ジャーナリスト・鳥越俊太郎が報道番組の舞台裏を語る 『ニュースルーム』試写会&トークショー

4月8日(月)からWOWOWプライムにて放送が始まるドラマ『ニュースルーム』。本作の試写会と、ジャーナリスト・鳥越俊太郎と読売新聞記者・大木隆士によるトークショーが、25日(月)に東京・スペースFS汐留にて開催された。試写会終了後に登壇した鳥越は、「現存するメディアはほぼ経験し、あとは映画だけ。映画を作りたいと改めて思った」と、本作のクオリティの高さに興奮気味だった。

本作は、『ソーシャルネットワーク』のアーロン・ソーキンが手掛けた、日々世界で起きる事件や事故を"報道する側の人たちのドラマ"を描いた作品。新聞記者の大木が不思議に思ったのは「主人公のウィル・マカヴォイが報道局長に意見するほどの権限をもっている」ということ。これに対し鳥越は「アメリカでは、司会進行役は碇や最終ランナーの意味を持つ"アンカー"と呼ばれるが、日本では投げる人を意味する"キャスター"。アメリカでは、例え人格に欠陥があっても、制作プロセスにおいて大きな力を持っている」と答えた。そして、ウィルの優れたアドリブには「久米宏さんを思い出した」と加えた。

一方、いつもは"聴く側"ゆえに人前で話すことに緊張している大木が「緊張しないのか?」と質問。すると「最初のTV放送では、カメラにあるタリー(使用中を知らせる赤いランプ)を追うのに必死で、チンパンジーみたいにキョロキョロしたね」と当時を振り返り会場の笑いを誘った。
なお、「アンカーに必要なのは度胸か?」との問いに、鳥越は「瞬発力。瞬間的に理解して言葉に変える力」とのこと。

「劇中に"100万人に観られるより、100人が観る番組を作りたい"というセリフがある。スポンサーがいる以上、視聴率は大事。そんな事はありえないと思ったが、日本にもアメリカにも同じ問題が存在することを改めて感じた。苦悩しながらやるしかない人々の姿に、実際の出来事を入れて人間ドラマが作られている。素晴らしい脚本だ」そう語る鳥越だった。

『ニュースルーム』は、4月8日(月)からWOWOWプライムにて放送スタート。毎週月曜23:00から。そして、WOWOWメンバーズオンデマンドでは、3月16日(土)10時から4月14日(日)まで、第1話が先行無料配信される。(海外ドラマNAVI)

Photo:(左から)大木隆士、鳥越俊太郎