本日よりU-NEXTで独占配信が開始するウィリアム・ゴールディングの不朽の名作をBBCが現代的な視点で映像化したドラマ『LORD OF THE FLIES / 蠅の王』。無人島に置き去りにされた少年たちが、秩序を失い、野生と狂気に蝕まれていく様を描く本作の日本語吹替版に豪華声優陣が集結した。今回、主要キャラクターを演じる花澤香菜、沢城みゆき、田村睦心、佐倉綾音の4名が、作品の衝撃度やキャラクターへの深い解釈を語ったオフィシャルインタビューの全文をお届けする。
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『蠅の王』初ドラマ化!吹替に花澤香菜、沢城みゆきら豪華声優陣が集結
BBC制作の海外ドラマ『LORD OF THE FLIES …
衝撃の展開にキャスト陣も絶句「人間の本質の縮図だったら嫌だな」
――まずは、本作の印象について教えてください。
花澤香菜(ピギー役):大人でもパニックになってしまうような危機的状況の中、ラルフ達がどんどん追い込まれていく様子に胸が締め付けられます。やめてー! もう許してあげて! と思いながらも、続きが気になって目が離せませんでした。少年たちの「子どもらしさ」が、この状況下ではほとんど残酷に作用してしまうところが印象的でした。
田村睦心(ジャック役):切ないし悲しかったです。子どもたちだけで極限状態を生き抜いているのはすごいのですが、集団心理が働いて大変な事をしてしまったり、狂ったように喚き散らしたりしているのが恐ろしかったです。アドレナリンがたくさん出ているんだろうなと思いました。その中でも最初から最後まで一貫して秩序を守っていた子たちもいて、人間にはいろんな面があるなと考えさせられました。
佐倉綾音(サイモン役):全編通して陰惨で、少年たちが集団の中で理性と野生を試されている様子が救いなく描かれており、受け取り手に対して余白を残す気があるのかないのか分からないような目を覆いたくなる強烈な映像表現でした。秩序や社会性という経験値の少ない少年たちによって炙り出される人間の本能が、わたしたちの命の本質の縮図だったら嫌だなと感じました。
沢城みゆき(ラルフ役):子どもたちが一度も、自分たちの気持ちを率先して吐露しないことが恐ろしかったです。抱えている気持ちの底なしの不安と、日常を再現しようとするようなラフな会話のギャップが異常で…、共感することから静かに足が遠のいてしまいました。
少年たちの理性と野生をどう演じたか? こだわりの役作り
――それぞれのキャラクターを演じる上で、意識したことはありますか?
花澤:第一印象からもう、かわいさとおじさんっぽさを兼ね備えたピギーが愛おしくてたまりませんでした。一見サバイバルには向いていなさそうですが、知識量や面倒見の良さで、率先してラルフの支えになっていく姿が頼もしかったです。演じる時には、友達や小さな子たちに向ける心からの優しさや、たまに見せる妙におじさんっぽいところを意識しました。
田村:外見的にも内面的にも一見すごくカリスマ性があるように感じるのですが、ものすごく弱い子だなと感じました。本当は仲良くしたいけど、変わった子だからと周りの目を気にして冷たくしたり。でも二人きりだと優しいし、一緒に笑ったり空想の世界を楽しんだり出来る。とても素敵な子なんですけど、みんなの前だと暴君のように振舞うんですよ。すぐ動揺したりとても子どもらしくて可愛いところいっぱいなんですけどね。
佐倉:極限状態を通じて野生に剥かれていく子どもたちの中でもサイモンは最後まで比較的理性側の人間で、サイモンの内側にある思いは本作だと私もすべてをあずかり知らぬところではありますが、ある方面に切なく人間的な気持ちを抱えていたと推測します。少年だから、と経験値を落とさずに演じようと思いました。
沢城:誠実ではあるけれど、立派なわけではない年相応さが、吹き替え版からも伝わるように心がけました。原音はまだ声変わり前のハイトーンですが、日本語版は年長者であることが音色からも分かるように少しキーを下げてあてています。

――極限状態に置かれたキャラクターたちに対し、共感する部分はありましたか?
