『ドクター・フー』シーズン2~4で10代目ドクターを演じ、人気を集めたデヴィッド・テナント。その彼が降板したとき、番組は放送を終了するかもしれなかったという。
英RadioTimesが伝えたところによると、この発言が飛び出したのは、英ウェールズ地方で開かれている文学祭ヘイ・フェスティバルでのこと。現在、ショーランナーを務めるスティーヴン・モファットによると、デヴィッドと、当時のショーランナーだったラッセル・T・デイヴィスが番組を離れると2008年に発表したとき、英BBCは人気番組の幕を閉じる用意をしていたという。「番組終了を検討するプランがあったと思います。デイヴィスが"終わらせるわけにはいかない"と言ってくれたおかげで、継続できた」
「デヴィッドの演じたドクターはそれはもう素晴らしいもので、まったく新しい、生意気でセクシーな演技により、国宝級の存在になっていました。だから、デヴィッド抜きで果たして『ドクター・フー』は続けられるのか、という大きな疑問が持ち上がっていたんです」
「それでは成功するわけがないと思っていた人が、どれだけ大勢いたのか、当時の私は理解していませんでした。あとで知って、とても恐ろしい思いをしましたよ」
そういうモファットも、デヴィッドの後を継ぐ俳優として、さらに若い人物を起用することには当初抵抗があったとか。「このところ若い人が続きすぎてる、と言っていたところへ、マット・スミスが現れた。ぴったりの配役にはそういうことがつきものなんですね」
「マットが奇妙な振る舞いと風変わりな顔つきとともに、台詞を口にした瞬間、ホットな若者でありながら、ちょっとイカれた叔父さん風なキャラができあがっていた。とても気に入ったので何歳なのか尋ねたら、なんと26歳だというんです」
デヴィッドの演じたドクター役はいまでも人気があるが、マット版ドクターへの評価もとても高い。そんなマットは、50周年記念エピソードを含む3シーズンを立派にこなし、昨年末、ピーター・カパルディにバトンタッチした。このように俳優交代をくりかえしていくことで、『ドクター・フー』は新鮮なテイストを保ち続けていくのだろう。
なお、マットが主演を務める『ドクター・フー』は、日本でも角川書店より、『ドクター・フー ニュー・ジェネレーション』として、ブルーレイ&DVDが発売されることが決定している。(海外ドラマNAVI)
Photo:製作陣と俳優達の頑張りに感謝! 『ドクター・フー』
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