世界中を虜にした大ヒット大河ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の前日譚『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』。2018年に出版されたジョージ・R・R・マーティンによる「炎と血」を壮大なスケールで映像化する本作は『ゲーム・オブ・スローンズ』の約200年前を舞台に、ターガリエン一族の歴史が明かされる。そんな本作は、ある作品に影響を受けていると製作者が語った。米E!Onlineが報じている。
脚本を練るうえで話題になったドラマは…
クリエイター兼製作総指揮のミゲル・サポチニク(『オルタード・カーボン』)とライアン・J・コンダル(『COLONY/コロニー』)は、「ライタールームで常に話題になったドラマは『メディア王~華麗なる一族~』(別名『サクセッション』)と『ザ・クラウン』だった」と、彼らの頭の中にあった作品を明かした。
米HBO『メディア王~華麗なる一族~』は、一代でメディア帝国を築き上げた家長が子どもたちのうち誰が後を継ぐのかという家族の問題を超えて、世間からも注目を集める後継者争いを描いたもの。一方、Netflixオリジナルシリーズ『ザ・クラウン』は、進化し続ける大英帝国を支配するエリザベス2世とその一族の栄華と治世を描いた作品で、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』に出演するマット・スミスがフィリップ王子を演じたことでも知られている。ターガリエン家のように女性が王位につくという類似点だけでなく、原作者のマーティンが「炎と血」をイギリス王室の長い歴史とそれに伴う内紛をベースにしていることから、参考にするのはふさわしい選択だと言えるだろう。
ストーリーやトーン、ドラマのリズムやペースという点での参考という意味で、両シリーズについていつも話していたそうで、製作総指揮陣は皆『サクセション』の大ファンだそうだ。もちろん、オリジナルの『ゲーム・オブ・スローンズ』も参考にしており、サポチニクは第3章のリトルフィンガー(エイダン・ギレン『プロジェクト・ブルーブック』)とヴァリス(コンリース・ヒル『カササギ殺人事件』)のシーンは脚本家たちが話し合う際に、重要なシーンだったと明かしている。
その理由は、「(自分にとって)『ゲーム・オブ・スローンズ』が何であるかを定義する特定のシーンを脚本家たちに見せたかった」のだという。「面白いことに、実際に調べてみると、書かれたエピソードが短すぎて、時間を埋めるために生まれたシーンなんです。「作品とはほとんど関係もないシーンなのに、本作の終わり方のトーンを完璧に表現しているのです」
『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』を制作する際に、「そのトーンとカラー」に寄り添いたかったとコンドルは振り返る。「“トーンとカラー”が『ゲーム・オブ・スローンズ』の世界を作り上げた最も重要なものだと思います」さらに、「このシリーズのカラーは、原作のマーティンから始まったと思いますが、その後、デヴィッドとダンによってスクリーンに映し出されました」とコンダルは続ける。「この二つが、あの世界に人々を最も引きつけるものだと思います。成功の見込みがあるのなら、まずこの二つを再現しなければならなかった」
イースターエッグについての考え
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『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』には、『ゲーム・オブ・スローンズ』を見た人にとってはおなじみの設定や家族などがたくさん登場するが、単なるイースター・エッグ(内輪ネタ)ではない。サポチニクは「イースターエッグやあちこちのオチに夢中になるのは簡単です」と警告。コンダルは「イースターエッグなどには、ファンサービス性を感じるので、私はどうなのだろうと懐疑的なのです」と続けた。そして「それでもイースターエッグを入れる理由があるのなら、オリジナルの前の170年という大きな隔たりを超えて結びつけられるので、素晴らしいことだと思います。でも、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』は私たち自身のものでなければならないので、やるとしても気をつけないといけませんね」と語った。
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Photo:『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』© 2022 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc. Netflixオリジナルシリーズ『ザ・クラウン』シーズン1~4は独占配信中 『メディア王~華麗なる一族~』シーズン3© 2022 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.