『SHERLOCK/シャーロック』や『リプリー』などで知られるアンドリュー・スコット。実力派として高い評価を得ている彼が、映画『Elsinore(原題)』で実在のゲイ俳優を演じたことについて胸中を明かし、自身の経験とも重なる役への思いを語った。
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アンドリュー・スコット、新作映画で実在のゲイ俳優イアン・チャールソン役に挑む胸中を告白
映画『Elsinore』は、1989年にロンドンのナショナル・シアターで上演された伝説的な『ハムレット』公演の舞台裏を描く作品である。
当時タイトルロールを務めたスコットランド出身の俳優イアン・チャールソンは、アカデミー賞作品賞を受賞した『炎のランナー』のエリック・リデル役や『ガンジー』のチャーリー・アンドリュース牧師役などで輝かしいキャリアを築いていた。1989年の『ハムレット』では、当初主演予定だったダニエル・デイ=ルイスの降板に伴い、監督リチャード・エアーの依頼で代役を引き受けた経緯がある。脚本家のスティーヴン・ベレスフォードが「イアンの人生最後の1年は、現在のロンドン演劇界で伝説として語り継がれている」と評するように、彼はエイズと闘いながら鬼気迫る演技で舞台に立ち、最終公演から2カ月足らず、40歳の若さでこの世を去った。
本作でアンドリューが演じるのは、まさにこの過酷な状況下でハムレット役に挑むイアンだ。さらに物語は、当時は性的指向を明かすことがキャリアの終わりを意味し、多くの俳優がアイデンティティを隠さざるを得なかった時代背景にもスポットを当てる。共演者にはオリヴィア・コールマン(『ザ・クラウン』)、ジョニー・フリン(『リプリー』)、ジョー・ロック(『HEARTSTOPPER ハートストッパー』)、ビリー・パイパー(『ドクター・フー』)、ルーク・トンプソン(『ブリジャートン家』)ら。
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— Focus Features (@FocusFeatures) August 31, 2026
米The Hollywood Reporterのインタビューに応じたアンドリューは、当時のイアンが置かれていた状況を次のように振り返る。
「“生きるべきか、死ぬべきか”という名台詞を口にする際、イアンにとってそれは単なる“可能性”の議論ではありませんでした。当時の彼にとって、死は目と鼻の先にある避けられない現実だったのです。あれほど重い病を抱えながら役を演じきったという事実は今考えても驚くべきことであり、心から敬意を表したい素晴らしい勇気でした」
「病気の犠牲者」ではなく生命力溢れる人物として描く
2013年に自身がゲイであることを公表しているアンドリューにとって、イアンの物語は非常に特別な意味を持つという。
「この映画は、僕の人生そのものと言える要素に満ちています。ずっと演劇の世界で生きてきましたし、ゲイの俳優として、イアンや同時代の俳優たちが現役時代には演じる機会を得られなかったであろう役を自分が演じられるというのは、今でも感慨深いものがあります」
一方で、アンドリューは本作がイアンを単なる「病気の犠牲者」として美化してはならないと強く強調する。
「彼が懸命に生きようとしていた姿を理解してほしいのです。彼の死を過剰にドラマチックに扱ったり美化したりするつもりはありません。イアンは生命力に溢れ、ユーモアのある魅力的な人物であり、その上で並外れた偉業を成し遂げたのです」
カミングアウトを経て感じる演劇界の進化
イアンはエイズを公表する以前から、俳優として輝かしいキャリアを築いていた。アカデミー賞作品賞を受賞した『炎のランナー』では、オリンピック選手から宣教師となるエリック・リデル役を演じ、さらに『ガンジー』では英国国教会のチャーリー・アンドリュース牧師役を務めた。
しかし、エイズと診断された頃には、彼の俳優人生は大きな転機を迎えていた。1989年、ナショナル・シアター版『ハムレット』では、当初主演予定だったダニエル・デイ=ルイスが降板。その代役として監督リチャード・エアーがイアンに出演を依頼したことが、後に演劇史に残る舞台を生むことになる。脚本家スティーヴン・ベレスフォードは、「イアンの人生最後の1年は、現在のロンドン演劇界では伝説として語り継がれています」と語っている。
また、『Elsinore』はイアンが自身の性的指向とキャリアの間で、どのような選択をしてきたのかにも踏み込んでいる。アンドリューは、自身がカミングアウトを決意した時の経験を振り返り、「イアンの時代は、ストレートではない人が映画に出演する例など存在しませんでした。単純な話ですが、それが現実だったんです。僕が自分の性的指向を公表すると決めた時も、周囲から心配する声がありました」と回想。しかし、カミングアウト後は、自身のキャリアには良い影響しかなかったと述べ、「闘いが終わったわけではありませんが、ある意味で僕たちは大きな進歩を遂げたのだと感じ、誇らしく、そして深く感動しています」と締めくくった。
アンドリューの熱演が期待される『Elsinore』は、2026年11月20日に米国公開予定。イアン・チャールソンの代表作の一つ『炎のランナー』はPrime Videoでレンタル配信中。(海外ドラマNAVI)







