『ザ・キャプチャー 歪められた真実』メイキング映像とスタッフ・キャストのインタビューが到着!

Amazon Prime Videoチャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」で配信中&BS10 スターチャンネルにて放送中の犯罪ミステリー『ザ・キャプチャー 歪められた真実』。このたび、本作のメイキング映像と監督・キャストによるインタビューが公開された。

『ザ・キャプチャー 歪められた真実』は、警部と元兵士の二人組が監視カメラの映像に翻弄されていく、英BBC製作のクライム・ミステリー。今回、本作のメイキング映像が解禁となった。映像では、キャストたちが防犯カメラに依存することの恐怖を語っている。

さらに、本作を手掛けるベン・チャナン(『ザ・ミッシング ~囚われた少女~』)や、キャストのホリデイ・グレインジャー(『私立探偵ストライク』『ボルジア家』)、カラム・ターナー(『愛しい人から最後の手紙』『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』)らが本作への想いを明かすインタビューが到着した。

インタビューコメント全文

■ベン・チャナン(監督・脚本・製作総指揮)

容疑者に有罪判決を下すうえで、映像はもっとも有効な証拠の一つです。その一方で、ニセモノとは思えないほど信ぴょう性の高い偽造動画も作られるようになっています。有効性が高いとされる証拠映像が偽造動画だとしたら、一体どうなるのでしょうか? 我々が自分の目で見たものをもはや信じることができないとしたら、刑事司法はどうなるのでしょう?

2年前に『ザ・キャプチャー』の脚本を書き始めた頃、そうした疑問は「もしそうなったら、どうなるのだろうか?」という仮説的な話だと思っていました。今でもそうだと思いますが、いずれ仮説ではなくなるときが来ます。すでに現在、顔認証やディープフェイク、フェイクニュースなどが引き起こし得る脅威について警告するニュースを目にしない日はありません。近い将来、我々は証拠映像の信ぴょう性について判断するための新たな方法を探さなくてはならなくなるでしょう。

登場人物たちは真実を見出そうとしながら、記憶や信頼、直感といった人間の基本的な能力に頼るようになります。しかし、それらは決して完全無欠ではありません。トラウマを抱えた元兵士が、自分の記憶を当てにすることができるでしょうか? 理想主義者の警部補は、みずからが属する組織を信頼することができるのか? やがて、二人は自分たちが知っていることや、信じてきたものすべてに疑問を抱くようになります。

不穏な雰囲気のシナリオには、私が感じている現在の世界が反映されています。数年前にこのアイデアの土台となるものを書いたとき、私はテロ対策に関するドキュメンタリーの制作に携わっていて、アメリカ合衆国国土安全保障省やCIAの元職員に取材をしていました。

彼らは政治的にはタカ派で、ジョージ・W・ブッシュ時代の共和党支持者だと私は感じました。現在、彼らのようなスパイ組織のリーダーたちは、CNNにコメンテーターとして登場しています。ウィキリークスのファンだと公言する大統領を輩出した共和党のことを、彼らはいつも決まってこき下ろしています。上が下になり、黒が白になったようなものです。

この作品を企画したときの私の野心は、ウォーターゲート事件後の1970年代に製作された私の好きな映画『パララックス・ビュー』や『コンドル』の雰囲気とパラノイアを想起させるような、陰謀をテーマにした現代のサスペンス映画を作ることでした。まさか今の時代がそういう作品の舞台としてふさわしいなんて、その当時は思いもしませんでしたね。

■ホリデイ・グレインジャー(レイチェル・ケアリー警部補役)
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レイチェルは昇進したての若き警部補で、学校を卒業してから順調に出世コースを歩んでいます。彼女はごく短い期間に、多くを経験します。シリーズ序盤のレイチェルは、テロ対策指令部から殺人課に異動して、警部補に昇進したばかりです。現実の世界でもそうであるように、テロ対策指令部には潤沢な資金が投じられています。でも、殺人課はそうではありません。レイチェルは慣れない環境に戸惑いながら、殺人課のベテラン刑事たちに自分の価値を証明しようとしているのです。レイチェルは野心的で、仕事に没頭しています。彼女はキャリア志向なのです。

