2013年12月より日本での配信がスタートした学園コメディ『コミ・カレ!!』。本作は、アメリカで幅広い世代に大人気な作品で、日本でもそのじわじわとくるシュールな笑いにファンが急増中。その人気の秘密を、作内で絶妙なボケをかますアベッド役のダニィ・プティに突撃してきました!
――ダニィさんの思う『コミ・カレ!!』の見どころを教えていただけますか?また、日本で今まさに配信中のシーズン1の注目ポイントについても教えてください。
本作は、コミュニティ・カレッジという日本で言う短大のようなスクールのスタディグループのお話で、様々な背景をもつ人が集まって勉強をしています。性別も違えば年齢も違う中で、「グリーンデール」という"コミ・カレ"に集まって、それぞれが人生二度目のチャンス、つまり"セカンドチャンス"をつかみに来ています。僕が演じるアベッドは、両親が離婚していて、父親はとても頑固。それゆえに、人との関わりあいが少し苦手で、グリーンデールへは自分探しのために来ているところもありますね。主人公のジェフも弁護士として高収入を得ていたのに、資格がはく奪され、突然コミ・カレに通うことに。それぞれの学生が違う目的で来ているのですが、一つ共通していることは、全員が"家族"のようにつながっているところです。シーズン1の見どころの一つは、シーズンを通して、チームが家族としてまとまっていくところだと思います。
また、本作は台本が素晴らしいです。魅力的なストーリーにうまくジョークが織り交ぜられています。結構みんなに人気があるのが、シーズン1のエピソード21のチキンフィンガー(鶏のから揚げ)のエピソードですね。どのエピソードが好きか?と聞くと、みんな大体これをあげるので、ぜひ注目して観てほしいです。
シーズン1はとにかくアドベンチャーの始まりで、見どころ満載なシーズンです!
――次に、ダニィさんから見た、ちょっぴり変人なアベッドの魅力を教えていただけますか?また、『ER緊急救命室』や『CHUCK/チャック』にもゲスト出演されたダニィさんですが、それらの役柄と全く違う、「アベッド」というキャラクターを演じる上で心がけていることなどあれば教えてください。
今回の役が僕にとって初のコメディだったのですが、初めて台本を読んだとき、自分とつながった気がしました。アベッドの世界を見る目とか、トークのリズムやパターンが自分とすごく近くて、とてもしっくりくることに初めは驚きました。そしてアベッドはとても人間らしいキャラクター。それをとても理解できたしキャラクターに愛情を感じることができました。ダン・ハーマンという有能な演出家がきちんと台本を書いてくれているので、他の誰かを真似ることはせずに、台本を読むだけで演じることができました。僕は、自分がドラマに入っているときは、他のコメディ作品はもちろん、ドラマを一切見ません。なぜかというと、それによって何か影響を受けたり、自分の脳が違うところにシフトされてしまったりすることが嫌だからです。自分が思う通りのアベッドを純粋に演じたいので、今回も他の作品は観ず、台本だけで演じました。それが僕の"自然に演技をする方法"なのです。
アベッドが変人だと先ほどお話にあがりましたが、一つすごく印象深いセリフがあります。それは、シーズン1のエピソード17に出てくる、「誰かのために自分を変えることは、そんなに大変なことじゃない」というセリフです。
それは、誰かの教科書にアベッドにそっくりな似顔絵があり、それをみんなで騒いでいる中で出てくるアベッドのセリフなのですが、"僕は誰かと比べなくても自分というものをしっかり持っている。でもその自分も人(友達)のためなら簡単に変えられる"という意味あいで使われたのだと思います。
みんなが家族としてコミュニティとしてまとまっていく中での印象深いセリフなのですが、これはアベッドという人物をすごく象徴していると思います。確かに変人だしオタクだし、みんなに理解されないキャラクターかもしれないけれど、「人と違うことはいいんだ!」って、アベッド自身も僕もセリフとかストーリーから学ばせてもらいました。
――本作は、映画『ハング・オーバー』でレスリー・チャウを演じるケン・チョンさんが、中国人なのに、なぜかスペイン語の教師というシュールな設定で出演しているところも見どころの一つですが、ケンさんをはじめ本作には多くの有名コメディアンが出演しています。こうなると、実際の収録現場が気になるところなのですが、何か面白いエピソードなどあればぜひ教えてください!
