・ローゲンと『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』のエリック・クリプキが参加。キャストは映画『スター・トレック』シリーズのカール・アーバンや『Banshee／バンシー』のアントニー・スター、『メリーハッピーとんでもホリデー』のデニス・クエイドとメグ・ライアンの息子ジャック・クエイドや『ゴシップガール』のチェイス・クロフォード、『スーサイド・スクワッド』の福原かれんなど。シーズン3からは『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』のジェンセン・アクレスも参加予定でさらに盛り上がりをみせること間違いなし。
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『アンブレラ・アカデミー』
アイズナー賞受賞の大人気コミックを実写化したNetflixオリジナルシリーズの本作は1カ月間の視聴数4,500万回を記録し、2019年最も見られた配信ドラマに。
1989年10月1日、世界中で突然生まれた43人の子どもたち。奇人の資産家R・ハーグリーブズ卿は、この奇妙な出生を辿った彼らを各地からできる限り集め、結果7人を養子にすることに成功。特殊能力をもつ7人をヒーロー集団"アンブレラ・アカデミー"として育て、様々な事件を解決させる。大人になった彼らが父の葬儀で再会した日、行方不明だった"5号"が時空を超えて舞い戻り、人類滅亡の危機が迫っていると言う。果たしてアンブレラ・アカデミーは運命を変えることができるのか！？
時空を行き交うスリリングなストーリーが展開し、頭を働かせて見るのが楽しい一作。それぞれ問題を抱える大人たちが集結した奇妙な家族だが、その葛藤や支え合いといったドラマに心を動かされるはず。『オルタード・カーボン』や『レギオン』のスティーヴ・ブラックマンが製作総指揮、主なキャストには『X-MEN：フューチャー＆パスト』のエリオット・ペイジや、『Black Sails／ブラック・セイルズ』のトム・ホッパー、『Misfits／ミスフィッツ － 俺たちエスパー！』のロバート・シーアンなど。現在、全10話から成るシーズン3が撮影中。
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『The Tick／ティック ～運命のスーパーヒーロー～』
1986年に発表されたコミックの2度目の実写版である本作。1994年にFOXによってアニメシリーズが製作され人気を集め、2001年に初の実写化。それから15年、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』サアル役のピーター・セラフィノウィッツ主演で懐かしの王道ヒーローが帰ってきた！ こちらはヒーロー道をまっすぐ行く、一安心な優等生作品。全身真っ青なティックの活躍はもちろんのこと、会計事務所で働く平凡な男アーサーのヒーローとしての成長物語である点もみどころ。ヒーローに必要なものは何か。超人的な能力やスーパースーツだけではない大切なことを見つけていく。
地球に慣れていないド天然なティックと、気弱なアーサーのやり取りに毎度笑わされること間違いなし。原点回帰したシンプルさとどこか懐かしいクラシックさが魅力。1話30分程度で戦隊モノを思い起こさせる風もあるが、愛する人を失った悲しみや過去のトラウマとの向き合い方など人間味溢れるドラマが詰まっており意外と侮れない。大きなポテンシャルを秘めている良作なのだが、残念ながらシーズン2で打ち切り済み。
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『ジュピターズ・レガシー』
「キック・アス」「キングスマン」などで知られるマーク・ミラー原作を実写化したNetflixオリジナルシリーズ。Amazonの『ザ・ボーイズ』に対抗するスーパーヒーローものになるかと大きな期待が寄せられていたが、シーズン1にて打ち切り。ヒーロー1世と次世代ヒーローたちの葛藤と成長を描く本作では、1世がどのようにしてスーパーパワーを手に入れスーパーヒーローになったのかと、子どもたちが新世代として活躍する現在という二つの時間軸をうまく合わせて描いているところが面白い。しかしその分だけ登場人物が多く、やや深みに欠けてしまった点が残念なところ。
豪華キャストが集結しており『トランスフォーマー』シリーズのジョシュ・デュアメルや、『アイアンマン』シリーズのレスリー・ビブ、『LAW ＆ ORDER：UK』のベン・ダニエルズや、『タイムレス』のマット・ランターなど。打ち切りになったものの、同じ世界観を共有するスピンオフが製作されるとのことで、こちらに期待したい。
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『エル・ベシーノ お隣はスーパーヒーロー!?』
アメリカ作品ではなかなか味わえない、楽天的な雰囲気、絶妙なポジティブ感を楽しめるのがスペインコミックを実写化したNetflixオリジナルシリーズ『エル・ベシーノ お隣はスーパーヒーロー!?』。突如降り立った宇宙人から、変身できる魔法のメダルとパワーを発揮する赤い錠剤を授かり、宇宙監視人としての任務を託された自己中でだらけた青年ハビ（キム・グティエレス『ヒドゥン・フェイス』）。タイタンと名乗りヒーロー活動を始動!? スーパーパワーをうまく使えば人生逆転のチャンスだが...。
もしも一般人がスーパーヒーローになったら？ という今までにない新しい視点が画期的な一作。しかもただの一般人ではなく、どちらかというとダメな方。際立って世界的に大きな事件が起きるわけではないけれど、恋人にばれそうになったり、魔法のメダルをなくしたり、本人にとっては一大事な事件が、まるで私たちの日常のように起きる。冴えないスーパーヒーローの日常を追う楽しみはなかなかない。5月末に配信されたばかりのシーズン2ではオリンピック招致を狙うマドリードを舞台にスケールもアップ。1話30分ほどなのでイッキ見にもおすすめ。
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『インビンシブル ～無敵のヒーロー～』
アメコミファンの間で大きな話題を呼んだAmazonのアニメシリーズ『インビンシブル ～無敵のヒーロー～』。「ウォーキング・デッド」のロバート・カークマン原作コミックをアニメ化した本作の主人公は17歳の少年、マーク・グレイソン。地上最強のスーパーヒーローを父に持つ彼は、自分にパワーがないことで長く悩んでいたがようやく芽生え始める。しかしそのスーパーパワーは想像していたヒーロー像と違うことに気づき...。
青春時代真っ只中のマークの恋模様や成長物語、そして父と息子の関係を爽やかに描くかと思いきや、待っているのは怒涛の展開。R18指定ということや大人向けアニメと謳われていたことから、想像はできたがそれ以上の容赦ない残酷さで、まざまざと力を持つ者と持たざる者の差を見せつけていく。声を担当したキャストが大変豪華なのもみどころ。『ウォーキング・デッド』のスティーヴン・ユァン、『キリング・イヴ／Killing Eve』のサンドラ・オー、『セッション』のJ・K・シモンズ、『easy イージー』のザジー・ビーツ、『HEROES／ヒーローズ』のザカリー・クイント、『スター・ウォーズ』シリーズのマーク・ハミルなど。
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（KanaKo）
Photo:
Amazon Prime Videoオリジナルドラマシリーズ『ザ・ボーイズ』／Netflixオリジナルシリーズ『アンブレラ・アカデミー』／『The Tick／ティック ～運命のスーパーヒーロー～』公式Instagram（theticktv）より／Netflix『ジュピターズ・レガシー』／Netflix『エル・ベシーノ お隣はスーパーヒーロー!?』／Amazon Prime Video『インビンシブル ～無敵のヒーロー～』
