『HOMELAND』シリア情勢の影響でイスラエル・ロケを中止

アルカイダに捕われ、国民の英雄として帰還した米海兵隊員と、彼にテロリスト疑惑を抱くCIA捜査官。二人の攻防をスリリングに描いた大ヒットサスペンス『ホームランド/HOMELAND』は、現在シーズン3の製作が進行中だが、このほどシリア情勢の緊迫化にともない、予定されていたイスラエル・ロケを急きょ中止したことがわかった。

これはイスラエルのメディア、Ynetが伝えたもので、ロケの手配を請け負っていた同国のプロダクション会社が、ドラマの製作者側からロケ先をモロッコに変更すると通達されたと報じている。プロダクション会社の関係者は「ロケの手配が整い、台本まで手渡された挙句に中止を言い渡された。やり切れない思いだ」とコメントし、財政上、多額の損害を被った事実を明らかにした。

同シリーズでは、これまでもイスラエルのテル・アビブやハイファでロケを行い、その映像をベイルートとして使用してきた。しかし、先月から中東情勢がにわかに緊迫化し、米国のオバマ大統領は現在、シリアへの軍事介入を外交手段で回避するかたわら、アサド政権への攻撃態勢も解除していない状況だ。

ドラマの製作チームは、米国が軍事介入した場合、イスラエルが真っ先に報復攻撃にさらされると判断し、同地でのロケを断念したものと思われる。また、新たなロケ地にモロッコが選ばれた背景には、現在『HOMELAND』クリエイターのハワード・ゴードンとギデオン・ラフがモロッコで別企画『Tyrant』を製作していることが理由にあるらしい。(海外ドラマNAVI)

Photo:『HOMELAND』
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