ジュディ・デンチ、Netflix『ザ・クラウン』を批判「残酷なほど不当」

英エリザベス女王2世の治世を描くNetflixのドラマ『ザ・クラウン』は史実を交えながら描くフィクションだが、Netflixは番組の冒頭に、「歴史上の出来事をフィクションとして描いている」と告知する免責事項の表示を拒否している。そのNetflixの意向に、英大女優のジュディ・デンチが異を唱えている。

Netflixは考え直す時が来たのではないか

『ザ・クラウン』は史実を交えながら実在の人物を描いているため、シリーズで語られる物語が全て事実だと勘違いしてしまう視聴者がいるようだ。英王室では番組に否定的な声を上げるメンバーが少なくないが、番組に対して同じ想いを抱いているジュディが、英The Timesに以下のような公開書簡を送ったという。

「シリーズでは、例えばチャールズ皇太子(現在の英国王)が母親の退位を画策したとか、母親の子育てが不十分で、それは実刑に値するといったことが明らかにほのめかされていました。こういった描写は個人にとって残酷なほど不当であり、彼らが代表する組織にもダメージがあるでしょう。私ほど芸術の自由を信じる者はいませんが、これは看過できないことです。今週Netflixは、“『ザ・クラウン』はフィクションのドラマだ”と公言したにもかかわらず、番組の製作側は各エピソードの冒頭に免責事項を載せるよう求める声にすべて抵抗しています。Netflixは、考え直す時が来たのではないでしょうか。70年間にわたり国民に忠実に仕え、最近亡くなられた君主に敬意を表し、遺族と国民のためにも、そして英国の加入者の目から見たNetflixの評判を守るためにもです」

有害で悪意があると批判

最近、1990年から1997年まで英首相を務めたジョン・メージャー卿が、チャールズ国王となった皇太子を描くシリーズを、「有害で悪意のあるフィクション」だと批判。この発言を受け、Netflixの広報担当者が正式に、「『ザ・クラウン』は常に歴史的な出来事に基づいたドラマ(フィクション)として提供されてきました」との声明を出した。しかし米Varietyによると、Netflixの担当者は、「我々は免責事項を追加する予定はなく、その必要もないと考えています」と述べていたという。

ファイナルとなるシーズン6では、ダイアナ妃が交通事故で亡くなる経緯とその余波が描かれる予定のため、さらに番組に対する反発や批判の声が高まる可能性がありそうだ。

『ザ・クラウン』シーズン5は、11月9日(水)にNetflixにて配信スタート。シーズン1~4が配信中。(海外ドラマNAVI)

 

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Photo:ジュディ・デンチ©️James Warren/Famous/『ザ・クラウン』Netflixにて独占配信