最初のうちは、仕事の場以外での彼女がどんな人なのかよく分からないでしょう。それは、仕事の場以外での彼女について知るべきことがほとんどないからなのです。彼女の生活は仕事中心で、人付き合いをするのも仕事中だけですから。シリーズ序盤に登場する彼女は、テロ対策指令部で上司だったダニー・ハート(ベン・マイルズ)との不倫関係に終止符を打とうとしています。警視庁での仕事と、仕事から得る刺激や職場内での権力、それがレイチェルの生活の中心だった。だから上司と付き合ったりしたんでしょうね。レイチェルが異動することになったので、もう二人いっしょに毎日仕事をすることはありません。彼女は新たな部署で新たな生活を始めるために、ダニーと別れることにしたのです。

シリーズが進むにつれて、レイチェルには様々な意欲があるということが分かってきます。真実を求めようとする良心的な意欲は、レイチェルの家庭環境によって培われたものです。彼女は少女時代に母親を亡くし、その後、父親にもう一つの家庭があったことを知ります。母親は長年にわたってだまされ、ウソをつかれていたのです。おそらくレイチェルは、父親に対して強い怒りと苦々しい思いを抱いたでしょう。真実を知らないままだったかもしれない彼女は、母親に対しても同じ感情を少しだけ抱いたかもしれません。そうした事情があったからこそ、レイチェルには常に物事の真相を究明しようという意欲があるのです。そして、その意欲は本シリーズにおけるレイチェルの原動力になっています。

――このシリーズを通して、レイチェルはどのように成長していきますか?

レイチェルはいくつかの段階を経て、成長していきます。シリーズ序盤で、レイチェルは花形部署であるテロ対策指令部から殺人課へ異動します。重要度が高いテロ対策指令部で働くことを望んでいた彼女は、指令部が有する権力と資金力に魅力を感じていました。一方、殺人課でのレイチェルは場違いな存在です。彼女は基本に立ち返り、これまではやる必要がなかった地道な捜査に取り組み始めます。彼女のように出世コースを順調に歩んできた人には、ある種の烙印が押されています。警察内では、短期間で昇進した若い人は部下たちより経験値が低いと思われているのです。とんとん拍子に出世したけれど、実践的なスキルが身についていない、ということですね。

自分はそうではないと証明したいと、レイチェルは強く望んでいます。物語が進むにつれて、彼女には価値があると視聴者のみなさんが信じてくれるようになるといいですね。彼女が優秀だということに、殺人課の部下たちも気づくでしょう。レイチェルには持ち前の良心があり、真実を追求しようという強い意欲があるのですから。

キャリア志向のレイチェルは野心的で、仕事をうまくやりこなしたいと思っています。それと同時に、彼女は警察官として良い仕事をしたいと心から望んでいます。それが彼女の厄介なジレンマになっているのです。シリーズ序盤のレイチェルは、正義と法制度を信じています。彼女はそれらのために人生を捧げ、その世界でキャリアを築きたいと思っていたのです。

レイチェルが法制度と警察組織に疑問を感じ始めたとき、彼女の良心と仕事上の野心が初めて相いれなくなります。良心とキャリアの板挟み状態になったことで、彼女は自分自身について多くを学んだのではないかと思いますね。

――レイチェルとショーンは第1話で出会います。二人の関係性は?

