『サウスパーク』放映権料をめぐる訴訟が泥沼の様相?

人気アニメシリーズ『サウスパーク』の放映権をめぐって、米パラマウント・グローバルと米ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(以下WBD)の間で訴訟問題が起きているが、双方は互いに1歩も譲らず非難し合っている状況だ。米Varietyが報じた。

何が起きている?

『サウスパーク』は、米パラマウント・メディア・ネットワークスの傘下であるケーブル放送局コメディ・セントラルで1997年に放送がスタートしたご長寿アニメシリーズ。

今年2月、WBDはパラマウントが『サウスパーク』の特番をParamount+(パラマウントの配信サービス)に流用するなど、(WBDが運営する)HBO Maxとのライセンス契約に違反したとして提訴していた。

これを受け、現地時間の4月19日(水)、パラマウントは契約上全ての条件を満たしていたにも関わらず、HBO Maxが2600万ドル(約35億円)の支払い2回(5200万ドル=約70億円)を保留にしていると主張し、反訴を提起した。

ニューヨーク州最高裁判所に提出された訴状では、パラマウントが主張する未払い料金は現在HBO Maxで配信されている『サウスパーク』の全300話以上のエピソードについてであるとされており、先の訴訟では争われていないとのこと。

パラマウントの代理人は「WBDは、HBO Maxが放映・利用を続けている『サウスパーク』のコンテンツに対して支払うべき5000万ドル以上の支払いを拒否しています」と声明を発表。WBDの主張は根拠がないものと説明し、支払いの拒否は正当化されるものではないと非難した。

2019年、ワーナー・ブラザースは『サウスパーク』の23シーズン、さらにコメディ・セントラルで未放送の3シーズンの配信権に対して5億ドル(約672億円)を支払うことに合意。WBDは、未放送の3シーズンはそれぞれ全10話構成を予定されていたと主張した。

しかし、新型コロナウイルスのパンデミックにより2020年は製作現場が混乱し、HBO Maxが配信できたのは2話分のみ。その後の2シーズンでは12話分を追加配信できたが、3シーズンで放送できたのは当初予定していた全30話の約半分(全14話)だった。

また2021年、『サウスパーク』を制作するMTVエンターテインメント・スタジオは、クリエイターのトレイ・パーカーとマット・ストーンと9億ドル(約1207億円)の契約を結び、Paramount+で配信する『サウスパーク』の映画14本の製作を発表。この新作について、WBDはパラマウントがHBO Maxに提供しないために、言葉でごまかしていると訴えた。

一方で、パラマウントは反訴の中で各シーズン10話ずつという内容を含まれていなかったと述べ、「契約要項には、『サウスパーク』の新シーズンについては含まれていません」と反論。配信用映画についても同様の考えを主張した。(海外ドラマNAVI)

Photo:Twitterアカウント @SouthParkより