『NCIS:ハワイ』が打ち切られ、『シドニー』がシーズン2に更新された理由

2024年、『NCIS:シドニー』はシーズン2へ更新され、本家『NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班』は記録を伸ばしてシーズン22へ、さらに新作スピンオフ2本(『NCIS:Origins(原題)』、『NCIS:Tony & Ziva(原題)』)の製作が発表され、ファンにとっては嬉しいことの連続だった。一方で、残念ながら『NCIS:ハワイ』の打ち切りが決定。決して視聴率が悪かったわけではない『ハワイ』は、なぜ継続させることができなかったのか? 『シドニー』と比較してみてみよう。

 

『NCIS』フランチャイズはオーストラリアで大人気

『シドニー』のスタート前から、『NCIS』フランチャイズはオーストラリアでの人気が高かったという。これは、パラマウントANZ(オーストラリア・ニュージーランド)コンテンツ&プログラミング部門長のダン・モナハン氏が、『シドニー』の撮影が始まった2023年5月に語っていたこと。「Screen Forever 2023」のイベントにて(豪TVTonightより)、モナハン氏は、彼の上司が長年『NCIS』のオーストラリアver.を作りたいと願い続け、ついにそれが叶ったのだと明かしていた。

加えて、『シドニー』シーズン2への更新発表(米The Hollywood Reporterより)で、CBSエンターテインメントのエイミー・ライゼンバック社長は、このスピンオフが「『NCIS』フランチャイズのグローバル力」をさらに強くするとコメント。このような言葉から、『シドニー』は『ハワイ』よりも国際的な視聴者に注目されており、継続の決断がしやすかったとみられる。

『ハワイ』は『シドニー』よりもコストが高かった?

『ハワイ』の打ち切りが発表されるより前に、もしシーズン4に進行した場合は予算が大幅に削減され、これまでの全22話から全13話構成になる可能性があると報じられていた。米Deadlineによると、番組プロデューサーはこの件と「その他の譲歩」にも同意していたが、結果的にCBSは打ち切りを決めたという。

つまり、今シーズンの『ハワイ』と『シドニー』の視聴率は同程度であったが、オーストラリアの方がコストが低く、さらにグローバル展開を後押しできるためにコストパフォーマンスが良かったのだと察せられる。

今でも、『ハワイ』のキャストやファンからの落胆の声は続いている。6月初め、アーニー・マリク役のジェイソン・アントゥーンは、米国では2023-2024シーズンの総視聴者数で『ハワイ』は16位だったことに言及しており、多くの人が予想外の喪失感を感じている。

『NCIS:シドニー』はParamount+にて独占配信中。(海外ドラマNAVI)

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