花澤:ピギーは何が起きても冷静に、良いことも悪いことも予測しながら行動しています。小さい子たちにも気を配りなら、みんなで平和に暮らせるコミュニティを作ろうとしていて素晴らしいと思います! 小さい頃の私がこの状況に身を置かれたとしても、ジャックに目をつけられるのが怖くてピギーのようには動けない気がします。
田村:私はジャックよりかなり素直なタイプなのでこういう感じにはならないかなと思いました。でも思い起こしてみると、10代の頃はホルモンバランスのせいとかもあるのか、かなり不安定だった気がしますし、楽しく過ごしていましたが、学校とか限られた人達の世界の中で生きるのはそれなりに息苦しさがあった気がします。ジャックがあんなに強くみせないと生きられなかったのは悲しい事だと思いました。
佐倉:自分だったらどうする? と聞かれると、本当は自分がいざ放り出されてみないと分からないのに、答えを持った人間に理解や同期をしながら演じていく役者という仕事は不思議だな……と感じながら演じていました。私もおそらく理性側の人間なのでサイモンは比較的共感しやすく、サイモンを通して追体験するようで怖くなりました。
沢城:自分を律する力が強い子なので、…損する場面も多く見受けられ、応援しながらの視聴となりました。私だったら手が出ていそうな時でも(笑)本当に根気強く言葉で分かりあおうとする姿勢に、背筋が伸びました。非日常の、緊急事態においてあの対応ができるのは、まぶしいです。
――特に印象に残っているシーンを教えてください。
花澤:4話のとあるシーンで、ピギーがラルフに言う「君は知らなかったんだし。僕を大好きになるって。」というとっっっても良いセリフが、、ああ…もっと違う状況で聞きたかったよー!!!と胸が苦しくなりました。皆さま覚悟しておいてください…!!!
田村:サイモンが日記を燃やすシーンはジャックとの決別にも見えて辛かったです。そのあともっとツライシーンがありますが…
佐倉:随所で少年たちの顔のアップが印象的に使われているのですが、無垢にも見えるし、悪魔的にも見え、とても美しく、映るたびにゾッとしました。
沢城:大人が島に降り立った瞬間、あっけなく崩れ去った子供達の国の脆さに、見てはいけないものを目撃してしまったようで、思わず目を背けてしまいました。あの白け方はちょっとトラウマものです。
豪華共演への想い
――豪華声優陣との共演はいかがでしたか?
花澤:お三方の演じる少年たちが素晴らしいことを知っているので、嬉しい反面、私がバランスを崩してしまわないかと心配でした。まだ全員揃った会話を聞けていないので、どんな風に演じていらっしゃるのか、完成したものを観るのを楽しみにしています!
田村:こんな豪華なメンバーの中に入れていただけて光栄でした。私はサイモン役の綾音ちゃんと一緒に録ってもらったのですが、花澤さん沢城さんのお声をまだちゃんと聴けていないのでどんな少年達になっているかとても楽しみです! 特に花澤さんの役のピギーはどう演じられるのかとても気になっています!
佐倉:敬愛するこの役者陣の中でお芝居ができる機会をいただけてとても光栄です。田村睦心さんと収録をご一緒できたのですが、ご本人がとても少年的で無邪気にたくさん話しかけてくださり、本編とは対照的にほのぼのと楽しい雰囲気のスタジオでした。恐ろしいシーンに「キャー!」とか「わー!」とか言いながら収録しました。かなり救われました。
沢城:本国のキャストと年齢の近い同性で吹き替える選択肢もあったであろう中、女性声優に任せていただけるのかと、責任を感じました。ピギーの虜になってしまっていたので、香菜ちゃんの声が入ってどう動き出すのかワクワクしてしまいました。むっちゃん(田村睦心)はとても信頼のおける同業者で、彼女の立ち上げる男の子とちゃんと拮抗できるように頑張らなければと意気込めたし、サイモンは中でも心のレイヤーが複雑な個性派なので、綾音ちゃんから見た景色はまた私たちとは一味違ったものなんだろうな…話を聞いてみたいなと思っています。
――最後に、無人島へ「これだけは絶対に持っていきたい」と思うアイテムは?
花澤:私はパンが好きなので、パン職人さんをお連れして、無人島でパン祭りをやりたいです。材料は無人島中を駆け回って私が見つけます!!!
田村:実際に行ったらもっと他に欲しいものあった!ってなると思いますが、丈夫なナイフとかあったら多少生きられるんじゃないかと思ったりします。今回みたいな南の島がいいなぁって思います!
佐倉:アイテムというか……家族。どこで過ごすかじゃなく、だれと過ごすかが大事なので。
沢城:わあ、この質問に答える日が私に訪れるとは(笑)着手出来ていないハードカバーを一冊…持って行こうかな。新刊の香りが好きで、いまだに読書は紙派です。
『LORD OF THE FLIES / 蠅の王』配信情報
『LORD OF THE FLIES / 蠅の王』は2026年2月20日(金)よりU-NEXTで独占配信中。(字幕版・吹替版)
(海外ドラマNAVI)