とにかくクレイジーで、とても楽しいです!(笑)
多くのコメディアンが出演していて、みんな頭がいい人ばかりです。実生活では父親である人もいるのですが、撮影では子どもに戻って楽しく演じていますね。ケンと主人公ジェフを演じるジョエルと私は3人とも実生活でも父親なので、よく3人で家族の話をしています。収録中は一日12~14時間ぐらいを共にするので自然と仲良くなりますね。
面白いエピソードと言えば、ジョエルはボウルの中に色々なものをミックスするのが好きなのだけど、一度、醤油、アミノ酸、マスタード、ハチミツ、チリソースをミックスしたものを僕に渡してきたのです。そして、「これを飲んだら50ドルやる!どうする!?」と聞いてきた。一応ケンが本物のお医者さんなので、大丈夫か聞いてみると、OKって言うので、実際に飲んだのです。しかも収録前に。そしたら収録中大変でしたね(笑)座っているシーンでしたが、とにかく座っていられなくて。(一同爆笑)。でも大丈夫。誰も気が付かなかったですよ。
――収録前とはチャレンジャーですね。笑。それで結局、50ドルはゲットしたのでしょうか。
いいや、もらってないんですよ。今聞いても、「僕はそんなこと言ってないよ!」と言い張るからさ(笑)
――アメリカで幅広い世代に人気の本作ですが、日本ではどの世代に観てほしいですか?
子連れの出戻りだったり、ハイキャリアを捨ててきていたり、おじいちゃんになって再び学びにきたり...色々な境遇を持ったキャラクターが集まっているので幅広い世代に楽しんでもらえると思います。実際にアメリカでもそうです。あと80年代が好きな人も楽しめるかも。演出家のダン・ハーマンが80年代の作品の影響をうけて大きくなっているので、その要素が作品内に盛り込まれているはず。エピソード1でスタディクラブができる際にもアベッドが『ブレックファースト・クラブ』とか言っていますよね?この映画は80年代の作品ですから。
――日本の作品で好きなものはありますか?
本作でオマージュされているエピソードもありますが、黒澤監督の作品は好きです。後、『ポケットモンスター(ポケモン)』シリーズが大好きです。実は僕のウィキペディアには、『ポケモン』のCMに出演したという記述があるのですが、本当は出てないんですよ(笑)でも、僕自身『ポケモン』が大好きなので、特に否定せず放置しています(笑)
――アニメ好きとは、意外でした。
大好きですよ。特に、原宿にあるキディランドも大好きです。今回の来日で2時間ほど滞在していました。そうそう、ぐんまちゃん(群馬県のマスコットキャラクター)の iPhoneケースを買いました!これです。馬なのにとてもかわいいの!
(と、早速利用しているぐんまちゃんアイフォンケースを見せる)
あと、熊のとてもかわいいキャラクターがいて、それが大好きなのですが、えっと、なんていう名前だっけ・・・
――リラックマ?
そう、リラックマ!!もう大好きで。息子にお土産としてリラックマのぬいぐるみを買ったよ。娘にはハローキティのリュックを。でも、自分のぐんまちゃんの iPhoneケースをいちばんに買ったことは内緒ね(笑)
――(キディランドトークでのテンションをキープしつつ)今回の来日はダニィさんにとって初めてですか?日本食は何がおいしかったですか?
はい、初めての来日だし、初めてのアジアです。日本食はとにかくアメージング!お寿司はとてもフレッシュでおいしいし、ラーメンもとても好きです。二回も朝食として食べたのですよ!(一同驚きを隠せず)。日本は、食べ物と真摯に向き合う国で、その姿勢はとても素晴らしいですよね。僕の家族はみんな食べることが大好きで、僕が朝起きていちばんにすることは、朝食、昼食、夕食に何を食べるか決めることなのです。一日何を食べるかが決まればそれが楽しみになるし、安心して仕事に臨める。それぐらい僕にとって「食べること」が重要なので、ここ日本はそれを大切にしている国で、僕はとても居心地がいいです。一か月いても飽きないと思います!でも、奥さんが寂しいっていうから明日帰ります(笑)
――では最後に、日本のファンに向けて、メッセージをお願いします!
僕は今回の初来日で、新宿御苑、代々木公園などの美しい桜、信じられないぐらいおいしい日本食、親切で優しい人々との出会いと、本当にすばらしい時間を日本で過ごすことができました。また絶対に日本に戻ってきますね。そして、ぜひ、シーズン1だけと言わず、本作のすべてのシーズンを観てください!あともう4シーズンもクレイジーでファニーなシーズンが残っていますよ。多くの笑いがあるし、気づきもあって、心温まる要素もたっぷり。もうとにかく..."グレートショウ"なのです。日本の皆さん、ぜひ『コミ・カレ!!』を観てくださいね。あと個人的に僕は次の桜の時期にまた日本に戻ってきたいです。ありがとう!
本インタビューでたっぷりの『コミ・カレ!!』愛、そして日本愛を語ってくれたダニィ氏。個人的には、スレンダーボディとは裏腹に、日本滞在中に朝ごはんとしてラーメンを2回食べたというエピソードが印象的だった。秘訣は、時々のランニングとよくトイレにいくこと、そしてよくお酒を飲むこと(!?)らしい。笑。
Photo:『コミ・カレ!!』
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