レネー・ゼルウィガーと主演女優争いを繰り広げた新鋭ジェシー・バックリーとは?『ジュディ 虹の彼方に』

波瀾万丈の人生と圧倒的なステージパフォーマンスで知られる伝説のミュージカル女優ジュディ・ガーランドの晩年を描いた映画『ジュディ 虹の彼方に』が3月6日(金)に公開される。同作ではジュディを演じてアカデミー賞を獲得したレネー・ゼルウィガーの演技が評判を呼んでいるが、実は彼女と主演女優賞を争っていた共演者の存在も見逃せない。注目作が相次いでいる次代のブレイク候補、ジェシー・バックリーについてご紹介しよう。

ハリウッド黄金期を象徴する1939年の映画『オズの魔法使』で17歳にして一躍スターダムを駆け上がったジュディ・ガーランドを徹底した役作りで熱演したレネーに対しては、ジュディ本人をよく知る人物もお墨付き。ロンドン滞在中のジュディの世話をしたロザリン・ワイルダーは、「人生の中であんなに人が変わる姿を見たことがなかった」とレネーの変身っぷりを絶賛している。かつての世話係としてジュディをよく知る生き証人のロザリンが明かしたエピソードなどを取り入れることで本作にはリアリティと温かみがもたらされた。マイペースで不安定なジュディに振り回されつつも、どこか憎めない彼女を支え続けるロザリンを本作で演じたのがジェシーだ。

アイルランド出身のジェシーは、2018年に英国インディペンデント映画賞最優秀新人賞を受賞。英BBCの文芸ドラマ『戦争と平和』やトム・ハーディ主演の歴史ドラマ『TABOO』、英ITVのミステリードラマ『新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』で姿を見せたほか、昨年エミー賞10部門に輝いた米HBOの骨太ドラマ『チェルノブイリ』にも全5話にわたって参加。現在は、ロバート・ダウニー・Jr主演のファミリー映画『ドクター・ドリトル』(3月20日全国ロードショー)でヴィクトリア女王を演じている上、チャーリー・カウフマンの新作や渡辺謙共演の『Cottontail(原題)』、ベネディクト・カンバーバッチ共演の『Ironbark(原題)』といった映画が控えている。さらには人気犯罪ドラマ『FARGO/ファーゴ』シーズン4への出演も決定している注目女優だ。

今年の英国アカデミー賞では、主演作『ワイルド・ローズ』(6月26日全国ロードショー)で本作のレネーとともにノミネートされた。カントリー歌手を演じたこの『ワイルド・ローズ』では『ジュディ 虹の彼方に』のレネー同様に自ら歌声を披露し、主題歌「Glasgow (No Place Like Home)」でアカデミー賞主題歌賞のショートリストに選出され、放送映画批評家協会賞の主題歌賞にもノミネートされてもいる。

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子どもの頃からジュディに憧れていたというミュージカル出身のジェシーは、ロザリン本人との対話を通して役作り。「ある時点で仮面が剥がれ、互いに人のためにではなく自分が望むままに生きようと思っていることが分かって、ジュディとロザリンの間に友情が生まれる。ロザリンが自分の感情よりもプロ意識を優先させる一方で、ジュディは何かとそれを壊しちゃうけど、二人は確かに友情を築くの」と語り、ロザリン本人を通してジュディとロザリンの関係性を自分のこととして落とし込んでいったのだという。

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そんなジェシーが演じる自分を本編で見たロザリンは、その熱演っぷりに「私がいる」と感じたそうで、「ジェシーは最高の演技をしたわ。秀でた才能を持つ彼女が演じてくれることがとても嬉しい」と絶賛。共演したレネーも「本当に楽しかったのよ! ジェシーは最高で、才能もすごくあるの」と称えている。本作でメガホンを取ったルパート・グールド監督は、「ジェシーとレネーは最高のペア。二人はすぐに仲良くなった」と相性の良さを明かし、「ジェシーは共感を呼ぶことができ、もうすでに素晴らしい女優。これからさらに成熟していくのを見ることができるんだ」と、今後の活躍にも大きな期待を寄せる。オスカーに輝いたレネーとともに、躍進中のジェシーの演技にも注目してみてほしい。

『ジュディ 虹の彼方に』(配給:ギャガ)は3月6日(金)より全国ロードショー。(海外ドラマNAVI)

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『ジュディ 虹の彼方に』
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