『SHERLOCK/シャーロック』のベネディクト・カンバーバッチが、英国作家マックス・ポーターの原作を元にした映画『The Thing With Feathers(原題)』に出演する。米Deadlineが伝えた。
不思議な存在に導かれて…
原作は、2015年に発表され、29の地域で出版されたポーターの処女作「Grief is the Thing With Feathers(原題)」で、“21世紀の小説トップ100”にも選ばれるほどのベストセラーに。2019年にはキリアン・マーフィー(『ピーキー・ブラインダーズ』)主演でダブリンにて舞台化され、ニューヨークやゴールウェイ、ロンドンでも上演された。
監督・脚本を担当するのは、ビョークやアークティック・モンキーズなど様々なアーティストのPVでメガホンを取り、イギリスの人気バンド、ブラーの音楽ドキュメンタリー映画『ノー・ディスタンス・レフト・トゥ・ラン ~ア・フィルム・アバウト・ブラー』を手掛けたディラン・サザーン。
突然妻を失った男と彼の幼い息子たちを描く本作で、ベネディクトは若き父親を演じる。ベネディクト演じる主人公は妻の死後、まだ幼い二人の息子たちと暮らすアパートの暗がりの奥から奇妙な存在が忍び寄るようになったことで、現実への執着が薄れていくという役どころのようだ。“クロウ”と呼ばれるこの謎の存在は、どうやら父親がイラストレーターとして描いた本に載っていたカラスに命が宿ったもので、彼らの生活においてとても現実的な存在に。“クロウ”は最終的に家族が向かうべき新しい形へと彼らを導くという。
ベネディクトは「マックス・ポーターの素晴らしい小説とエンダ・ウォルシュによる舞台版の大ファンだったので、映画化には懐疑的でした。しかしディラン・サザーンの脚本を読むことで、悲しみに暮れる家族の最も本能的な物語を読むという映画的な記憶が蘇りました」と語り、さらに以下のように続けた。
「ディランはマックスによる動的な詩の熟練さを巧みに操りました。そこには、家庭的なものと神話的なもの、絶望と喜劇、そして喪失の日々の間で、激しく変化するトーンや色調などのすべてが収められています。とてもワクワクしながら脚本を読みましたし、ディランの映画的なビジョンをスクリーンで映し出せることにこれ以上ないほど興奮しています」
監督のサザーンは、「これは真に意味のある物語です。同時に怖くて、緊張感もあり、破壊的でもあります。この本を脚色する上で、観客を感動させるだけでなく怖がらせたり笑わせたりする必要があり、様々なジャンルの要素を組み合わせる機会でした」と述べている。(海外ドラマNAVI)
参考元:米Deadline
Photo:ベネディクト・カンバーバッチ ©James Warren/Famous