アンソニー・ホプキンス主演の最新作、ナチスの脅威から669人の子供たちを救った“イギリス版シンドラー”ニコラス・ウィントンの半生を描いた『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』が6月21日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほかにて公開。
本作には、今世界で話題のドラマに出演するあの俳優も出演! 実力派英国俳優陣のアンサンブルに注目してみよう。
『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』概要
スティーヴン・スピルバーグ監督の『シンドラーのリスト』で描かれたオスカー・シンドラーのように、ナチスの手から669人の子供たちを救った人物が英国にもいた。彼の名はニコラス・ウィントン。結果的に6000の命に繋がった活動と子供たちとの50年後の再会を『英国王のスピーチ』のプロデューサーが映画化。
年始から公開がスタートしたヨーロッパでは小さい規模での公開ながらも「最高に美しい物語」「ずっと涙が止まらない感動作」「現代を生きる全員が観るべき作品」と絶賛の口コミが話題となり、アンソニー・ホプキンスがアカデミー賞主演男優賞を獲得した『ファーザー』を超える興収をたたき出した。さらに3月中旬からは北米でも公開され、辛口で知られる米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」で批評家スコア91%、観客スコア95%(2024年5月時点)と驚異の高評価を得ている。
実力派俳優陣が集結
第二次世界大戦前夜のチェコでユダヤ人の子供たちを救い“英国のシンドラー”と呼ばれたニコラス・ウィントンの半生を映画化した本作。ニコラスの驚くべき功績が明かされたのは、彼が多くの子供たちを救ってから50年後のこと。そんな知られざる英国のヒーローの物語を描くにあたり集結したのは、英国きっての実力派俳優陣たち。主人公ニコラスには、ナイトの称号を持つ英国随一の俳優アンソニー・ホプキンスが、そして脇を固める俳優たちも映画・ドラマファンにはたまらない顔ぶればかりとなっている。
アンソニー・ホプキンスが演じる主人公ニコラス・ウィントンの若き青年時代を演じるのは、ジョニー・フリン。この4月にNetflixで配信されたばかりのアンドリュー・スコット主演のミニシリーズ『リプリー』で主人公のリプリーに大きな影響を与える御曹司ディッキー役が記憶に新しいジョニー・フリンは、俳優・ミュージシャンとマルチに活躍する才能あふれる41歳。アンソニー・ホプキンスの見た目とスタイルに合った役者として名前があがり、見事ニコラス役を射止めた。劇中演じるニコラスは29歳の設定だが、彼が本来持つピュアな魅力と演技力で年齢の壁をカバー。さらにアンソニーの撮影している現場を訪れ、彼の動きやリズムを観察し、徹底的に研究を重ねたと役作りの苦労を明かしている。
そんなジョニー扮するニコラス母親バベットを演じるのは、名女優ヘレナ・ボナム=カーター。悪役から英国王女の役まで幅広く演じ分ける演技派女優が、女手一つで育てた息子ニコラスの強い想いに感化され一緒にキンダートランスポートに奮闘する心優しく毅然とした母親を演じている。優しい母親だが、時に厳しくニコラスを支え、なくてはならない存在として映画に華を添えている。
ニコラスと一緒にキンダートランスポートを実行するイギリス難民委員会のトレヴァー役には、エル・ファニング主演『パーティで女の子に話しかけるには』のアレックス・シャープ。バイプレイヤーとして多くの映画やドラマに出演者してきたが、最近では世界中で話題となったNetflixドラマ『三体』のメインキャストとして登場し、再注目を集めている。アレックスはトレヴァー役を演じるにあたり、トレヴァーの親族に連絡をとり、家族しか知らない話を聞いて役のイメージを膨らませていったと語っている。
そしてアンソニー・ホプキンスが登場する現代パートで1シーンのみ登場するのは英国を代表する俳優ジョナサン・プライス。演劇、映画、ドラマと多方面で長きに渡り活躍し、大英帝国勲章の第3階級にあたるコマンダーを授与された名俳優。アンソニーとは『2人のローマ教皇』で共演し、揃ってアカデミー賞主演男優賞、助演男優賞でノミネートを果たした。本作では、ニコラスをチェコに導いた重要人物である親友マーティンを演じ、たった1シーンながらニコラスとの長年の友情を感じさせる説得力をもった渋い演技を披露しており大きな印象を残している。
名誉と実力を兼ね備えた豪華キャストが、アンソニーの名のもとに集結し描かれる感動の実話。役者の熱演はもちろん、世界の分断が大きくなっている今まさに伝えなければいけない物語として、キャスト&スタッフが一丸となって制作された命の物語をぜひスクリーンで味わってほしい。
≪ニコラス・ウィントンはどんな人?≫
イギリスの人道活動家。ロンドンに住むドイツ系ユダヤ人の両親のもとに生まれる。株式仲買人の仕事をしていたが、労働党左派の活動家と親交があり、早くからヒトラーの政策の行く末に疑問を抱いていた。
イギリスに子供たちを避難させる活動〈チェコ・キンダートランスポート〉を組織し、第二次世界大戦がはじまる直前(1939年3月14日から8月2日までの間)、ナチス・ドイツによるユダヤ人強制収容所に送られようとしていたチェコスロバキアのユダヤ人の子どもたちおよそ669名をチェコから脱出させることに成功。9月3日にも最大規模となる250名の子どもたちの救出が予定されていたが、9月1日の第二次世界大戦勃発により、その子どもたちを含め、以降チェコからの脱出は不可能となる。
『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』あらすじ
時は1938年、第2次世界大戦直前。ナチスから逃れてきた大勢のユダヤ人難民が、プラハで住居も十分な食料もない悲惨な生活を送っているのを見たニコラス・ウィントンは、子供たちをイギリスに避難させようと、同志たちと里親探しと資金集めに奔走する。ナチスの侵攻が迫るなか、ニコラスたちは次々と子供たちを列車に乗せるが、遂に開戦の日が訪れてしまう。それから50年、ニコラスは救出できなかった子供たちのことが忘れられず、自分を責め続けていた。そんな彼にBBCからTV番組「ザッツ・ライフ!」の収録に参加してほしいと連絡が入る。そこでニコラスを待っていたのは、胸を締め付ける再会と、思いもよらない未来だった。
(海外ドラマNAVI)
Photo:『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』© WILLOW ROAD FILMS LIMITED, BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2023