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『SUITS/スーツ』スピンオフ、シーズン1での打ち切りに納得できる理由

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ディズニープラス
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SUITS/LA

人気リーガルドラマ『SUITS/スーツ』のスピンオフ『SUITS/スーツ LA』はシーズン1で早くもキャンセルとなったが、番組の打ち切りに納得できる理由を米Screen Rantが挙げている。

SUITS/スーツ LA
大ヒットドラマのスピンオフ!『SUITS/スーツ LA』12月11日(木)日本初放送

計9シーズンにわたるロングランを達成し、日本、韓国、エジプト …

実力派キャストの起用や本家キャストの登場もあったが…

『SUITS/スーツ LA』は、本家シリーズの舞台だったニューヨークからロサンゼルへ所を移し、大手法律事務所の敏腕弁護士であるテッド・ブラックを中心に、スターや業界人が巻き込まれるトラブルを解決していく物語。

シーズン1は全13話を通して山あり谷ありの展開を見せたものの、最終話は驚くほど盛り上がりに欠ける幕切れとなり、結果的にシリーズが早々に打ち切られた理由を改めて示す形になった。本作はスピンオフとして高い期待を背負っていたが、実力派キャストの起用や本家キャストの登場、そして適度なドラマとユーモアを盛り込んだ構成にもかかわらず、作品全体は空虚で物足りない仕上がりだった。

本家が、高い緊張感と巧妙な駆け引きを持つリーガルドラマとして評価されたのに対し、『スーツ LA』は同じ高みに到達しようと挑みながらも、物語の構成やトーンは安定しなかった。ドラマとコメディの間で揺れ動き、本作の“らしさ”を見つけられないまま終わった印象だ。

特に問題と言えるのは、テッドのキャラクター性だろう。ニューヨークでの過去や、兄の死をきっかけに父親との関係が壊れた背景は物語の核として扱われたが、フラッシュバックの多用により、それ以外の要素は“水増し”のように見えてしまう。さらに、スティーヴン・アメルによるテッドの演技が怒り以外の感情に乏しく、キャラクターの魅力を出し切れなかったことも物語の没入感を弱めた要因と言える。

最終話ではキャスト総動員で盛り上がりを図り、新たな“黒幕”となる人物が突如登場し、テッドのニューヨーク時代の過去を振り返るフラッシュバックが再び挿入される。しかし、その内容は第1話で明かされた情報をなぞるだけで、シーズンを通して積み上げてきたはずのドラマや対立構造は後退してしまう。複数の人間関係が佳境に達したものの、キャラクター描写が浅いせいで感情的な盛り上がりに欠け、この最終回が事実上のシリーズフィナーレとなった今、物語が“振り出しに戻った”かのように感じられた。

『スーツ LA』には確かな可能性があったが、方向性の迷走や浅いキャラクター、そして最終話の弱さが積み重なり、その魅力を発揮しきれなかった。結果として、本作は“多くを目指しながら何ひとつ極められなかった”スピンオフとなってしまったのが残念だ。

『SUITS/スーツ LA』は、WOWOWにて12月11日(木)より放送・WOWOWオンデマンドでアーカイブ配信予定。(海外ドラマNAVI)

Photo:『SUITS/スーツ LA』(c) 2025 Universal Content Productions LLC. All Rights Reserved.

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海外ドラマNAVI編集部

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