『ゲーム・オブ・スローンズ』一の人気キャラクター、小鬼(インプ)ことティリオン(ピーター・ディングレイジ)を演じる森川智之さん。誰もがいつしか魅了されてしまうティリオンというキャラクターの魅力をたっぷりと語ってくれました!
―― まずは最初にこのドラマを見た時の印象はいかがでした?
このスケールをTVシリーズでやれるのってすごいな、と。こんなドラマ、今まで見たことないな、って思いましたね。このクオリティの高さを続ける事がそもそも難しいですよね。それを考えるとこのドラマを作るにあたってのスタッフの意気込みが伝わってきますし、「多分この作品に一生を捧げちゃうんだろうな」って、そんな風に思えるくらいのレベルの高さですよ、これは。
―― このドラマってすごく人間関係も入り組んでいてキャラクターを把握するのも大変な部分が正直あると思うんですけど、それなのに1話見ただけでハマってしまう面白さがあるじゃないですか。その中で森川さんが一番気になる部分とは?
やっぱり僕はティリオン役としてこのドラマに関わっているので、彼の人生が一番気になりますよね。彼の境遇もそうだし、身体的な特徴もそうなんですけど、七王国という世界で戦いが繰り広げられる中で、ティリオンというのはともすると一番弱い人間なんですよね。でも彼はそれを逆手に取って、知識を知恵に変えて、その知恵を知性として生かしている。セリフの中にも「知性を鎧として」というのがあるんですけど、彼があの世界で生き抜くための知恵を、身を持って体現しているんです。家族に対しても、ラニスター家というのは決してティリオンに好意的ではないし、いろいろ問題もあったりするんだけど、付かず離れずでいい距離を保っている。それが今のティリオンにとっては得策なんですよね。上手くラニスター家を使っているな、という感じで。
―― それぞれのキャラクターの個性がどんどん際立っていく作品ですが、その中でもティリオンというのは一番深みのあるキャラクターな気がします。森川さんはティリオンのどんなところに一番惹かれますか?
彼の人間的な魅力って、弱い者にはとことん手を差し伸べるところで、僕は彼のそこにすごく惹かれますね。あの一面を見せてくれただけで僕はもうティリオンについて行こうと思いました(笑)ジョン・スノウと不思議な友情が生まれるのも、自分と似たような境遇の彼に自分を重ねているところがあるからですよね。ジョンも同じようにティリオンに惹かれていて。ティリオンって特に自分からリーダーシップを発揮して「俺について来い!」っていう感じではないんだけど、自分の行動や言葉で人の心を掴むんですよね。そこがまた彼の魅力のひとつだと思います。
―― ティリオンは原作でもドラマでも一番人気があるキャラクターなんですけど、そういうキャラクターを演じるプレッシャーはありました?
収録が始まってから、一番人気があるって聞きました(笑)先に聞いてたら大変なプレッシャーになってたかもしれないですね(笑)
―― キャラクターの面白さもそうですが、ファンタジーであり、歴史ドラマのような雰囲気もありと、いろんな見どころがあるドラマですが、森川さんから見た、このドラマの一番のオススメポイントは何なんでしょう?
うーん。人の人生の生き様をじっくりと見られるところかな。容赦のない出来事もあるんだけど、ものすごく豪華に人の生き様というものを描いていると思うんです。架空の世界の話なのに、すごくリアルだし。僕はこういう話が結構好きで、毎年年末から元旦まで『ゴッドファーザー』を全作見るのがここ数年の定番なんですけど、人の生涯を描くという点で『ゲーム・オブ・スローンズ』と『ゴッドファーザー』ってすごく似ていると思うんですよ。こういう人生のドラマって自分の生き方にもプラスになるし、すごく好きなんですよね。それはともかく、シーズン1に特化して話をすると、「絶対に1話から見逃しちゃダメ!」って事ですね。途中から人気があるみたいだから見てみようって感じで見始めるんじゃダメ! ちゃんと第1話から見ないと乗り遅れるぞ!って感じですね。
―― このドラマでは覇権を争う名家がいくつも登場しますが、森川さんがその中で一番気になる家系はどれですか?
ラニスター家はもちろん気になるんですけど、もうひとつターガリエン家も気になりますね~。あそこの家だけメインランドじゃない、海の向こうの世界にいるんですけど、なんて野蛮な暮らしをしているんだ! って最初は驚くんですけど、そのターガリエン家が今後どう関わってくるのか気になって。それにあの王女! デナーリスがどう変化していくのかも気になるし。一方でラニスター家はラニスター家で何をしでかすか分からないし。裏家訓が「借りは必ず返す」ですからね。これって別にいい意味だけじゃないし。あとタリー家も何気にすごいですよね。アイリー城でしたっけ? あの城! あんな場所では働きたくないですよ! キャットの妹もかなりビックリなキャラクターですしね(笑)
―― まったく先が読めない展開なわけですが、森川さんは最終的に誰が勝つと思いますか?
希望で言えばやっぱりティリオンに最後は勝って欲しいなぁとは思うんですけどね。玉座争いって、客観的に見るとこっけいな部分もあって、憎悪や憎しみだけで戦っちゃって、感情で突き動かされてる人物もいたりするじゃないですか。でもティリオンだけは常に俯瞰で物事を見ていてすごく冷静なんですよね。ひとつの人生のバイブルとして、ティリオンがあの処世術で玉座を取ってくれると、いい教科書になるんじゃないかな、って(笑)
―― ちなみに森川さんがティリオン以外でお気に入りのキャラクターは誰なんでしょう?
うーん、ジョン・スノウとか、あと年齢的には小さいけどブランも気になるなぁ。ティリオンはブランにも手を差し伸べるんですよね。
―― お気に入りを見つけるにもこのドラマ、登場人物が多いから大変ですよね。このたくさんいるキャラクターを把握する何かコツはあったりするんでしょうか?
ないですよ(笑) もう徐々に覚えていくしかない(笑)収録現場は大変でしたよ。まず最初にウェスタロスの地図を渡されて、とりあえず位置関係を把握するという(笑)スターク家にしても、最初は誰が誰だか分からなくてみんな同じに見えちゃいましたからね。
―― 本当に最初は大変だと思うので、何かコツがあればぜひアドバイスを...と思ったんですが(笑)
アドバイスは、"ながら"で見ないように! これに尽きますね。1話から集中して見て頂くのが大事だと思います(笑)
―― 最後にこのドラマには各家に"銘言"という家訓がありますけど、それにちなんで森川さんの銘言-座右の銘をお聞きしたいのですが。
有言実行をもじって夢言実行っていう言葉を作ったんですけど、夢というのは語って外に出さないと実現しないって意味なんですけど、夢は黙っているとそれで終わってしまうから。
―― すごいですね。まさに銘言ですよ!
自分でも上手いことできたな、って思って(笑)
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