ディズニーというホームを失った『スパイダーウィックの謎』ドラマ版が救済される

配信先を求めてさまよっていた2008年の映画『スパイダーウィックの謎』のドラマ版『The Spiderwick Chronicles(原題)』が、新たなプラットフォームを見つけたと米Deadlineなど複数のメディアが伝えている。

撮影完了後にDisney+から見捨てられて…

原作は、ホリー・ブラックとトニー・ディテルリッジによる、世界30ヵ国以上で20万部超を売り上げた大人気ファンタジー小説「スパイダーウィック家の謎」(文渓堂刊)。ニューヨークからミシガンに引っ越し、先祖代々受け継がれてきた家であるスパイダーウィック屋敷に住むことになったグレース家。マロリー、ジャレッド、サイモンの3姉弟は、妖精の秘密が描かれた謎の書を発見したことで次々とアクシデントに見舞われるようになり…。2008年にフレディ・ハイモア(『グッド・ドクター 名医の条件』)主演で映画化され、今回のドラマ版にはジョイ・ブライアント(『フォー・ライフ』)やクリスチャン・スレイター(『MR.ROBOT/ミスター・ロボット』)が出演。ショーランナーを務めるのは、少年少女を主人公にしたファンタジードラマ『ロック&キー』を手掛けたアーロン・イーライ・コリートだ。

全8話のドラマ版はもともとDisney+(ディズニープラス)で配信される作品として製作されていたが、今年8月、すでに撮影は完了しているものの、Disney+が放映権を手放したと報じられていた。この決断の理由として、ディズニーが所有するIP(知的財産)コンテンツや独自のキュレーションに特化するための配信作品のコストカットが挙げられている。加えて、Disney+作品としては作風が暗いことも理由ではないかという見方もある。

突如行き場を失ったドラマ版だが、この度、Rokuがアメリカでの配信権を獲得。2024年初めより配信されることが決定した。2021年に買収したQuibiのコンテンツがメインだった広告付きの無料の動画配信サービス Rokuにとっては、初めての大型作品になる。ハリウッドで起きたストライキの影響で新作への需要が高まっていたこともあり、すぐに買い手が見つかったそうだ。

Rokuの幹部ブライアン・テネンバウムは、「クリスチャン・スレイターとジョイ・ブライアントが出演する、壮大な冒険に満ちた物語『The Spiderwick Chronicles』をThe Roku Channel独占でお届けすることができて光栄に思います」と声明を発表。「世界レベルの製作チームが想像したこの極めて素晴らしい精巧なシリーズを、何百万というユーザーの皆様にご紹介する日が楽しみで待ちきれません」と述べている。

製作会社Paramount Television Studiosの責任者であるニコール・クレメンスは、以下のように喜びを語った。「『The Spiderwick Chronicles』が新たなホームを見つけたことを心から喜んでいますし、情熱的なパートナーシップを組むことができたThe Roku Channelに感謝したいです。ショーランナーのアーロン・イーライ・コリートがとても愛されている原作の魅力を凝縮した美しいシリーズを作り上げてくれました。皆さんに素晴らしいキャラクターをご覧いただくのが楽しみでなりません」

映画版『スパイダーウィックの謎』はAmazon Prime Videoにて配信中。ドラマ版は北米以外ではどこから配信されるか未定だが、日本に上陸を果たす日は来るのだろうか。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Deadline米Entertainment Weekly

Photo:映画版『スパイダーウィックの謎』(米Entertainment Weeklyの公式Xより)