米TVメディアが選ぶ2021年残念だったTVシリーズ10選

新型コロナウイルスの影響によって増えたおうち時間を彩ってくれたTVシリーズ。今年も数えきれないほど多くの作品が世に放たれ、期待を上回る人気を獲得する作品もあれば、期待外れに終わってしまう残念な作品も。2021年も振り返りのこの時期、米メディアTV Lineが選ぶ2021年残念だったTVシリーズ10本をご紹介。

2021年の残念だったシリーズ10選は以下の通り。

『Call Me Kat(原題)』(FOX)

『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』のエイミー役で知られるメイム・ビアリクが主演を務めるシットコム。2009年にイギリスBBCで放送された『Miranda(原題)』のアメリカ版リメイクだ。

エミー賞4度の候補入りを果たした実力派女優メイムにとって久しぶりの新作がまたしてもシットコムだったことで、10年以上愛された『ビッグバン★セオリー』と比較されてしまい、そこまでではないと評価されてしまった様子。さらにオリジナル版と比べて、オリジナリティに欠けていたという。

しかし『アメリカン・ホラー・ストーリー』のシャイアン・ジャクソンや『ボストン・リーガル』のレスリー・ジョーダンといったキャストと共に、メイムは愛すべき主人公を作り上げており、年明け早々1月9日にはシーズン2の放送が開始予定。新たなクリエイターも参加しているとのことなので、挽回に期待したい。

『ウィンクス・サーガ: 宿命』(Netflix)

ニコロデオンのアニメ「Winx Club(原題)」を実写化したファンタジー・ティーンドラマ。

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若い美男美女が登場し、異界の神話が描かれる全6話は、"中途半端なイギリス英語が話されThe CWが製作をやめたようなシリーズを彷彿とさせる"と厳しいお言葉。人種の多様性に欠け、好奇心をそそらなかったともいわれている。

さらにアニメのファンは低予算のCGよりも本格的なアクションを、さらにはこれまで描かれなかった背景や若者特有の予測のつかない起伏の変化などを期待していたが、残念ながら実現ならず。シーズン3までの製作が既に決定済みのため、今後のシーズンに期待したい。

『The Celebrity Dating Game(原題)』(ABC)

ゾーイ・デシャネル(『New Girl ~ダサかわ女子と三銃士』)と歌手のマイケル・ボルトン(『Glee』)がホストを務める恋愛リアリティショー。

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1960年代から90年代にかけて何度か製作された人気番組を現代版にリバイバル。NOアプリ、NOフォン、昔ながらのやり方で、直接的にコミュニケーションを図り、運命の人を選ぶというスタイルで、パネルで仕切られた3人の候補の中からセレブゲストは一人を選ぶ。セレブとして音楽業界からイギー・アゼリアなどが登場するがこの"セレブ"がいまいち見る気にならないという声が。

さらに"放送後、デート現場を激写!"なんていう噂も一切なく、リアリティショーなのにリアリティに欠けるという、あってはならない事態が発生。世界中からスキャンダラスなリアリティショーが選べる中、昔流というだけで生き残るのは、厳しいかも。

『ザ・モーニングショー』シーズン2(Apple TV+)

ジェニファー・アニストン(『フレンズ』)とリース・ウィザースプーン(『ビッグ・リトル・ライズ』)が主演と製作総指揮を務め、日本でも話題を呼んだ『ザ・モーニングショー』。

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今年配信されたシーズン2では、衝撃的な内容が待ち受けているが、その展開が自然だったのかという点で、疑問を抱いているファンがいるそう。

また新型コロナウイルスの流行が拡大し始める2020年はじめのニューヨークが描かれるが、いまもなお不安を隣り合わせの日々を送っている視聴者からは、ドラマとして見るには重すぎるし早すぎるといった声も。

『セックス/ライフ』(Netflix)

夫との性生活以外不満もなく恵まれた生活をおくる平凡な主婦が、自由奔放に恋愛を楽しんでいた頃の元カレと再会を果たし、揺れる姿を描くスキャンダラスでエロティックな1作。

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メインキャラクターには『パーソン・オブ・インタレスト』のサラ・シャヒ、『アンダー・ザ・ドーム』のマイク・ヴォーゲル、『恋の予感?! ~ホテルリノベ奮闘記~』のアダム・デモスといった美男美女が集結。目の保養にはなったが、薄っぺらくぼんやりとしたストーリーであることは否めず、肝心なセックスシーンもぎこちなさが目立ち、エロさよりも滑稽な印象を強く残してしまったとのこと。シーズン2では挽回なるか!?

