【映画レビュー】『キャプテン・マーベル』記憶のない女性ヒーロー、明かされるアベンジャーズ誕生の秘密

アイアンマンやスパイダーマンなど、人気ヒーロー作品がクロスオーバーする世界「マーベル・シネマティック・ユニバース」。その世界に、初の女性単独ヒーロー作品が登場する。3月15日(火)より劇場公開中の『キャプテン・マーベル』。

■ニック・フューリーが出会う、初めてのヒーロー

アベンジャーズ結成前の1995年、ロサンゼルスの街角に、空から一人の女性が墜ちてくる。彼女の名はキャプテン・マーベル(ブリー・ラーソン)。特殊能力を備えているが、過去の記憶が一切なく、その経歴は謎に包まれている。時折彼女を襲う鮮烈なフラッシュバックが、壮絶な過去を思わせる。

一方、ロサンゼルスの街には、獰猛なスクラル人たちが潜伏。市民になりすます彼らに、国際平和維持組織S.H.I.E.L.D.のニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)は頭を悩ませていた。そんな折、彼とキャプテン・マーベルが出会ったことで、アベンジャーズ結成までの前日譚が動き出す。

■温もり感じる良質なストーリー

米Los Angeles Timesは、主演ブリーの派手でパワフルな演技に注目している。さらに、ミステリアスなバックグラウンドが設定されていることから、観客は彼女とともに過去の真実を発見してゆく感覚を味わうことができる。特殊能力とアクションで魅せるだけでなく、非常に共感しやすい主人公となったと述べている。

さらに主人公だけでなく、ストーリー全般に温かさとユーモアが詰め込まれており、マーベル映画の中で最もおかしく、かつ最も心温まる作品、と米Chicago Sun-Timesは評価。熱い友情と家族のストーリーが、紡がれてゆく。

また、後にS.H.I.E.L.D.の長官となるフューリーにトレードマークの眼帯はなく、両眼とも健在。また演じるサミュエルの若々しさにも注目。全編を通じてデジタル処理で若返りが施され、90年代という設定にマッチするようになっている、とNew York Timesは伝えている。

■噂のヒーロー、待望の登場

絶大なパワーを誇るキャプテン・マーベルは、いま旬のヒーローだ。先日予告映像が公開されたばかりの4月26日(金)公開の『アベンジャーズ/エンドゲーム』への登場もすでに確定している。彼女がアベンジャーズに加わるという噂は、昨年の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の公開後から囁かれていた。エンドクレジット後のボーナスシーンで、フューリーのポケベルからキャプテン・マーベル宛てにSOSが発信され、彼女の登場が暗示されていた経緯がある。

本作では、フューリーのお茶目な一面も必見。アベンジャーズの創始者となる身でありながら、猫に目がなく、さらにはトーストの切り方にこだわる意外な繊細さも。フューリーと言えば、彼を演じるサミュエルのおっちょこちょいぶりも話題だ。彼の勘違いから「キャプテン・マーベルはタイムトラベルが可能」と発言したことで、ファンたちを混乱の渦に。誰よりも驚いたのは、他でもないキャプテン・マーベル役のブリー。「もしかして、スタジオがまだ自分に隠している情報を聞いちゃったのかも」と、大いに慌てたそうだ。

マーベル最強の呼び声も高い女性ヒーローを描く『キャプテン・マーベル』は、3月15日(金)より劇場公開中。(海外ドラマNAVI)

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『キャプテン・マーベル』
(C)Marvel Studios 2019