『Major Crimes ~重大犯罪課』あのメインキャラが死ななくてはいけなかった理由

エミー賞&ゴールデン・グローブ賞を獲得し、7シーズンにわたるヒット作となった『クローザー』のスピンオフ『Major Crimes ~重大犯罪課』。2017-2018年放送のシーズン6で幕を下ろした本シリーズは、最終回を目前にある主要人物が命を落とすという衝撃展開を描いたが、それはなぜだったのか。クリエイターが明かした理由とは。

 

まさかのあの人が死ぬ展開に

最終回まで残り4話となったシーズン6第9話「陰謀のセオリー パート4」では、心疾患で倒れた主人公のシャロン・レイダー(メアリー・マクドネル)が息を引き取ってしまう。最終回を控えたタイミングでのショッキングな出来事に多くの視聴者が衝撃を受けたが、クリエイターのジェームズ・ダフによると、これは必要な展開だったという。

米Entertainment Weeklyのインタビューに応えたダフは、いくつか理由があるとした上で、まずはメアリーが演じる役を特別なものにしたかったと回答。「理由はたくさんあります。まずはクリエイティブな理由ですが、 アカデミー賞に2度ノミネートされた俳優を主演に迎え、彼女に何か特別な役を演じてほしいと思っていました。彼女はすばらしい仕事をして、衝撃を与えてくれました」と主演を称えた。

さらに、放送局の米TNTから突然打ち切りの決断を下されたことについても言及。打ち切りが発表されたのはシーズン6の放送開始前のことだった。

「放送開始前に打ち切りが決まるなんて思ってもみませんでした。実際に、放送終了後に続きのエピソードを発注される可能性もあったと思いますが、私たちはそれを望みませんでした」と、ダフは最初の打ち切り決定を受け入れることで、局の決断に振り回されることなく物語を終了させることにしたと告白。そうすることで、死を描いたメアリーに対しても、万が一シリーズが続いた場合に今後何か起きるかもしれないという期待を込めて彼女を留めるようなことはしたくなかったと述べた。

また、この展開を描く上でメアリーと顔を合わせて話をしたそうで、「私たちは視聴者の皆さんにも私たちと一緒に番組の終了を悲しみ、受け入れて欲しいと思っていました」とダフ語った。

続けて、「また、最終決戦まで導くも、リーダーがその最終決戦に参加することはないという展開の原型は、西洋思想と同じくらい古いものであることも指摘しておきましょう。 私たちは、最後の4話、5話に神話的な構造を持たせたいと思っていました。私はやるべきことをやったと感じています」と語り、「シャロンがいなければこんな終わり方はできなかったとわかったと思います」と、メアリーがいたからこその展開だったことを明かした。

『Major Crimes ~重大犯罪課』全6シーズンはPrime VideoU-NEXT、Huluなどで配信中。(海外ドラマNAVI)

Photo: (c)2014-2015 Warner Bros. Entertainment Inc.