人気TVシリーズ『ホワイトカラー』のニール・キャフリー役で知られるマット・ボマーが、1980年代のエイズ問題に関する実話を基にした映画『The Book of Ruth(原題)』に出演することがわかった。共演は『アフェア 情事の行方』でアリソン役を演じたルース・ウィルソン。米Deadlineが報じている。
本作は、エイズ危機に直面した1980年代のアメリカで、患者たちの介護に心を尽くしたクリスチャンでシングルマザーのルース・コッカー・バークスについて描く物語。
1983年、バークス(ルース)は、仕事、信仰、そして6歳の娘ジェシカの子育てと、忙しい日々を送っていた。ある日、隣に越してきたハンサムな男性(マット)が、ニューヨークで暮らしていたゲイであり、エイズによりパートナーを亡くしたことで街を出てきたことを知り、バークスは多くの人が苦しんでいたエイズについて学ぶことを決意する。
メガホンを取るのは舞台演出家としてトニー賞に2度ノミネートされた実績のあるマイケル・アーデンで、本作が映画監督デビュー作となる。製作にスコット・ラステティ(『ジェーン』)、トーマス・デイリー(『タイガー・ハウス』)らが名を連ねる。年内の撮影開始を予定している。
監督を務めるアーデンは「危機的な状況下で他人に対して思いやりや責任を負うことについて描くこの重要な物語を伝える機会をいただけて、大変光栄で名誉あることだと思っています。私は同性愛者として、大きな偏見や敵対者に立ち向かったバークスの物語は、現代の我々にとっても必要なものだと感じるのです」とコメント。
続けて、「我々は、エイズの流行により、ある世代の人々を亡くし、ルースを含む多くの人がこの疫病に苦しみ困っている人々を助けるために自らを犠牲にしたことを覚えておかなければなりません」と本作の重要性について話した。
ルースは、ドラマ『アフェア』の他、英作家フィリップ・プルマン原作のべストセラー小説「ライラの冒険」を映像化したファンタジー・アドベンチャー『ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤』のコールター夫人や、『刑事ジョン・ルーサー』の天才的な頭脳を持つ犯罪者アリス・モーガンなど、印象的な役どころを存在感たっぷりに演じ分ける実力派女優。
そして本作はマットにとってTV映画『ノーマル・ハート』以来のエイズを扱った作品となる。米HBOで2014年に放送された『ノーマル・ハート』の舞台もやはり1980年代で、エイズが原因不明の疾患とされ、同性愛者に並ならぬ不安を巻き起こしていた時代を描いている。ゲイの地位向上のため日夜闘う活動家のネッド(マーク・ラファロ)と惹かれ合う記者フェリックスを熱演したマットは、ゴールデン・グローブ賞助演男優賞を受賞。HIVウイルスとエイズへの正しい理解を求めて闘う役どころを演じたマットが、次回作でどのような演技を見せてくれるのか楽しみだ。(海外ドラマNAVI)
Photo:マット・ボマー ©SF/Famous