『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』フィナーレの撮影は、軍のサポートが必要なほど危険だった!?

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』の撮影監督がフィナーレの撮影時のエピソードを明かし、軍のサポートが必要なほど危険だったと話しているとTVinsiderが伝えている。

撮影監督が苦労の多かった撮影の裏側を語る

2024年にシーズン2を解禁するべく準備が進められているエミー賞受賞の大ヒットシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』のスピンオフ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』。圧巻の映像がみどころのひとつだが、その立役者の一人といえるのが撮影監督ペペ・アヴィラ・デル・ピノ。第2話と第3話、そしてシーズン1フィナーレの第10話でもメガホンを取ったピノが色々と苦労の多かった撮影の裏側について明かした。

「大抵、仕事そのものに没頭するので、観客のことや作品が世界に与える影響について本当に忘れてしまう。でも『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』が解禁された時は、視聴者からすぐに反響があった。僕たちの仕事に世界中の人々が注目しているということは明らかだった。だからこれまでのプロジェクトとは少し違った」と話すピノ。

ポルトガル軍から支援

シーズンフィナーレの重要な舞台となるドラゴンストーン。そのセットをポルトガルのモンサントの山の中腹にゼロから作り上げたそう。

「これは非常に困難な課題だった。そこへたどり着く唯一の方法は徒歩で、小さな道があるけれど、基本的に車には向いていない。その小さな村の頂上に到着した後も、さらに500~600メートルくらいのハイキングが待っていた。だから課題は機材を持っていく方法やそこへ到着するためにかかる時間、もしも雨が降ったらどうするかということだけではなかったんだ。そこで、製作陣は最善の方法として、城の中央にプラットフォームを建てて、ヘリコプターですべての機材を運ぶことを決めた」と空輸を用いた大規模な準備が必要だったことを明かした。

危険と隣り合わせに聞こえるが、しっかりと安全面は確保されていたそう。「ポルトガル軍からの支援を受ける必要があったみたい。実際には、インフラは素晴らしかったよ。必要な場所には階段や木の手すりも作られたし、小さな電気自動車で細々したものを運ぶこともできた。頂上にはトイレやケータリング、フライパン、暖房、シャワーなど、すべてが備えられていた」と過ごしやすい環境だったという。

さらに1年で2週間しかない霧の時期を撮影に活かすこともできたという。「霧が濃すぎて何も見えないときもあった。霧が少し晴れるのを待たなければいけない時も何度かあったけど雰囲気づくりにはしっかりと役だった」

『マンダロリアン』で働いていたスタッフが協力

さらに本作では『オビ=ワン・ケノービ』や『マンダロリアン』で使用された最先端の撮影スタジオ「ボリューム」での撮影もあったそう。天井と壁をLEDスクリーンで囲った円形のスタジオで異世界に没入したような空間を作り出すことができる「ボリューム」での撮影はピノ監督にとっても初めてだったという。

「皆にとって非常に急激な学習曲線だった。クルーの誰もそれを使ったことがなかったと思う。『マンダロリアン』で働いていたスタッフからガイドラインや助けをもらえた」と作品を超えて協力を得られたことを明かした。

究極のクオリティを極限まで追求することを諦めなかった監督たちによって、作り上げられた圧巻の世界観。シーズン2解禁までしばらく時間がかかりそうなので、シーズン1の舞台に注目して復習するのもいいかもしれない。

(海外ドラマNAVI)

Photo:『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』© 2022 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.