『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』アフレコ現場に潜入!

KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT

先日お届けした「海外ドラマ逆輸入実現!? 『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』の吹き替えキャストとプロデューサーを直撃!」。平成仮面ライダーと海外ドラマの絶妙なマッチングに興味をそそられた方、実際に番組を観てみた方も多かったのでは? そこで今回は、アフレコ現場の様子と、前回紹介しきれなかった松田さん、鈴木さんが語る裏話を合わせてお届け。これを読んだら、あなたも『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』ファンに変身!?

■スタジオはレトロな元映写室
『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』のアフレコが進行する都内某所のスタジオ。古くからの建物の中にあるそのスタジオは、とってもレトロな雰囲気。もとは映写室だった部屋を利用しているため、天井は高く暗幕や階段状の座席が据えられていて、コントロールルームとスタジオの仕切りには映写機用の小窓があるなど、いわゆるスタジオのイメージとは異なる趣がある(歴史のある学校の理科室とか視聴覚室っぽいイメージ!?)。そんなスタジオで、海外ドラマとして日本に戻ってきた仮面ライダーのアフレコが行われているのだから何とも不思議な感じで...。

■声優陣が豪華すぎ!
この日の収録は33話と34話。全40話。ちょうどシリーズも佳境にさしかかったところ。日本語版キャストは、アニメの世界で活躍している売れっ子声優から、実際に仮面ライダーを経験したイケメン俳優、さらには、海外ドラマや外画の吹き替えでも活躍しているベテラン声優まで、バックグラウンドはさまざま。その豪華な顔ぶれには、本当に驚かされる!

■モンスターの奇声が...
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そして、驚くと言えば、アフレコにかけるその時間の長さ。番組そのものは1話30分もないくらいだが、1話を録るためにゆうに3時間はかかっているような...。その理由は、別録りが多いこと。アクションシーンの、「ハッ」「トーッ」といった気合いのかけ声から敵に攻撃される時の「ううぅっ」といううめき声(通称"やられ")まで、かなり細かーく別録りされているのだ。
だから、モンスター(ショッカー的キャラ)の声を録る時は特に面白い! 何せ、「キー」「チョウ」「キュルルゥー」といった奇声だけが静まりかえったスタジオの中に響き渡るんだから! しかも贅沢なことに、このモンスターたちの声を演じているのは、メインキャストを務める人気声優たちだったりする。実は、同じモンスターでも、声優によってかなりバリエーションが。誰とは言わないけれども、完全に"狙ってるな!"と思える声を出している人もいて。後からレン役の松田さんに聞いたけれど、収録時には、みんなの"狙った"演技に笑いをこらえるのが大変なんだとか。

■変身後があるからこそ役作りが大切
さらに驚かされたのが、日本語キャストたちの熱心な役作り。ヒーローモノって、変身後はスーツで顔も覆われちゃうから表情がない。だからこそ、役作りが大変という一面もあるらしいのだ。「あの時を境に、○○が強くなった気がする。それは△△で□□だったからという解釈でいいのか?」と言った、キャラクターの心情やストーリーの背景を、しつこいくらいに演出家やプロデューサーに尋ねる役者さんもいて、"特撮ヒーロー=子供だまし"ではないんだな、とあらためて認識させられる。
それから、ネタバレになるのであまり詳しく書けないのが残念だけれど、この日収録された34話では、ある役者さんが1人2役の演技を見せてくれる。特に、2役が面と向かって言い合いをするシーンでは、その役者さんの見事なまでの"一人芝居"が繰り広げられて。そのスゴさと言ったらもう! かなり早口でテンポが速い会話なのに、2役を見事に演じ分けるそのテクニック。キャラクターを理解し、完全に自分のものにしているからこそできる技なのだなーと感心しきり。スタッフの方からは1役ずつ別録りにした方がいいのでは...との意見も出たけれど、会話が進むにつれて激高していくシーンだから、役者さんとしては一気に2役とも演じきる方がやりやすかったみたい。あの時、スタッフからわき起った拍手が忘れられないなぁ。

■「変身!」じゃなくて「KAMEN RIDER!」
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そんなこんなで、熱ーいアフレコも無事終了! 収録を終えたキット(仮面ライダードラゴンナイト)役の鈴木達央さん、レン(仮面ライダーウィングナイト)役の松田悟志さんに、気になったことを直撃!
まずは、変身の際のかけ声について。「仮面ライダー」シリーズでは、「変身!」が決めゼリフだけれど、実は『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』では「KAMEN RIDER!」というかけ声に変わっている(ここ、重要ポイント!)。最初は観る方も違和感、演じる方も気恥ずかしい感じのかけ声だけれど、これが回を重ねていくごとに番組の個性として効果を発揮しているのだけれど...
「最初は『変身』じゃダメですか?ってプロデューサーに交渉したんですよ(笑)でも、これがリメイク版のアメリカらしさの象徴になっているし、今ではこれで良かったと思っています。このかけ声は、さあ、これから戦いが始まるぞ!っていうワクワク感が良く表現されているし、声だけで演じるこちらとしても、このセリフが気合いを入れ直すいい切り替えポイントになっています。ゲストの役者さんがアフレコにいらっしゃる時は、僕がお手本をやっています。『KAMEN RIDER!』って(笑)」
と鈴木さん。最初は「カメンライド」と聞こえるような言い方をしていたのが、今では微妙に変化が加わって「カァメンライドル(ルは小さいR)」くらいに落ち着いているのだとか(笑)
「『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』では仮面ライダーが13人いるので、『KAMEN RIDER!』のかけ声もその数だけバリエーションがあるんです。みんな個性を出そうと、それぞれ工夫してますよ。クリス(仮面ライダースティング)役の神谷さんなんて『カメンライ』までしか言ってませんし。残りの『ダー』は帰り道で言っているそうです(笑)個人的には、ケイス(仮面ライダーセイレーン)役の沢城みゆきさんの言い方に注目してます。完全にネイティブ発音なんですよ!」
と松田さん。うーん、自分の好きな『KAMEN RIDER!』の発音を見つけるのも楽しいかも。

