FOXで人気を博した医療ドラマ『レジデント 型破りな天才研修医』。全6シーズンで幕を閉じた本作だが、共同クリエイターがその打ち切りの理由を明かしている。米TV Sinderが伝えた。
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医療ドラマ『レジデント』スピンオフの可能性は?主人公にしたいキャラをクリエイターが明かす
2023年にシーズン6で打ち切りから米FOXの医療ドラマ『レ …
人気作に終止符が打たれた理由とは?複雑な「制作の政治的背景」
TV Insiderのインタビューで、共同クリエイターのエイミー・ホールデン・ジョーンズと製作総指揮のアンドリュー・チャップマンが、幻のシーズン7で計画されていた壮大な展開について語ってくれた。そこには、結婚式や主要キャラクターの再登場といったファン垂涎のストーリーが含まれていたという。
本国アメリカで2018年に放送を開始し、2023年1月に最終回を迎えた『レジデント』。シーズン6の最終エピソードは、シーズン7へ更新がされなかった場合でも意味の通る終わり方になるような脚本にしたと明かしていたが、その3カ月後には正式な打ち切りが発表された。
チャップマンはTV Insiderに対し、「制作の政治的な事情は非常に複雑であった」と明かしている。というのも、本作は米ABCが運営するスタジオに所属しながら、放送はFOXで行われていたため、この「分断」が毎年の契約交渉を非常に困難にしていたとのこと。さらに、スピンオフの制作も同様に難しかっただろうと付け加えている。
打ち切りの決定打はFOXの利益
ジョーンズは、打ち切りの唯一の理由が「FOXが番組を所有していなかったため利益を得られなかったこと」だと断言している。彼女は、現在のネットワークテレビが広告収入の減少に直面している状況に触れ、FOXを「まるで映画を上映しているAMCシアターのよう」だと例えた。そして、「私たちは『9-1-1:LA救命最前線』に次ぐ2番目に評価の高いドラマであった」と述べ、決して成功していなかったわけではないが、FOXは利益を得ていなかったのだ、と強調している。
ジョーンズはこの状況に「とてももどかしかった」と語っている。彼女は元々、この問題を避けるために、当時FOXのスタジオであった20thを通じて番組を販売したという。しかし、シーズン1の後にディズニーが20thを買収したことで、事態は一変し、すべてが複雑になってしまったとのことだ。
今回の証言からは、人気作であったにもかかわらず、複雑な大人の事情によって突然の幕引きとなってしまった舞台裏が垣間見える。幻のシーズン7の構想を知ると、もう一度彼らの活躍を見たかったという思いが募るばかりである。
今でも復活の声が多い医療ドラマ『レジデント 型破りな天才研修医』全6シーズンは、Disney+(ディズニープラス)で配信中。(海外ドラマNAVI)