出会ったのは第1話ですが、レイチェルは以前からショーンのことを知っていました。ショーンは戦闘中に非合法的な殺人を犯して有罪判決を受けた兵士で、その裁判は注目の的になっていましたからね。第1話の冒頭で、ショーンは抗告審判で無罪になります。

ショーンが自由の身となった直後から、物事が思いがけない方向に進み始めます。彼が恐ろしい罪を犯す姿が、監視カメラの映像に記録されていたのです。レイチェルはショーンを追う者として登場します。当初、ショーンは彼女にとって昇進に必要な切符のようなものでした。世間の注目を集めている事件を解決すれば、テロ対策指令部に戻れると考えていたのです。でも事件について知れば知るほど、レイチェルはショーンについても知ることになり、彼女が思っているより事態が複雑だということに気づくのです。

――脚本を初めて読んだときの感想は?

脚本のテンポが気に入りました。この作品はテンポの速いサスペンスで、クモの巣のように絡み合った陰謀の全貌が明らかになるにつれて、私たちはその闇の深さを知ることになります。脚本と同じようなテンポで、質問したいことが次々と出てきました。それって、滅多にないことなんですよ。私には分からないと思ったり、複雑すぎると感じたりしましたが、ベン・チャナンが創り出した世界とテンポがとにかく気に入りました。この作品のとりこになってしまいましたね。

私は『THE KILLING/キリング』『THE BRIDGE/ブリッジ』など北欧の刑事ドラマが大好きなんです。このシリーズの序盤やレイチェルが住んでいる世界は、そうした北欧のドラマを想起させますが、その先の展開はこれまた私が好きな『ボーン・アイデンティティー』シリーズと共通しているところがありますね。今回の脚本には、最後まで引きつけられっぱなしでした。この作品は一般的な刑事ドラマとは一味違う陰謀をテーマにしたアクション・サスペンスなのです。

いろいろなことが、ずいぶん変わりました。最初に脚本を読んだとき、このドラマは監視カメラの映像が偽造されたらどんなことが起きるかという仮定に基づく『ブラック・ミラー』風の近未来的なテーマをもつ作品だと思いました。でも現実の世界の変化が速いせいで、「これは陰鬱な未来図というより現在の社会的状況に近い物語で、もはや仮説的な話ではない」と最初に脚本を読んだときより強く感じるようになりました。

――本作とほかの作品の違いは?

ジャンルが一つではないところですね。この作品は刑事ものであり、監視カメラの映像をめぐるサスペンスでもあるうえに、陰鬱な未来図が現在の社会的状況になっている現実を描いた作品でもあります。これは今の時代を描いた現代的な作品です。いま現在のイギリスの状況が反映されているし、ベン・チャナンがかなりリサーチをしたおかげで信ぴょう性のある作品になっています。

これは私自身が行ったリサーチからも言えることです。私は1週間ほどロンドンにある警察の殺人課に通い、テロ対策指令部に何年も勤務していた男性と話をしました。脚本には彼から聞いた話と同じようなことが書かれています。この物語はとても現実的なのですが、ドラマの中で起きる出来事について最初のうちは仮説的だと感じるでしょう。そこが恐ろしいところなんです。このドラマを観れば、こういうことが起こりえると思うようになるでしょうね。

■カラム・ターナー(ショーン・エメリー役)
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――ショーン・エメリーの人物像について

ショーンは世間や家族、友人たちの彼に対する考えを変えるという使命に挑んでいる男なんです。シリーズの冒頭で、元兵士のショーンは戦闘中に非合法的な殺人を犯した罪で収監されています。彼は釈放されることと、できる限り良い人間になることを望んでいる。それに、できる限り良い父親になることもね。彼は以前のような生活ではなく、充実した生活を送りたいと思っています。このドラマの序盤に登場するショーンは自滅的な人間で、人を寄せつけなかった。彼はそんな自分を変えたがっているんです。

