キャストが語る『ハンドメイズ・テイル』の暴力的なシーンの必要性

マーガレット・アトウッドの「侍女の物語」を原作に、近未来のデストピアな世界を描く米Hulu『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』。作中に見られる暴力的なシーンに非難の声があがることもしばしばあるが、出演者がその必要性について持論を打ち明け、作品を擁護したと米Screen Rantがシェアしている。

2017年の配信開始以来、暴力シーンがいきすぎではないか?という疑問に直面してきた『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』。小説の映像化は、どうしても内容が視覚化されることでより恐ろしさが際立つものの、エリザベス・モス演じる主人公ジューンやその他の登場人物に対する暴力が過剰なのではという議論がなされてきた。中には、『ソウ』シリーズのようなバイオレンスホラーに用いられる"虐待ポルノ"の言葉を使って、その分野に方向転換したのかとまで言う人も。

こうした声を受けて、英Digital Spyのインタビューで暴力的なシーンの必要性を説いたのはリタ・ブルー役のアマンダ・ブルジェル。本作における暴力やミソジニーの描写は、こうした問題が解決とは程遠い現状を明らかにすることに役立つと説明。さらに、作品は多くの女性が悲劇的なことに耐えて終わらせるしかないという虐待サイクルの反映をシンプルに模索しているだけという意見も明かした。

「インパクトを残すためには人々を不快にさせることが一番だと本当に思うの。人々が目を背けてしまうような不快ではなく、神経を刺激して人々を立ち上がらせ注意を向けさせるような不快。これまで作品が見せてきたものの中に、目新しいものは一切ない。すべて世界中で日々起こっていること。不快だし、消化するのは難しいけれど、私たちの道のりがまだまだ長いことを見せることは重要。特に女性に対する暴力やミソジニー、ジェンダー間の公平さとかね」

こうした強烈な暴力描写が批判されるのは『ハンドメイズ・テイル』だけではない。過去には『ゲーム・オブ・スローンズ』も同じような理由で非難された。日々に潜む不正をドラマとして描こうとする限り、こうした疑問はTVシリーズや映画に投げかけられ続けるのだろう。

『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』はシーズン5への更新が決定済み。シーズン1から4まではHuluにて配信中。(海外ドラマNAVI)

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『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』© 2018 MGM Television Entertainment Inc. and Relentless Productions LLC. All Rights Reserved.