俳優だけでなく脚本家・監督・プロデューサーとしての顔を持ち、70代になった今もスターとして活躍するシルベスター・スタローン。本人役を演じた人気ドラマ『THIS IS US』のようにアクション俳優として知られる彼の代表作『ランボー』シリーズがついに完結を迎える。その最終章『ランボー ラスト・ブラッド』の公開を前に、過去作をまとめてふり返ろう。
1982年のシリーズ1作目からシルベスターが演じ続けてきた同シリーズの主人公はジョン・ランボー。かつてアメリカ陸軍特殊部隊、通称グリーンベレーの兵士としてベトナム戦争を生き抜いたランボーは、帰還後PTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされながらも、伝説の戦闘マシンとして世界各地で孤独な戦いに身を投じてきた。そんな彼が最新作ではついに自身の居場所を見つけ、初めて"家族"を守るために立ち上がる。これまでに比べていっそうランボーの心情に焦点が当てられ、1作目への原点回帰を思わせるシーンも詰め込まれたファン垂涎の仕上がりだ。
長年ランボーを演じ続け、シリーズ全作の脚本も手掛けてきたシルベスター自身も、「ランボーは長年孤立していたが、今の彼には家族がいる。そうした原動力を見ることは、彼の考え方や行動の動機を深く理解する上で役に立つ。この映画は、シリーズのこれまでの作品とは大きく異なった仕上がりになっている」と話している。
本シリーズを観ていなかったり、観たけれど一部忘れてしまった人のために、これだけは知っておきたい、"怒りのランボー伝説"とともに過去作品をふり返っていこう。
『ランボー』(1982)
デイヴィッド・マレルの小説が原作の、記念すべきシリーズ1作目。アメリカ北西部の小さな町を訪れたベトナム帰還兵のランボーは、よそ者を嫌う町の保安官からいわれのない仕打ちを受け、怒りが爆発! たった一人のランボーと数百人の保安官による戦いが始まる。森の中に逃げ込んだランボーが、グリーンベレーで鍛えられた密林でのゲリラ戦術を駆使して次々と敵をなぎ倒していく姿は圧巻。しかし一番の見どころは、ランボーが信頼するグリーンベレー時代の上官トラウトマン大佐が現れた終盤...。そこで明かされるランボーが心に負った傷には、誰もが心を打たれるはず!
『ランボー/怒りの脱出』(1985)
1作目の事件によって刑務所に服役していたランボーだが、トラウトマン大佐から釈放の代わりにある依頼を受けることに。それは、ベトナム軍に捕まったままの捕虜の極秘調査だった。しかし、潜入したランボーは、現地での戦闘行為は厳禁だったにもかかわらず、計画にないアメリカ兵の救出を行ってしまい、またもや大勢のベトナム軍に追われてしまう! ランボーとアメリカ兵は作戦にあった救出地点へと急ぐが、迎えに来たアメリカ軍の飛行機は彼らを見捨て撤退...。味方から見放され再び怒りを爆発させたランボーは、無事に脱出することができるのか!?
『ランボー3/怒りのアフガン』(1988)
戦いを通して心の傷を負い、タイの寺院で静かに暮らしていたランボー。元上司で唯一の理解者でもあるトラウトマン大佐たちからのアフガニスタン潜入という要請を拒絶するが、のちに大佐がアフガニスタンでソ連軍に捕まったと聞き、彼を救出するため現地へ飛ぶことに。自国民を守るために戦う勇敢なアフガニスタンのゲリラ兵士たちと出会ったランボーは、そこへやってきたソ連軍が小さな集落と人々を襲撃するのを目にして怒りが頂点に達する! 大切な上官のために動くランボーと、彼を慕うアフガニスタンの少年兵士との間に絆が芽生えていく描写も描かれ、少しずつ孤独から解放されていくランボーの姿を垣間見ることができる。アクションもパワーアップし、驚異のサバイバル術を見せるランボーの姿も必見だ!
『ランボー/最後の戦場』(2008)
前作から20年ぶりに公開されたシリーズ4作目では、シルベスターがシリーズで初めて監督を担当し、リアルな情勢も盛り込まれている。アフガニスタンでの死闘を経てタイ北部のジャングルで暮らしていたランボーは、タイとミャンマーの国境付近でミャンマー軍事政権によるカレン族の迫害が激化する中で戦いに巻き込まれていく。医療品を届けようとするアメリカのボランティアチームから助けを求められた彼は、女子供にさえも残虐無残なミャンマー軍に怒り心頭となり、元グリーンベレーの圧倒的戦闘力を見せつける! 20年経っても衰えを見せないランボーの強さから目が離せない。
そして最新作では、ランボーがやっと手に入れた大切な家族にまで危険が及び、彼の怒りは頂点へ...。『ランボー ラスト・ブラッド』(配給:ギャガ)は、6月26日(金)よりTOHOシネマズ日比谷他にて全国ロードショー。(海外ドラマNAVI)
Photo:
『ランボー ラスト・ブラッド』
© 2019 RAMBO V PRODUCTIONS, INC.
『ランボー』
© 1982 STUDIOCANAL
『ランボー/怒りの脱出』
© 1985 STUDIOCANAL
『ランボー3/怒りのアフガン』
© 1988 STUDIOCANAL
『ランボー 最後の戦場』DVD(1,143円+税/発売・販売元:ギャガ)発売中
© 2007 EQUITY PICTURES MEDIENFONDS GMBH & CO.KG IV