『メイドの手帖』原作者であり主人公のモデルとなったステファニー・ランドの今

Netflixで独占配信中のベストセラー回顧録を原作とする社会派ヒューマンドラマ『メイドの手帖』。原作者で主人公のモデルになったステファニー・ランドは今、どこで何をしているのか。気になっている人も多い疑問にNews Weekが迫っている。

Netflixが毎週発表している視聴時間を基にしたランキングでは英語のTVシリーズ部門で8週連続トップ10入りを果たしているリミテッドシリーズ『メイドの手帖』。暴力的なパートナーに耐えられなくなったアレックス(マーガレット・クアリー『LEFOVERS/残された世界』)は、夜中にまだ幼い娘マディを連れて逃げ出し、福祉事務所に助けを求める。新たに娘を養うためメイドとして働き始めるアレックスだったが、前途多難で...というストーリー。名前こそ違えど、アレックスはランド自身の体験を反映したキャラクターで、暴力的な関係もメイドとしての日々もすべて実体験に基づいているという。

1978年生まれ、アメリカのワシントン州とアラスカ州で育ったランド。2008年1月に暴力的な関係を脱するため、生後9カ月の娘とシェルターに避難したという。着の身着のまま飛び出したため、所持金もなく、子どもを預ける費用も捻出できなかった彼女は、就職して助成金を申請することを勧められる。職務経験も学位もない彼女が即日働くことができたのは、清掃会社だった。最終的にランドはモンタナ大学で英語の学士号を取得。フリーライターとして働き始め、立ち上げたブログやウェブで収入を得ていたが、ある一つの記事が一気に拡散した。

それは、清掃員として働いていた時に仕事をした大豪邸についての話で、その家を所有する富裕層と、貧困層の中でもとくに限界に近いランド自身の境遇とを比較したものだった。この記事はさらなる記憶を加えて推敲され出版されると、2019年に各方面で大絶賛。「メイドの手帖 最低賃金でトイレを掃除し「書くこと」で自らを救ったシングルマザーの物語」という邦題で日本でも出版されている本作は、ニューヨーク・タイムズのベストセラー入りを果たしたほか、バラク・オバマ元米大統領の"この夏の読書リスト"にも選ばれ話題に。そしてNetflixがTVシリーズ化の権利を獲得し、映像化が実現した。

ランドは今、二人の娘と愛犬、さらにティム・ファウストさんと共にモンタナ州のミズーラで温かい家庭を築いている。自身のSNSでは、その様子をシェアすることも。執筆も続けており、中でもブログ「Stepville」では貧困、シングルマザーの子育て、女性のチャリティなど、考えるべきトピックについて論じている。さらには全国を回って公演も行っていて2020年には歌手のアリシア・キーズと女優のオークワフィナと共に「MA Conference for Women」に参加した。

Netflixで映像化されたことで改めて注目が集まっている原作。この機会に手に取ってみると、より作品を深く楽しめるかもしれない。Netflixリミテッドシリーズ『メイドの手帖』は独占配信中。(海外ドラマNAVI)

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Netflixリミテッドシリーズ『メイドの手帖』