ファンの寄付金で実現した『ヴェロニカ・マーズ』の映画化に、『プッシング・デイジー』のクリエイターも興味シンシン!?

人気ドラマ『ヴェロニカ・マーズ』が、ネット上でファンによる寄付金を募るKickstarter(キックスターター)を利用することにより、映画化の資金調達に成功した件は、ハリウッドに少なからぬ衝撃を与えたようだ。

『CHUCK/チャック』の映画化を熱望するザッカリー・リーヴァイも「『ヴェロニカ~』にあやかりたい」と発言したことはすでにお伝えしたが、今度は、『プッシング・デイジー ~恋するパイメーカー~』のクリエイターであるブライアン・フラーも興味をもっていることが報じられている。

2007年から2009年にかけて放送された『プッシング・デイジー』は、死者に触れるだけで甦らせることができる青年ネッドをめぐるファンタジードラマ。カラフルな映像と独特のブラックな味わいで熱狂的ファンを生み出し、エミー賞ではコメディシリーズ部門監督賞・助演女優賞を受賞するなど評価は高かった。しかし大ヒットに結びつかず、わずか2シーズンで打ち切りとなってしまった。

しかし、フラーにとっては思い入れのある作品のようで、映画『羊たちの沈黙』の殺人鬼ハンニバル・レクター博士が主人公となる新作ドラマ『Hannibal』を手がけるかたわら、『プッシング・デイジー』映画化のための脚本を書いていたという。

そんなわけで、『ヴェロニカ~』が半日足らずで映画化の目標額200万ドル(現時点では417万ドル)を集めたことを、大いに関心をもって見つめていたが、『プッシング・デイジー』を映画化する場合、目標額はもっと高く設定しなければならないと思っているそうだ。

「『プッシング・デイジー』では世界を構築しなければならなかった。パイのお店や視覚効果、ゾンビの特殊メークなど、たくさんの要素が関わっていたからね。1時間のパイロットには600万ドルの製作費がかかったし、シリーズ化したあとも一話あたりに300万ドルを要していた。映画を作るとなったら1000~1500万ドルが必要になるんじゃないかな。『ヴェロニカ~』よりハードルは高くなるよ」

そのほか、スタジオや監督・出演者の了承をとりつけるなど、やらなければいけないことは多い。『ヴェロニカ~』の製作総指揮者で、資金調達を成功させたロブ・トーマスから多くのことを学び、同じことが可能かどうか見極めたい、と、フラーは話している。

短命に終わったカルトな人気作を映画化しようと、クラウドファンディングで資金を集める動きは、果たして『ヴェロニカ』以外にも波及していくのだろうか?(海外ドラマNAVI)

Photo:ブライアン・フラー(c)Izumi Hasegawa/www.HollywoodNewsWire.net