米USA Networkで2015年より4シーズンに渡り放送された人気ハッキング・スリラー『MR. ROBOT/ミスター・ロボット』。クリエイターのサム・エスメイルが同作のスピンオフの可能性について明かした。
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また『ミスター・ロボット』の世界に戻れるなら…
『ミスター・ロボット』は、ニューヨークのある巨大企業をハッキングによって倒そうとする天才的なITエンジニア、エリオット・アルダーソン(ラミ・マレック)を主人公にした物語。彼の前に現れる謎の男ミスター・ロボット(クリスチャン・スレイター)は、当初は師のような存在に見えるが、やがてエリオットが解離性同一性障害を抱えていることが明らかになる。
10月9日(木)〜12(日)に開催されたNYコミコンのステージに、エスメイルと主演のラミ、そしてクリスチャンが登壇。司会者から「スピンオフの可能性は?」と問われたエスメイルは、最近ある“ハッキング未遂事件”に巻き込まれたというエピソードを明かした。内容は、イタズラ電話のようなものだったが、やりとりの末、それが『ミスター・ロボット』のファンによるドッキリだったことが判明したという。
何度かやり取りを重ねた後、エスメイルが「で、これは一体何なんだ?」と尋ねると、相手の男性はこう明かしたという。「僕は、ただ本当にカーリー・チェイキン(ダーリーン役)とジョーイ・バッドアス(レオン役)のスピンオフが見たいんだよ。作ってくれない?」
続けてエスメイルは、「正直言って、また『ミスター・ロボット』の世界に戻れるなら、これ以上の喜びはないよ。でも、僕たちはあの物語をしっかり語りきり、最高の形で終わらせたんだ」とコミコンの観客席を見渡しながら語った。
The ‘Mr. Robot’ team on getting re-upped before the first season aired and how the show stood apart | #NYCC pic.twitter.com/uh8jCENeG8
— Deadline (@DEADLINE) October 10, 2025
エスメイルは『ファイト・クラブ』(1999年、デヴィッド・フィンチャー監督)に影響を受け、政治色の強い物語を作り上げたという。「反資本主義的で反企業的な内容を作っていて、誰が資金提供して宣伝してくれるんだろうと思っていた。でも、実際に実現したんだ!」と笑いながら回想した。当初は映画として構想されていたが、脚本が長くなりすぎたためシリーズ化されたという。2008年の金融危機やアラブの春が作品の発想源だったそうだ。
「当時、世界は危機に瀕していると思っていたけど、今振り返るとあれが“危機”だなんて、ずいぶんナイーブだったよ」と、エスメイルは現在の混沌とした政治情勢を皮肉るように語った。
放送開始からちょうど10年を迎えた『MR. ROBOT/ミスター・ロボット』は、Prime Videoにて配信中。(海外ドラマNAVI)