――ショーンの過去について

ショーンはロンドン南西部のサットン出身で、労働者階級の家庭に育ちました。幼い頃に母親を亡くし、その数年後に父親も亡くしたショーンは、祖父に育てられたんだ。そうした生い立ちの影響で少年時代から大きなトラウマを抱えていて、自分は見捨てられた存在だと感じている。若い頃の彼は低級な暴力がはびこる環境で、仲間とつるんでいた。彼は無に等しい存在で、失望と孤独を感じ、責任感もなかったのではないかと思いますね。

軍に入隊したとき、ショーンは自分に欠けていたものを見つけます。家族や兄弟、責任、そして仕事を手に入れたのです。戦地に赴いたショーンは、正確に仕事をしていると自分では思っていました。でも非合法的に見える殺人を犯す姿が映像に記録されていたせいで、彼は世界中のメディアから非難されることになってしまいます。

たった一人で戦うことになったショーンは、軍隊に見捨てられたと感じていました。やがてショーンは無実だと確信した人権派弁護士が、彼を救い出そうとします。これはシリーズ序盤の話なので、言ってしまっても問題ありません。救出されたショーンは神様から贈り物をもらったと感じ、これでなりたかった自分になれると思います。でも残念なことに、彼は自由の身になった直後に新たな災難に巻き込まれてしまう。ショーンは人生を軌道に戻すために、これまで以上に必死になって戦うことになるのです。

――ショーンの家族について

ショーンにはカレン(ソフィア・ブラウン)との間にもうけた幼い娘がいます。彼は幼馴染のカレンをとても愛していましたが、自滅的な人間だったショーンはカレンを遠ざけてしまった。自尊心が低いんです。彼の行動には問題があり、自分の役割を果たしてもいなかった。カレンや娘に暴力をふるったりはしなかったけれど、ショーンは攻撃的で酔っていることも多く、怒りっぽい人間だった。彼は幼い頃に両親を亡くし、兄弟同然だった軍隊の仲間も失った。そうした長年のトラウマにきちんと向き合うことがなかったのだと思います。だから、カレンはうんざりしてしまった。でも良き父親で、娘を愛していた。娘はショーンの人生を照らす唯一の光であり、誇りに思える存在でした。彼は娘のそばにいてやりたいと思っていたのです。

――ショーンとレイチェルの関係性について

最高のスタートではありませんでしたね。レイチェルは第1話でショーンを逮捕するんですから。最初はなんの結びつきもなかった二人ですが、物事が奇妙な展開を見せたために力を合わさざるをえなくなります。相手を信用しきれない二人は、その状況に納得ができずにいます。

――脚本を初めて読んだときの感想は?

僕は読むのが遅いんだけど、この作品の脚本はあっという間に読み終えました。それが脚本の素晴らしさを証明していると思いますね。この作品は熱気に満ちたアクションとスリルが満載のサスペンスで、心動かされる場面もあります。脚本をどんどん読み進められたのは、登場人物たちに感情移入ができたからです。誰かに味方したり、その人に敵意を感じてほかの誰かの味方になったりしながら読みましたね。

僕はショーンのことが好きなんです。ショーン役を演じたくなるような場面が脚本にはたくさんありましたからね。追われていたショーンがスタンガンで撃たれる場面もそうでした。ト書きには「飛び起きるように立ち上がる」と書かれていて、スタンガンで撃たれたのに飛び起きることができる人間を演じてみたいと思いました。

兵士役を演じられることも、この作品に出演したいと思った理由の一つです。兵士を演じるためには、かなりリサーチをする必要がありますからね。24年間も勤務したパラシュート部隊を除隊したばかりの男性といっしょに長い時間を過ごし、彼の話を聞いたり軍務に必要な物の考え方やトレーニングを教わったりするのは、とても興味深い体験でした。監視される練習もしました。僕は数人に一日ずっと追跡され、できるだけ素早く彼らの視界から姿を消さなければなりませんでした。あれは大変でしたね。

■ロン・パールマン(フランク・ネイピア役)
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――フランク・ネイピアの人物像について

フランクがどんな人間かは、彼が初めて登場したときからシリーズが終わるまでに少しずつわかってくる。そこが彼の面白いところだね。フランクは非常にシリアスな人間で、威厳がある。彼は仕事人間で、あの仕事を長くやっているベテランなんだ。

――フランクはいつこのドラマに登場するのですか?