『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』シーズン7(AMC)

シーズン4からショーランナーが『ワンス・アポン・ア・タイム』の脚本などを担当してきたアンドリュー・チャンブリスとイアン・ゴールドバーグに代わり、数多くの新キャラクターも投入して大きな方向転換をした『ウォーキング・デッド』のスピンオフ。

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オリジナル同様の刺激的な作品になり始めたか...と思いきや、キャラクターの心情の変化などドラマの展開が遅く、まるでゾンビのようとの声が。さらに「あの人には双子がいた!」なんていう昼ドラのようなありきたりな展開や人気の高いキャラクターの登場率の低下など、言語道断な決断にファンは納得がいかないようだ。

『プリティ・スマート』(Netflix)

アメリカの名門私立大学に通うガリ勉女子が、妹の家に引っ越しひょんなことから始まるおバカなイケメン男子(グレッグ・サルキン『マーベル ランナウェイズ』)との同棲生活を描くコメディ。

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『ママと恋に落ちるまで』『クレイジー・エックス・ガールフレンド』の製作陣が手掛け、『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』のエミリー・オスメント(兄はハーレイ・ジョエル・オスメント!)が主演を務めるが、判でも押しているかのように定番すぎて変化なしと厳しい評価。記憶に残るのはグレッグの腹筋だけ...?!

『アメリカン・ホラー・ストーリーズ』(FX)

ヒットメイカーのライアン・マーフィーが手掛ける『アメリカン・ホラー・ストーリー』と同じユニバースを共有するホラー・シリーズ。

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FX製作、Hulu独占配信という形で展開された。本家が1シーズンで一つのテーマを扱うスタイルだったのに対し、本作は1話1テーマで描く。ファンの期待とは裏腹に、本家越えどころか本家レベルのエピソードは全8話中、1話か2話程度で、その他は生焼けで味気ないストーリー止まりという声が多かった...。

『Alter Ego』(FOX)

日本でもAmazon Primeオリジナルでリメイクされた『ザ・マスクド・シンガー』を生み出したFOXが次に挑戦したのは世界初のリアリティ"アバター"音楽オーディション番組。

『ザ・マスクド・シンガー』はマスクに隠されたセレブが誰なのか探る好奇心を掻き立てたが、見ず知らずの人がアバターで正体を隠し、別々の部屋から歌う『ALTER EGO』はいまいち楽しくなかったというのが視聴者の正直な感想なようだ。

『タイガーキング: ブリーダーは虎より強者?!』シーズン2(Netflix)

Netflixで驚異的なスマッシュヒットになったドキュメンタリーシリーズ『タイガーキング: ブリーダーは虎より強者?!』。

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味をしめたNetflixはシーズン2を作ったものの、もう骨の髄まで描きつくした感があり、シーズン1ほどの衝撃を観る者に与えることはできなかった。

ジョー・エキゾチックはまだ刑務所の中であるし、敵対するキャロル・バスキンも出演拒否。イカれきっていない周囲の人物がすでに話した内容を繰り替えし話しているシーズン2は必要なし、とばっさり。

(翻訳:KanaKo)

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Netflixオリジナルシリーズ『ウィンクス・サーガ: 宿命』は独占配信中。
『The Celebrity Dating Game(原題)』
Apple TV+オリジナル『ザ・モーニングショー』シーズン2
Netflixオリジナルシリーズ『セックス/ライフ』は独占配信中。
『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』シーズン6
Netflixオリジナルシリーズ『プリティ・スマート』は独占配信中。
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Netflixオリジナルシリーズ『タイガーキング: ブリーダーは虎より強者?!』シーズン2は独占配信中。