『ゲーム・オブ・スローンズ』原作者が脚色を批判。そんな彼が絶賛するドラマとは？

2024年5月30日 2024年5月30日 ※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます

近年、完全オリジナル脚本による作品は少なくなった一方で、人気小説などを映像化することが多いが、大ヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』原作者のジョージ・R・R・マーティンは、映像化において脚色を担当する人たちに厳しい意見を持っている。

ベストセラー小説の実写化が次々に誕生しているが、すべてが秀作という訳ではない。そんな、原作に忠実ではなかった、もしくは脚色がイマイチだったシリーズを、米TV Insiderが選出しているので5作品を紹介しよう。『ゲーム・オブ・スローンズ』ジョージ・R・R・マーティンの小説「氷と炎の歌」シリーズの...

脚色1000回のうち999回は「むしろ悪くなる」

マーティンといえば、『ゲーム・オブ・スローンズ』の原作となった「氷と炎の歌」シリーズをはじめ、2018年に発表した「炎と血」が『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』として映像化されており、そのほかにも彼の小説をもとに『ゲーム・オブ・スローンズ』スピンオフ企画が多数進められている。原作者という立場であると同時に、そうした映像化作品にクリエイターや製作総指揮として関わってきた彼が、自身のブログを更新。昨今の映像化についてあまり評価はできないとし、ほとんどの作品は原作を上回ることはできないと厳しい意見を示した。

「2022年にさかのぼるけど、当時からそんなに大した変化はない。変化があるとしたら悪化していることくらいだ」とマーティンはブログで綴り、2022年に開かれたNetflixのファンタジードラマ『サンドマン』のリリースイベントに、同作の原作者であるニール・ゲイマンと参加した時のことを回想。

「（イベント会場を）見回すと至るところに、優れた物語を獲得して自分たちのものにしようと狙うスクリーンライターやプロデューサーがわんさかいた。原作が誰によって書かれたものかは重要じゃないように見えたよ。スタン・リー、チャールズ・ディケンズ、イアン・フレミング、ロアルド・ダール、アーシュラ・K・ル＝グウィン、J・R・R・トールキン、マーク・トゥエイン、レイモンド・チャンドラー、ジェーン・オースティン…誰だってね」

「どれだけ有名な作家かどうかは重要じゃない。どれだけ優れた書籍かどうかも関係ない。原作をもっと良いものにできると考え、物語を手に入れて“改善”することに熱心な人が常にそばにいるようだった。彼らは“本は本。映画は映画。”ってまるで深いことを言ってるかのように言うんだ。それから自分たちで話を作る。でも、絶対により良くなることなんてない。1000回のうち999回は、むしろ悪くなる」と厳しい見方を明かした。

しかし、そんな辛口のマーティンも評価する一作がある。それが真田広之の主演ドラマ『SHOGUN 将軍』だ。「ずっと前、何年も昔だけど、1970年代後半に小説が発表された時、ものすごく感化された」とジェームズ・クラヴェルによる原作のファンであることを明かしたマーティン。原作だけでなく、1980年にリチャード・チェンバレン、三船敏郎らで映像化されたミニシリーズも気に入っていたため、真田バージョンの企画を聞いた当初はあらためて映像化する価値があるのかと疑っていたが、完成した作品を実際に見始めるとイッキ見してしまったという。

「でも、やってくれて良かった。新しい『SHOGUN 将軍』は見事だよ。チェンバレンのバージョンよりもいいかって？　うーん、それは分からない。1980年以来、そのミニシリーズを見ていないからね。あれも素晴らしかったよ。面白いのは、旧版と新版にはいくつかの大きな違いがあるけれど（新版は、英語圏の視聴者が日本語の会話を理解できるよう、英語字幕をつけたのが一番大きな違い）、どちらも独自のやり方でクラヴェルの小説に忠実ということだね。きっと原作者が見たら喜んだだろうな。新旧バージョンどちらの脚本家も原作に敬意を払って、素晴らしい脚色をした。“自分たちのものにする”という衝動に抵抗したんだ」と絶賛。なお、『SHOGUN 将軍』については、脚色だけでなく俳優たちの演技、演出、美術や衣装などすべてが素晴らしいと称えている。

マーティンが絶賛する『SHOGUN 将軍』はDisney+（ディズニープラス）に配信中。（海外ドラマNAVI）

参考元：ジョージ・R・R・マーティンのブログ

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