世界43か国で興行ランキングNo.1を獲得し、アカデミー賞最有力候補と呼び声の高いスペース・サスペンス・エンターテイメント超大作『ゼロ・グラビティ』。その日本公開に先駆け、主演のサンドラ・ブロック、アルフォンソ・キュアロン監督、制作を務めたデイビット・ヘイマンプロデューサーが来日した。宇宙空間をリアルに表現するために駆使した驚くべきCG技術やコメディ映画とは違う本作の難しさ、またサンドラとダブル主演のジョージ・クルーニーのマル秘裏話までたっぷり語ってくれた。
『ゼロ・グラビティ』とは「無重力空間」という意味で、本作は任務中に突如無重力空間に放り出された宇宙飛行士(ジョージ・クルーニー)とメディカル・エンジニア(サンドラ・ブロック)が、NASAとの通信は途絶え酸素は残りわずかという絶体絶命な危機的状況から、地球への生還を必死に試みるスリリングストーリー。
地表60万メートル上空を飛ぶスペース・シャトルが大破し、突然宇宙の無重力空間に放り出されたメディカル・エンジニアのライアン・ストーン博士を演じているサンドラ。ライアン博士の置かれた危機的状況をよりリアルに表現するために、撮影中はずっと自身を孤独で耐えられない状況に置いたという。「私が孤立し、孤独な状態にあるかどうかを2人のクレイジーな男たちはずっと確かめていたのよ!」とサンドラに公開告げ愚痴をされたキュアロン監督とヘイマンプロデューサーは思わず苦笑い。
サンドラは続けて、撮影中ほぼずっと身にまとっていた宇宙服を着ての演技について「宇宙服を着ていると画面に出る部分が目だけだから、目でどこまで演技できるかが勝負なの。目だけで演じるにはどこまで彼女を感じられるかが勝負。私は目薬で涙を流すようなことはしたくないから」と語った。
また、今回初共演となった長年の友人ジョージ・クルーニーについて聞かれるとサンドラは、「彼はいじわるで、遅刻魔で、本当に最低でね・・・」と話し始め、一瞬、会場がざわついたが、すぐに「なーんてうそ!彼は本当にすばらしい人間よ。真面目だし、常にみんなのことを気遣っている。そして誰よりも映画のことを考えていて、いい映画になるためなら、たとえ自分の役が減っても彼は全くかまわないの。本当は彼のこと、あんまりほめたくないけどね。うふふ」と訂正。サンドラのおてんばなジョークにかなり驚かされたが、最後はジョージへの最高の褒め言葉を残すかたちとなった。
ハリーポッターシリーズ以来の再結成となるキュアロン監督とヘイマンプロデューサーの二人。キュアロン監督は、「何年も前から、『ゼロ・グラビティ』の構想はあったけどCG技術が追い付いてなかったんだ。サンドラたちが最高の演技をしてくれるのに、それに見合う映像技術がなければ、申し訳ないからね。無重力空間を実際に再現し体験し、それをPCに落とし込むシミュレーションをするなど、最高の宇宙空間を作り出すことに妥協はしなかったよ」と語った。この二人がタッグを組むといえば、最高にすばらしいCG技術を期待してしまうが、本作はその期待を全く裏切らない出来のようだ。
『ゼロ・グラビティ』はワーナー・ブラザーズ映画配給で12月13日(金)より丸の内ルーブル他で3D/2D同時公開となる。(海外ドラマNAVI)
Photo:デイビット・ヘイマン、サンドラ・ブロック、アルフォンソ・キュアロン監督