「マックスは日本にいたらAKB48オタクになりそう」『HAWAII FIVE-0』マシ・オカに突撃インタビュー!

20130412_c01.jpg『HAWAII FIVE-0』で検視官マックスを好演中のマシ・オカ。シーズン2からレギュラーになった彼が、昨年に続き今年も来日。シーズンを重ねるごとに存在感を増しているマックスについて、ドラマの見どころについて、そしてクリエイターとしても活躍する彼の活動について、大いに語ってくれた。

―― シーズン2からレギュラーになって、キャラクターもより掘り下げられていると思うんですけど、マシ・オカさん自身はマックスのどんなところが一番気に入ってるんでしょう?

一番気に入っているのはダニーたちに対抗する姿勢があるところ。マックスはあまり社交的ではなさそうなんだけど、人の言いなりにはならないし、正義感も強いよね。スティーヴやダニーに対しても、敬意は持っているけど、あくまで対等な意識でいるんだ。例えばダニーに何か言われても他の人はあまり言い返さないけど、マックスはすごく言い返すんだよね。

―― でもムキになって対抗するというよりあくまでニュートラルな感じですよね。

そうそう。マックス自身はいたって自然体なんだ。あと彼のいいところは、すごくいい人、ピュアなんだよね。ピュアすぎる(笑) 日本にいたらAKB48オタクになりそうな感じ(笑)

―― シーズン3の見どころは?

シーズン2同様、アクションもあり、人間ドラマもあり、スティーヴとダニーの車の中での口げんかもありで(笑)。アクションは前よりちょっと派手になってるかな。カーチェイスは毎回あるし、それを全部足したらオアフ島一周できる(笑)。F1やってもおかしくないくらいだよ。予算は削減されているのに、アクションの数は増えているという(笑)。まぁ特にうちの番組はアクションが売りだから、マンネリ化しないようにいろいろ工夫をしてるんだろうし、そういう意味では安く大きく(笑)、バラエティに富んだものにしようと心得てるんだと思う。

―― シーズン2ではマックスも銃撃を受けたりしましたが、そのトラウマとかはないんですか?

いや、特にないな(笑)。マックスは割とクールなので、単に事故に遭ったくらいの感覚なんじゃないかな。脚本にも特に書かれてないし。もともとマックスは検視官として毎日死体を見ているからね。常に死と対峙しているから、死を恐れてないんだよね。

―― マックスの母親の話だとか、少しずつ彼の素顔も見えてきますよね。その辺りはどう意識してるんでしょう?

難しいのは、このドラマって1話完結だから、シーズン全体を通してのキャラの成長はあるにしても、そこまでディープには描かないというか、脚本家さんたちもマックスに対して細かい部分は考えてないんじゃないかな。役作りの上で自分ではいろいろ考えるけど。マックスは検視官としてスティーヴたちに情報を渡すのが役割で、それぞれがプロフェッショナルだから、プライベートの部分というのはあまり出さないんじゃないかな。だから母親とのエピソードはむしろ例外なんだけど、確かにあのエピソードがあった事でよりマックスに対して親しみがわくようになったと思うんだ。

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―― 以前、マックスのキャラクターに意外性を持たせたいと話していましたが、シーズン3では何か企んでいる事はありますか?

マックスは杖の使い方が結構上手かったって設定があったので、その杖を使って『雨に唄えば』とかやりたかったんだけどね(笑)。あ、シーズン3ではマックスに彼女が出来るかもしれないので、それはみんなにとってはちょっと意外かもな。まだ脚本が出来たばかりなんでちょっとだけ話すと、銀行員の女の子で、マックスはATMが使えるのにわざわざ彼女のいる窓口に通ってるんだ。彼女の窓口が開くまで他の人に順番を譲ったりしてね。一応1シーズンにひとつだけ、マックスにまつわるエピソードを入れて欲しいって言ってるので、シーズン3ではこの彼女とのストーリーがマックスのハイライトになるかな。
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―― ところで昨年のハロウィンの時にtwitterに仮装姿をアップしてましたが、あれはマックスの仮装ですか?

そうそう。マックスはなぜかキアヌ・リーブスのファンっていう設定だから。最初は『マトリックス』で、今回は『ビルとテッドの大冒険』(笑)。そうすると来年はなんだろう?『47 RONIN』かな(笑)。

―― ところで今もロスとハワイを往復して撮影してるんですか?

まさに、通勤状態(笑)。基本的にはロサンゼルスがベースだから。ドラマの撮影は1話に8日かかるんだけど、僕の撮影自体は1日か2日で終わるものだから、撮影が終わったらロスに戻るという生活なんだ。他の仕事や友達もみんなロスにいるし、ミーティングなんかでどうしてもロスにいなきゃいけないこともあるからね。

―― じゃぁマイルがいっぱい貯まりますね(笑)。

すっごくいっぱい貯まる(笑)。でもハワイ航空のマイルだから、貯まってもハワイしか行けない(笑)。結局交通費が安くなるだけだというね。CBSさん、交通費払ってくれないから助かるけど(笑)。
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―― 以前来日された時もマシ・オカさんが手がけてるプロジェクトの話をされてて、日本でも『SPEC』の件が話題になったんですけど、実際のところ、この話はどの程度まで進んでるんですか?

あれはねー。日本の報道がない事まで発表されててビックリした(笑)。キャスティングが始まってるとかいう話になっていて「ええ~っ!?」って(笑)。ジョニー・デップが興味を持ってるとか、どうやって話を聞いたんだ!? ってこっちが驚くくらい。まぁ、僕自身、否定も肯定もしなかったんだけど(笑)。実際のところ、『SPEC』は調整している段階で、製作会社は決まってるから脚本家なんかを選んでいるところだよ。アメリカの場合、プロセスが長いから。映画なんて10年かかるのもザラだし。TVはそれでも1年くらいである程度話が進むんだけどね。今自分で企画したTVドラマの方も脚本を書いてて、それも順調に進んでるし、『BREACH』の方も初稿が上がってきたところだから、着実に進んではいるんだけどね。

―― 本当に時間がかかりますよね。最初に報道があってから何年も経ってから撮影開始とかニュースになって、「この話、生きてたんだ!?」ってビックリする事あります(笑)。

生きてるんですよ、ホント。ダメになったらそう話すけど、話は生きてる。けどなかなか進まないというね。打ち合わせひとつとってもなかなかスケジュールが合わないんだよね。ミーティングひとつとっても、やれこの日はダメだ、やれこの日からロンドンだ、でようやく都合が合ったのが2か月後。でも時間が空きすぎて「あれ、どこまで話進んだっけ?」ってなって、「じゃぁ、続きは次のミーティングで」というのがパターン(苦笑)。それに比べればTVは話が早いから安心感はあるかな。

―― マシ・オカさんは日米の文化の橋渡し的な役割も担っていると思うんですけど、アメリカのドラマで日本に紹介したいと思う作品は?

うーん、最近だったら『ゲーム・オブ・スローンズ』。なんかすごくクオリティが高くて誇れる作品だと思うし、僕がプロデュースするわけじゃないけど、これは見て欲しいと思うな。やっぱり予算規模も大きいからクオリティが高いんだよね、アメリカの作品は。それをそのまま日本に持ち込んで...というのは難しいし、僕としては"考え方"を日本に輸入したいと考えてるんだ。今、セカンドシティっていう即興に取り組んでいるんだけど、アメリカのコミュニケーションの考え方を日本の人に教えたいっていうのがあって、そういう事もやっていきたいなと思ってるんだ。

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