ダニエル・クレイグ演じる名探偵ブノワ・ブランが複雑な殺人ミステリーを解決する姿を見るまでには、まだ数年の月日が必要かもしれない。しかし、ライアン・ジョンソン監督は、すでに次の『ナイブズ・アウト』作品、シリーズ第4作の準備に取り掛かっているようだ。
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『ウェイク・アップ・デッド・マン』の次は?
ファン待望の第3作となる『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』が配信開始したばかり。ニューヨーク州北部にある結束の固い教会の横暴な司教殺害事件の余波を辿るという、これまで以上にダークなトーンの本作の次に、ジョンソンはどの方向にフーダニット(犯人当て)ジャンルを拡大したいかについて、いくつかの具体的なひらめきを得ているという。
Entertainment Weeklyのインタビューに対し、「今、いくつかの基本的で根源的で、概念的なアイデアがある」と語っている。それは、「よし、もしこれがこういう種類の事柄だったら面白くなるだろうな」という、作品の核となる構想だという。
しかし、その詳細については「具体的なアイデアはまだない。テーマもまだ、場所もまだ決まっていない。本当にかなり漠然としている」と明言。そして、「実際に座ってそれを書き始める準備ができるまで、漠然とさせておくのが良いことだと感じている」と、監督特有のミステリー作りのプロセスを披露している。
アガサ・クリスティからエドガー・アラン・ポーへ。作品ごとに変わるトーン
『ナイブズ・アウト』シリーズは、2019年のアナ・デ・アルマス主演の『名探偵と刃の館の秘密』から、富裕層を風刺した『グラス・オニオン』に至るまで、一貫してコメディ的なトーンを打ち出しつつも、その映画的な雰囲気は作品ごとに大きく変化している。第1作はアガサ・クリスティの古典的な作風を彷彿とさせる緻密なミステリー。第2作『グラス・オニオン』は、キャンピーで豪奢な快楽主義に傾倒したサタイア(風刺劇)であったと言えるだろう。
そして、最新作の『ウェイク・アップ・デッドマン』は、その舞台設定と信仰の探求というテーマから、エドガー・アラン・ポーのような、よりダークでゴシックなトーンを持つ。本シリーズは、作品ごとに新たなジャンルや雰囲気に挑み続けているのだ。
さらにライアンは、これらの映画が現在の文化的な瞬間の深部を探ることを目指していると述べた。したがって、彼の次の作品、すなわち第4作は、現代の「時代精神」に触れることが求められるだろう。
「私にとって、これらの映画を作る一部は、現在の瞬間に反応することだ。必ずしも時事問題や政治、文化に特化しているわけではないが、私たちがその瞬間に世界で皆で何を感じているかという点でだ。アメリカの雰囲気チェックと、私たちがいるこの瞬間だ」
彼は、これらの映画が不朽のものとしてではなく、私たち全員にとって共通する、現在の瞬間の何かに片足を置いているという点が気に入っているという。この言葉からは、ブノワ・ブランが単なる事件の解決者ではなく、現代社会の歪みや空気を映し出す鏡としての役割を担っていることがうかがえる。
具体的な作品作りの着手については、ライアンは『ナイブズ・アウト』の世界に戻る前に、70年代のパラノイア・スリラーへのSFオマージュとなる単独の映画に取り組む予定だという。ブノワ・ブランの次なる冒険がどのような形で現代に切り込んでくるのか、期待して待ちたい。
最新映画『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』はNetflixで独占配信中。(海外ドラマNAVI)
参考元:Deadline




