海外ドラマ『LOST』最も“混乱した”エピソード5選

米ABCで2005年より6シーズン121話にわたって放送された大ヒットミステリーアドベンチャーシリーズ『LOST』。無人島に墜落したオーシャニック815便の生存者たちが島で不可解な出来事に直面していくという謎が謎を呼ぶ展開に夢中になる人が続出し、社会現象を巻き起こした。

しかしシリーズが進むにつれて、メインの登場人物たち以外の人々“他の者たち”やタイムトラベルなどが登場すると、物語はより複雑になっていった。その結果、答えよりも疑問が残されることも多くなり、視聴者の理解が追い付かなくなる事態も。

Colliderが『LOST』の最も“混乱した”エピソードを紹介しているので、一部ピックアップしてみよう。
(※以下、各エピソードの内容に触れています)

『LOST』最も“混乱した”エピソード5選

シーズン3第8話「軌道」

島では、デズモンドが“未来を予知する能力”を持っていると疑うチャーリーとハーリーが、真実を聞くために彼を酔わせることにする。

本エピソード全体がフラッシュバックのようになっていて、デズモンドは自分の過去をある意味で追体験している。彼が島でフェイルセーフ・キーを回した後、数日間ロンドンに戻ったことが明らかになるが、そこでチャーリーが路上で大道芸をしているのを発見する場面など、何が起きていたのか、なぜ起きたのかが不明だ。

また、デズモンドの“時間”や“元恋人ペニー”の重要性が示唆されるのは、このエピソードが最後ではない。

シーズン4第7話「ジヨン」

この島の謎のひとつに妊婦が必ず死ぬという事実があるが、サンはそこで自分が妊娠していることを知る。

シーズン3まで、フラッシュバックは乗客たちを知るために不可欠だったが、シーズン4で取り入れられたフラッシュフォワードは、島から脱出できた人々の人生を垣間見せてくれる。

今エピソードでは、サンと夫ジンの別タイムラインが描かれる。サンは出産間近で、ジンは急いで病院に向かっている。2人は同じ時間軸にいるように見えるが、ジンのシーンはフラッシュバック、サンのシーンはフラッシュフォワードだったため視聴者を混乱させた。

シーズン5第1話「責めを負う者」

シーズン4フィナーレのフラッシュフォワードでは、生存者として故郷に帰還した“オーシャニック6”が家族と再会。ジャックは、葬儀場の棺の中でロックを見つけショックを受ける。

シーズン5の幕開け、ベンが島を移動させた結果、島に残された生存者たちは時間をランダムに飛び越えることができるようになった。一方、帰還から3年が経ち、ベンとジャックは島に残された人々を救うため、ロックの死体も含めてオーシャニック6全員で島へ戻ることを決意。

このエピソードでは、ダニエルが“音飛びするレコード”に例えて、なにが起きているのかを説明するが、この時のソーヤーの「どういうことだ!?」という言葉は視聴者の心情を物語っていると言えるだろう。

また、ダニエルが島にある研究機関ダーマ・イニシアティブにいることも描かれたが、なぜそこにいたのか説明はなかった。エンジニアたちは時間を操作できるエネルギーを見つけるが、通常のタイムトラベルのルールはデズモンドには適用されないらしいことも判明する。

シーズン6第1話「LA X」

シーズン6は、オーシャニック815便が墜落することなく無事に着陸するタイムラインが描かれる"フラッシュ・サイドウェイ"と呼ばれるパラレルワールドのアイデアが導入されたが、事態はまったく正しくならなかった。『LOST』ではよくあることだがさらなる疑問が生まれ、何が起きているかの本質が明らかにならなかった。

シーズン6第17話「終幕 -前編-」

二部構成のフィナーレで、新たに島を守るという任務を背負ったジャックは、島の中心部へと向かうが、ロックは島を破壊しようと動いている。一方、“フラッシュ・サイドウェイ”のロサンゼルスでは、デズモンドがオーシャニック815便の乗客を再会させる。

このクライマックスは、死後の世界での生存者たちのシーンを見た多くのファンが、彼らが最初からずっと死んでいたと誤解したことで、賛否両論を巻き起こした。(海外ドラマNAVI)

Photo:©ABC Studios.