モロッコを舞台にした官能小説のドラマ版『リトル・バーズ』の時代背景とは?

7月16日(金)よりBS12で放送スタートした、作家アナイス・ニンの官能小説を下敷きにした英ドラマ『Little Birds(リトル・バーズ)』の時代背景とは―。英inewsが伝えている。

『Little Birds(リトル・バーズ)』は、1979年に出版された官能短編小説コレクション「Little Birds」にインスパイアされたシリーズ。愛憎劇や政治的な陰謀、快楽主義やロマンチックなストーリーを融合させたスタイルとなり、小説コレクションの13の物語では女性の視点からセックスを探求する様々なキャラクターが綴られている。

物語の舞台は、植民地統治下1955年のモロッコの都市タンジール。アメリカ人の富豪の娘で、精神的な問題を抱えつつも制限された社会から解放され、型破りな人生を望んでいるルーシーと、SM嬢のシェリファが中心に描かれる。二人はエロスにまみれたボヘミアンな街で自由を求めて懸命にもがく―。

短編小説コレクションの一部は、原作者であるニン自身の人生が反映されている。1903年にフランスでキューバ人の両親のもとに生まれたニンは、米作家ヘンリー・ミラーやオーストリアの精神分析家オットー・ランクといった著名人と情事を楽しみ、カラフルな生活を送っていたという。

そして、ドラマ版の舞台となる1955年はモロッコが植民地の支配から独立する1年前となり、1920年代にタンジールはフランスとスペイン、イギリスの共同植民地体制の一部として「国際ゾーン」だった。

1953年、モロッコが抑圧的な植民地政権から独立を求めた後、モロッコの君主であるモハメド5世はコルシカ島に亡命を余儀なくされた。『リトル・バーズ』に登場するモロッコの民族主義者の多くは彼の支持者であり、彼が再び権力を手にし、植民地軍から独立するために戦うことを望んでいる。

その後1955年後半、モハメド5世が帰還し、1956年にフランス、スペインから独立した。

キャストは、ルーシー役でジュノー・テンプル(『ダーティ・ジョン -秘密と嘘-』)、シェリファ役でユムナ・マルワン(『スナイパー・ストリート バグダッド狙撃指令』)、ルーシーの婚約者ヒューゴ役でヒュー・スキナー(『Fleabag フリーバッグ』)ら。

全6話となる『Little Birds(リトル・バーズ)』は、BS12にて毎週金曜日に新エピソードが放送中。また放送終了後、7日間に限り番組サイトにて見逃し配信。(海外ドラマNAVI)

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