『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』悪役の大塚芳忠さんに突撃インタビュー!

シリーズ(?)としてお届けしてきた『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』のコラムの最終回は、悪の親玉ゼイビアックスを演じている大塚芳忠さんの突撃インタビュー!

大塚さんと言えば、特撮ヒーローものの世界では『仮面ライダー電王』のデネブ役で絶大なる支持を集めているけれど、もちろん海外ドラマや外画の吹き替えの世界でも超有名。『フルハウス』のダニー・タナーをはじめ、『新スタートレック』のデータ少佐、最近では『リ・ジェネシス バイオ犯罪捜査班』のデビッド・サンドストロム、『デスパレートな妻たち』のポール・ヤング、『CSI:マイアミ』のロン・サリスなど、挙げていったらきりがない!
そんな大塚さんが今回『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』で演じるのは、日本の『仮面ライダー龍騎』にはないリメイク版独自のキャラクター・ゼイビアックス。『仮面ライダー龍騎』は13人の仮面ライダーが最後の1人になるまで戦い続けるという仮面ライダーバトル(←『仮面ライダー』じゃなくてこれじゃ『バトルロワイヤル』だ! と物議を醸した)が物語の主軸だが、『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』は海外向けに勧善懲悪をはっきりさせたストーリーに変更にされている。そこで登場するのが、現世界のパラレルワールド"ベンタラ"を支配する悪の将軍・ゼイビアックスだ。

■本家は日本だ!というプライドはあります
『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』が面白いのは、ドラマの逆輸入という非常に珍しいパターンであること。大塚さんはどんなスタンスで臨んでいるのか聞いてみた。
「基本的には"外画"と同じ気持ちで演じています。でも面白いのは、『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』は"海外ドラマ"でありながら、そのオリジナルは日本という点。原語を大切にしながらアテてはいますが、今回に限っては日本のオリジナルな味付けも意識するようにしています。こういう二重構造は今までにないパターン。新鮮ですね」
たしかに、海外ドラマのアフレコでは原作の持ち味を壊さないようにすることが大切。でも、今回の『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』は日本の番組のリメイク。"本家は日本なんだ!"というプライドが、大塚さんの演技にもこめられているというわけ。

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■アフレコ現場はとってもにぎやか
『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』の日本語版キャストは、俳優さんもいればアニメで活躍している声優さんもいるし、海外ドラマや外画の吹き替えで有名な声優さん(「24 -TWENTY FOUR-』のジャック・バウアー役でおなじみの小山力也さん、『グレイズ・アナトミー』のクリスティーナ役の沢海陽子さん)もいるという、とてもユニークで豪華な顔ぶれ。現場の雰囲気はとっても賑やかで和気藹々とした雰囲気だけれど...
「いやあ、本当にうるさいくらいに賑やかですよ。みんな楽しんでいるし、現場の雰囲気も盛り上がってる。若い人たちが集まっているので、年齢が近いせいかすぐに打ち解けちゃうんですよ。人見知りしないというか。彼らとは親子ほどの歳の差ですが、皮肉なことを言ったりして(笑)会話に混ぜてもらっています」
ちなみに、今回の現場では大塚さんが日本語版キャストの最年長だそう。まさにキャストの要!

■最近では悪役が増えてます
『フルハウス』では几帳面で厳格な面もありながらとっても子煩悩なパパ・ダニーを好演。『新スタートレック』ではアンドロイドという設定のデータ少佐を演じるなど、とても幅広い役柄をこなしている大塚さん。最近では『CSI:マイアミ』のロン・サリスなど、イヤ~な感じの悪役も数多くこなしているけれど、そもそも悪役って大塚さんのオハコなの!?
「『スティーヴン・キングのランゴリアーズ』で、非常にエキセントリックなクレイグという役をやらせてもらったんですが、これがとっても評判が良くて。それ以来、一癖ある悪役の仕事が増えましたね」
いやあ、そうだったんですか!『スティーヴン・キングのランゴリアーズ』は、NAVIでもオススメしているので、まだ観ていない方はこの機会にぜひ!

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■うまい役者にはアテやすいんです
この日の『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』の収録では、いかにも悪の親玉らしく、迫力あるド派手な演技を見せてくれた大塚さん。「もう少し優しい感じでお願いします」と演出家からお願いされてしまうという一幕も。
「ゼイビアックスは、キャラクター設定がハッキリしているからやりやすいです。演じているウィリアム・オーリアリーという役者さんも、とても分かりやすい演技をしてくれてますからね。やはり、演技のうまい役者さんの方がアテやすい。『新スタートレック』でデータ少佐を演じていたブレント・スパイナーは、非常に演技が上手な人でしたね」
大塚さん、英語は分からなくても(笑)、演技がうまいかどうかはセリフ回しを聞けばすぐに分かるそう。さすがです!

■印象に残っている作品はやっぱり『フルハウス』
さてさて、そんな役者としての幅が広い大塚さん。特に印象に残った作品は?
「映画では、『ショーシャンクの空に』でティム・ロビンスが演じたアンディ・デュフレーン役が印象に残っています。それから、『評決のとき』ですね。マシュー・マコノヒー演じる新米弁護士ジェイクをやらせてもらったんですが、初めて演じながら本気で涙を流しました」
どちらも、二枚目役! そう、大塚さんは悪役じゃなくて二枚目役も本当によく似合う!
「海外ドラマではやっぱり『フルハウス』ですね。これを始めた当時は、まだそんなに仕事が多くない時期でね。このドラマをきっかけに、声優としてのポジションを確立できたんですよ。だからやはり印象深いです」
なるほど、『フルハウス』は大塚さんの出世作というわけ。そう思うとまた『フルハウスが』観たくなってきちゃた...。

...というわけで、突然のインタビューの依頼にも快く応じてくださった大塚さん、今回は本当にありがとうございました! 大塚さんいわく『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』の見どころはやはりアクションとのこと。向こうで新撮されたシーンはオリジナルよりさらに派手に。けれども、日本のオリジナルシーンもうまく流用されているのが『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』のアクションの面白いところ。大塚さんオススメのアクションに注目しつつ、海外ドラマに縁の深い声優さんにも着目しながら観てみてください!