Netflixの大ヒットシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン5に登場するヴェクナのビジュアルが、これまでと少し違って見える。ヴェクナの見た目が変わった理由を本作のメイクアップ&特殊メイク部門責任者、バリー・ガワーがPEOPLE誌に明かした。
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Netflixの大ヒットシリーズ『ストレンジャー・シングス …
シーズン5ではCG主体、メイク時間は大幅に短縮
まず物語上の理由として、ヴェクナはシーズン4のラストで深刻なダメージを負っている。そのため「肉体が以前より小さく見えても不自然ではない」という解釈は成り立つ。しかし、見た目の変化の最大の理由はメイクとVFXの制作手法そのものが変わったことにある。
シーズン4では、ジェイミー・キャンベル・バウアーをヴェクナに変身させるため、4人がかりで1日平均7時間をかけて全身に特殊メイクを施していた。頭から足先までほぼすべてが実物のプロステティック(特殊メイク)で覆われ、CGは体に絡みつく“ツル”を動かすために補助的に使われるのみだった。肌が見える部分はほぼゼロで、完成形のルックは実際のメイクによるものだったという。
このメイクは毎日作り直しで、撮影後にすべて取り外される。医療用の強力な接着剤を使うため、取り外しだけでも1時間半から2時間を要していた。
一方、シーズン5ではアプローチが大きく変化した。プロステティックを装着するのは頭部と片腕のみで、肩から下の体はほぼデジタルで再現されている。その結果、メイク時間は1日約3時間まで短縮。トイレに行くのも、シーズン4に比べて格段に楽になったという。
ガワーによれば、ヴェクナはシーズン5で「人間の肉体というより、変異したツルの集合体のような存在」へと進化しており、体の内部が空洞のように見える表現や、異常なスケール感は実物のメイクでは再現不可能だった。
そのため、ジェイミーの演技をベースにしつつ、肩から下をデジタルで拡張するという判断に至ったのである。
完全なCGキャラではない理由
完全なCGキャラクターにしなかったのは、クリエイターであるダファー兄弟の強い意向だったという。頭部と右腕は実物のプロステティックを使用し、左手には指を延長する機械仕掛けのグローブを装着。これにより、ジェイミー自身が「自分の腕の長さ」を把握できるようにしていた。
さらに、デジタルで拡張される体のサイズ感に対応するため、肩を張らせるパッド入りスーツも用意。まるでアメフトの防具のような構造で、動きや姿勢を自然にヴェクナへと近づけていたという。
なお、これらのプロステティックは決して軽いわけではなく、頭部と肩だけで約6kg、胸部や背中を含めると総重量は30ポンド(約13.6kg)以上に及ぶ。
シーズン5で「ヴェクナが違って見える」のは、体型の問題でも役者の変化でもなく、物語上の進化と、より高度な映像表現を実現するための技術的選択が生んだ結果だった。そんな次のフェーズへと進んだヴェクナに注目だ。
『ストレンジャー・シングス』シーズン5のVOL.1は現在Netflixで配信中。VOL.2は12月25日に配信され、シリーズ最終話は12月31日に公開される予定。(海外ドラマNAVI)




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