英人気ドラマ『SHERLOCK/シャーロック』やマーベル映画『ドクター・ストレンジ』に主演しているベネディクト・カンバーバッチが、米HBOの新作リミテッドシリーズ『Londongrad(原題)』に出演することが明らかとなった。米Deadlineが報じている。
『Londongrad』は、アラン・カウエルの著書「The Terminal Spy: A True Story of Espionage, Betrayal and Murder(原題)」を下敷きにしたシリーズとなり、ベネディクトは2006年に英ロンドンで毒殺された実在のロシアの元スパイ、アレクサンドル・リトビネンコ役で主演する。
1980年代にソ連国家保安委員会(KGB)に属していたリトビネンコは、1990年代にはロシア連邦保安局(FSB)に勤務したが、2000年にプーチン大統領とロシア政府を批判してイギリスへ亡命。その後、リトビネンコは著書やTV番組で、ロシアで起きた高層アパート連続爆破事件の陰謀説やモスクワ劇場占拠事件の疑問点について指摘し、内部事情を暴露したことで知られている。
そして2006年、リトビネンコはロンドンのレストランで会食した後に体調が悪化、病院へ搬送されたが後に死亡した。彼の体からは猛毒の放射性物質ポロニウム210が検出されたと報じられ、当時プーチン大統領の命令による毒殺が疑われて世界的なニュースとなっていた。
『Londongrad』で脚本を手掛けるのは、映画『地球が静止する日』や『ゲティ家の身代金』でペンを執ったデヴィッド・スカルパ。彼はベネディクトとレン・アマト(『ブラッド・ダイヤモンド』)、アダム・アクランド(『モーリタニアン 黒塗りの記録』)、クレア・マーシャル(『パトリック・メルローズ』)とともに製作総指揮を兼任。ドキュメンタリー映画『イカロス』でオスカーを獲得したブライアン・フォーゲルがメガホンを取る予定だ。
なお先月、『ドクター・フー』で10代目ドクターを演じ、『グッド・オーメンズ』などに出演しているデヴィッド・テナントが、英ITV製作による『Litvinenko(原題)』でアレクサンドル・リトビネンコを演じると報じられていたが、ベネディクト主演のシリーズとは別のプロジェクトとなる。
ベネディクトとデヴィッドが、同じ人物をどのように演じるのか注目したい。(海外ドラマNAVI)
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ベネディクト・カンバーバッチ ©James Warren/Famous