11月14日(木)からAmazon Prime Videoで配信開始の犯罪ドラマ『アレックス・クロス ~狙われた刑事~』。配信前に早くもシーズン2へと更新された同作は、あえて原作に忠実に映像化しないというリスキーな選択を下した。その理由をはじめとした作品作りのこだわりについて、ショーランナーと主演俳優が明かしている。米TV Lineが伝えた。
新たなシリアルキラーが生まれた過程も明らかに
これまで何度か映画化されたジェームズ・パターソンの小説「アレックス・クロス」シリーズをもとにした『アレックス・クロス ~狙われた刑事~』。そのリリースに合わせて、ワシントン D.C.の殺人課刑事で犯罪心理学者の主人公アレックス・クロスを演じるとともにプロデューサーも兼任するオルディス・ホッジ(『レバレッジ ~詐欺師たちの流儀』)と、ショーランナーのベン・ワトキンス(『バーン・ノーティス 元スパイの逆襲』)が取材に応え、作品に込めた思いなどを語った。
過去にはモーガン・フリーマン主演で2本の映画(『コレクター』『スパイダー』)も作られ、小説シリーズ1作目発表から30年以上が経った今もなお色褪せない魅力を持つ同シリーズについて、オルディスは「子どもの頃から知っていた。アレックス・クロスの伝統的な存在感からは逃れられないよ」と作品の偉大さを口にする。
「出演が決まる前に原作を読んでいたからアレックス・クロスがどういう人物なのか知ってはいたけど、彼のことを本当に理解したのは脚本を読んで、ベンと話し合いをして、ジェームズ・パターソンとも話した後だった」と振り返るオルディス。「このキャラクターについて何が重要か、どんなものを世界に見せたいか、このキャラクターに本当に反映させたいことは何かをみんなで話し合った。美しいプロセスだったよ」
本作は、1993年から2023年までに31冊が出版された原作小説シリーズを直接映像化しない形をとっている。その決断についてワトキンスは「振り返ってみれば、リスキーだったと思うけど素晴らしい決断だった」とコメント。「リスキーだった理由は、それだけやるべき仕事が増えるということだし、伝説のアレックス・クロス・シリーズの評判に見合う作品を新たに作らないといけないわけだからね」
「原作シリーズを読んで“映像化に向いているのはどの作品だろう”と考えていたけど、創り上げられた登場人物や世界を使って、今の時代に合ったストーリーや、現在のテーマを盛り込む話を伝えたいと考えるようになったんだ。それにこのシリーズが長く続くと楽観的に考えるならば、その時々で変化する時事テーマを取り入れ、現在の出来事に合わせてミステリーを構築する柔軟性を持てるのは素晴らしいことだと思った。それでジェームズ・パターソンを訪ねて、“ミスター・ワールドワイドベストセラー、あなたの登場人物と世界観をお借りして、自分たちで新しいストーリーを作りたいです”と提案した。どんな反応をされるか少し心配だったけど、彼はそのアイデアを気に入ってくれたよ。“原作シリーズのファンは(ドラマ版で)大好きなキャラクターやなじみのある世界を楽しむことができる。さらにまったく新しいストーリーが楽しめるなんて、ボーナスのようなものだ”と気に入った理由を説明してくれた」と原作者パターソンとのやり取りを明かした。
シーズン1にはファンボーイと名乗るシリアルキラーが登場するが、このキャラクター設定にもこだわったという。ワトキンスは「ハンニバル・レクターの派生のような連続殺人犯は作りたくなかった。(『羊たちの沈黙』などで)アンソニー・ホプキンスが素晴らしい形で演じたことで、レクターは今や連続殺人犯のデフォルトのようなイメージになっているからね」と話し、意外性を追求したそう。
「ファンボーイのキャラクターが生まれたきっかけは、“ナイトストーカーに誰がファンレターを送っているだろう?”という疑問だった。ナイトストーカーはたくさんのファンレターが詰まった袋を受け取っているからね。“その中に特に熱烈なファンがいるとしたら誰だろう?”“もしナイトストーカーに敬意を表したいと思ったらこのファンは何をするだろう”って考えていった。そうやって質問を重ねて考えていって最終的にファンボーイが完成したんだ」とシリアルキラーが生まれた過程を説明している。
『アレックス・クロス ~狙われた刑事~』シーズン1(全8話)は11月14日(木)からAmazon Prime Video(アマゾンプライム)で独占配信開始。(海外ドラマNAVI)
参考元:米TV Line
Photo:『アレックス・クロス ~狙われた刑事~』© Amazon MGM Studios