フランクはショーンの災難が始まってから登場する。その段階で彼がショーンのことをどう思っていたのかは、我々にはわからない。課題を片付けるうえでショーン・エメリーの存在がどのように役立つかということに、フランクが大いに興味を持っていることはわかるけれどね。登場後のフランクは、計略を使ったり人を操ったりしてばかりいる。やがて我々は、フランクについて多くを知ることになる。彼の世界観や目的のために手段を正当化する姿勢、二枚舌になるのを彼が望んでいること、どれが彼本来の姿でどれが見せかけなのかということなどをね。

――脚本を初めて読んだときの印象は?

非常に洗練されたストーリーで、とても気に入ったね。何が起きているのかわからないし、登場人物たちが最後にどうなるのかもわからない世界に連れて行かれたよ。ページをめくる手が止まらなくなるタイプの脚本だった。特に気に入ったのは、ベン・チャナンが登場人物それぞれに個性と特質をもたせていたことなんだ。このドラマの登場人物は、画面に出て喋っているだけの人間じゃない。誰もが変なところや歪んだところがあり、特異な行動をとったりする。理不尽だったり皮肉屋だったりする彼らの口から出る言葉は、ウィットとユーモアに富んでいて実に素晴らしいよ。

――この作品について、何か驚いたことは?

イギリスでは監視カメラが日常生活の一部になっていることに、アメリカから来た私は驚いたね。ロンドンでは、どこを見ても監視カメラが設置されている。こんなところにあるなんて想像もしなかった場所にも監視カメラが設置されていて、人々はもっともプライベートな場所でも監視されている。でも、自由と民主主義の砦であるロンドンでは、過去にテロ事件が起きて多くの犠牲者が出ている。安全と自由を守るために、手放さなければならないものがあるということだろうね。そのうちの一つが、プライバシーなんだ。

――この作品に出演したいと思った理由は?

それはもちろん、BBCの作品だからだよ。創設以来、BBCは地球上でもっとも優れたドラマを作ってきた。特に最近、BBCはこの業界で大いに注目されている。アメリカではテレビ作品がかつてのインディーズ映画と同じ役割を果たすようになっているが、BBCより優れた作品をつくっている人はいない。BBCの作品に出演することは、私にとって死ぬまでにやっておきたいことの一つだったんだ。

熟練した役者たちと共演することができたから、出演できて本当にうれしいよ。彼らはドラマに敬意をもち続けていて、ドラマ作りのプロセスについて学ぼうとしている人たちなんだ。政府が文化を大切にしている国で仕事ができたこともうれしかったね。映像文化はエリートとか"ハリウッドの"エリートのためのものであるかのように考えて、それを恥だと思うのではなく、イギリス政府は映像文化の重要性を認めて資金援助をしたりしている。この作品に出演できたことは、新鮮で目が覚めるような素晴らしい経験だったよ。

――『ザ・キャプチャー』はどんな作品ですか?

政治的なクライム・サスペンスだが、それ以外にもさまざまな要素がある作品だね。真実、特にジャーナリズムの真実がフェイクニュースという新しい言葉によって攻撃されている世界では、このような物語が大きな重要性をもつ。そう思ったからこそ、ベン・チャナンは脚本を書いて6話(スターチャンネルでは8話)のドラマにしたんだと思うね。

このシリーズは現在の社会的問題に大いに関連がある。いま現在、我々は安全と自由を守るためにプライバシーをどれぐらい犠牲にしてもいいかという問題に取り組んでいる。プライバシーを犠牲にするにあたって正当化できることとできないことは何か、どこで線引きをするのか、線引きがあいまいになっていないか、そして飛行機に乗る前の検査で何枚なら服を脱げるか。我々は現在、そういう問題に直面しているんだ。