■アドリブは多いです
バリエーションと言えば、アドリブも結構多いそう。鈴木さんも、結構アドリブ入れてるんじゃ?
「アドリブは多いですよ。最初に入れ始めたのは、リッチー(仮面ライダーインサイザー)役の高橋広樹さんかな。JTC(仮面ライダーストライク)役の杉田智和さんやレイシー役の小松由佳さんもアドリブが多いですね。僕もアドリブは入れますが、台本に書いておくことはないですね。周りの役者さんの演技や雰囲気に合わせて出てくるからこそ本当の"アドリブ"だと思っています。」
なるほどー。どこからどこまで台本でどこからどこまでがアドリブだろうって想像してみるのも面白そう。ちなみに、仮面ライダーストライクのアクションシーンでのセリフはほとんどが杉田さんのアドリブなんだとか!

■SATCで女性の扱い方の勉強!?
海外ドラマNAVIらしく、好きな海外ドラマについても質問! 鈴木さんは、前回の「海外ドラマ逆輸入実現!? 『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』の吹き替えキャストとプロデューサーを直撃!」の中でもお伝えしたとおり、大の海外ドラマファンというか、海外ドラマオタクのレベル。一方の松田さんは...
「『24 -TWENTY FOUR-』や『プリズン・ブレイク』が好きです。『SEX AND THE CITY』も全部観ました。女性の扱い方を勉強しようと思って(笑)」
ちょっとちょっと、松田さんみたいなイケメンが女性の扱い方を勉強!? 絶対必要ないですから!

■吹き替え陣のキャスティングは...
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さて、そんな松田さん、鈴木さんのお2人をキャスティングしたプロデューサーの白倉さんからは、キャスティングの裏話も。
「人気があって腕もある優れた声優陣を集めました。けれども、テクニックに優れた人たちだけを集めると、隙のないキャラクターに仕上がり過ぎてしまう危険性もある。だからこそ、これまでの仮面ライダーシリーズに登場した俳優もキャスティングしました。声優には声優の、俳優には俳優の役作りがある。どちらかというと、その役をどのようなテクニックで克服しようかと考えるのが声優、キャラクターになりきることで役に入っていこうとするのが俳優。それぞれ、役作りに取り組む際のベクトルが違うので、それがぶつかり合って良い相乗効果を生み出していると思います」
そんな中、レン役だけは『仮面ライダー龍騎』でも蓮(レン)を演じた松田悟志さんをキャスティングしていたのは?
「『仮面ライダー龍騎』の中の秋山蓮という役は、非常に印象的なキャラクター。リメイク版を観た時、アメリカのスタッフの"秋山蓮リスペクト"を強く感じました。レンにはアメリカナイズドされた"秋山蓮"の格好良さがにじみ出ていたんです。だからこそ、レンは松田君にお願いしなければと思いましたね。吹き替えのテクニックという点では、プロの声優の方が優れている部分もあるかもしれませんが、松田君は非常に心を打つ芝居をしてくれる。彼の役者魂にはいつも驚かされます」
過去にも、松田さんの演技を見て涙を流したことがあると語る白倉さん。主役の鈴木達央さんにしても松田さんにしても、本当に役作りに熱心だと絶賛! なお、聞くところによると、リメイク版に出演した現地の主要キャストたちは、きちんと龍騎の映像を観た上で役作りをしたとのこと。オリジナルへのリスペクトが感じられるのは、本家仮面ライダーを輩出した日本側としては嬉しい限りだ。

ちなみに、この日は収録の合間に誕生日を迎えたキャストの誕生日をみんなで祝う一幕もあり、いつにも増して和気藹々でとっても賑やかだったアフレコ現場。 若いキャストが多く、エネルギッシュでパワーのある雰囲気に圧倒されたNAVI取材陣は、海外ドラマの新ジャンルの幕開けを予感した次第。お世辞抜きに、特撮ヒーローモノがこんなイイ感じの海外ドラマになっているなんて本当にビックリさせられちゃいました。
現在は、東映チャンネルのみの放送だけれど、今春には地上波でも放送されるとか。多くの人が日本の"TOKUSATSU"文化の逆輸入を、海外ドラマとして楽しめるようになる日も遠くない!?

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■放送情報
『Kamen Rider Dragon Knight』
【放送】東映チャンネル
【レギュラー放送】毎週火曜日 16:00~17:00
【再放送】木曜日 18:00~ 日曜日 11:00~ 火曜日 6:00~ 木曜日 8:00~
※毎週2話ずつ放送

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ライタープロフィール

やなぎだるみ

やなぎだるみ
海外ドラマで情操教育に取り組む子持ちライター。 ソフトウェア解説書の執筆等、テクニカルライティングの分野でも活動中。最近は、クリンゴン語の研究にはまっている。