優れたSF/ファンタジー作品に贈られるヒューゴー賞を2006年に受賞した、ロバート・チャールズ・ウィルスン作のSF小説『時間封鎖(原題:Spin)』が、TVシリーズになるかもしれない。

The Hollywood Reporterが伝えたところによると、『ウェアハウス13 ~秘密の倉庫 事件ファイル~』『GALACTICA:スピンオフ【BLOOD&CHROME/最高機密指令】』などを手がけてきた製作会社ユニバーサル・ケーブル・プロダクションズは、同小説の映像化権を取得し、話数をしぼったイベント・シリーズとして製作しようとしているということだ。

ある夜、空から星々が消え、地球は暗黒のエネルギーバリアに包まれてしまった。バリアの中では時間の流れる速さが1億分の1になる。宇宙でまたたくまに時間が過ぎることにより、まもなく太陽が巨星化し、地球は飲み込まれてしまうことが判明する。はたして人類は未曾有の危機から逃れられるのか...? ユニークなアイデアとともに、3人の幼なじみがそれぞれの道を歩む人間ドラマとしての味わいも深い作品として評価されている。小説は三部作の第一巻という位置づけで、日本では第二巻『無限記憶(原題:Axis)』、第三巻『連環宇宙(原題:Vortex)』とともに、東京創元社から刊行されている。

このTVシリーズ化にあたっては、『たどりつけばアラスカ』や『NUMBERS ~天才数学者の事件ファイル』、映画『クイズ・ショウ』の出演で知られ、監督・製作業もこなすロブ・モローと、『人生はビギナーズ』『ラビット・ホール』のレスリー・アーダングが製作の陣頭指揮をとる。『時間封鎖』を休日に読んだモローは、その娯楽性と驚異に富んだ内容にすっかり魅了され、国や世代を問わず人々に訴えかける物語として、映像化を手がけたいと思ったという。

放送局はまだ決定していないが、ゼロ年代における最高峰のSF小説のひとつとみなされている作品だけに、クオリティの高い映像化をぜひ実現させてほしいものだ。(海外ドラマNAVI)