これはほかの何かよりは理想的な、まったく新しい種類の戦いだ。我々はその戦いに適応して、生まれながらに持っていると考えられていた権利のどれかを手放したり、命を守るために役立つ何かと交換したりしなければならない。それはいま実際に起きていることで、非常に重要な話題なんだ。このような状況について、これほどリアルタイムに弁証している作品は『ザ・キャプチャー』以外にないね。これはいまの時代だけではなく、ずっと先の時代の人たちにとっても関連性のある物語なんだ。

■ファムケ・ヤンセン(ジェシカ・マロリー役)
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――演じたジェシカについて

ジェシカは組織の上層部の人間で、フランク・ネイピアの上司でもあります。フランクの誤りを正して作戦を完了させるべくシリーズの終盤に登場するジェシカは、作戦よりも重大な事態が起きていることに気づくのです。ジェシカはビジネスウーマンで、自分のやり方をつらぬいてきた人です。女性である彼女は、いまの地位を得るために懸命に仕事をしてきました。彼女は無意味なことを許さないタイプで、何が何でも仕事をやりとげる主義です。わくわくするような登場のしかたなので、撮影するのが楽しかったですね。彼女はフランクを介して事件にかかわっていて、ショーン・エメリーやレイチェル・ケアリーと直接的には関係していません。もちろん、誰もが間接的に関わり合っているんですけれどね。

――出演したいと思った理由は?

素晴らしい作品だと思ったからよ! 『逃亡者』のようなサスペンスで、脚本を読んでいて楽しかったわ。追われる身となった男がいて、証拠はどれも彼が有罪であることを示しているけれど、彼は無実だと視聴者は思っている。その点は共通しているけれど、『ザ・キャプチャー』はもっと多層的です。何が起きているのか理解できていると思うたびに、謎が解明されて新たな真実が次々と出てきます。誰を信じればいいのか、何が真実なのか、分からなくなることが何度もありますが、展開が変わるたびに興味をそそられる要素が見つかります。

この作品は監視カメラの映像を使ってやれることや、映像は偽造できるということについての見解を示していて、私はそこに魅力を感じました。監視カメラの映像や偽造した映像が、現実の世界で予期せぬ問題を引き起こすと考えると怖くなります。いまの時代にぴったりな物語ですね。

――この作品の魅力は?

これは真実についての物語で、フェイクニュースだらけの世の中で真実を探し出し、世の中に示しています。
このドラマが描いているのは私たちの未来についての物語であり、現在の社会についての物語でもあるのです。私たちは毎日、想像しえる限りのあらゆる方法で写真を撮られている。プライバシーなんて、とっくの昔に奪われています。映像は偽造することができると考え始めたとき、私たちは自分もその被害に遭う可能性があるということに気づくでしょう。ある日突然、罪を犯したとして告発され、実際はやっていないのに犯行現場の映像が存在する。想像するだけで恐ろしいですね。

視聴者はこのドラマを観ながら常に考えたり不思議に思ったりしながら、この先どうなるのか予想しようとするでしょう。でも、視聴者の予想を超える展開が待っています。私はこの作品のそういうところが素晴らしいと思いましたし、視聴者がこのドラマを観たいと思う理由にもなると信じています。とにかく陰謀だらけなので、ぜひとも真相を知りたいと思うでしょうね。

『ザ・キャプチャー 歪められた真実』(全8話)配信・放送情報

■配信
Amazon Prime Video チャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」にて、字幕版・吹替版を独占全話配信中

■放送
【STAR1 字幕版】BS10 スターチャンネルにて毎週火曜日23:00に放送
【STAR3 吹替版】BS10 スターチャンネルにて毎週金曜日22:00に放送
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(海外ドラマNAVI)

Photo:

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