【私はこう観る!お先見】『How to Get Away with Murder』人気ドラマ『スキャンダル』のクリエイターが送る犯罪サスペンス!(by明美・トスト/Akemi Tosto)

全米ネットワーク視聴率争いで、必ず週間トップ3に食い込んでいる人気ドラマ『スキャンダル 託された秘密』売れっ子プロデューサーのションダ・ライムズが製作指揮を担当する新番組が発進!主役には、映画『ダウト~あるカトリック学校で~』の熱演でアカデミー賞助演女優賞候補にもなった、女優ヴィオラ・デイヴィスを迎えて、ドラマ・ファン待望のデビューを飾ったドラマ・シリーズが今日ご紹介する『How to Get Away with Murder』です。

タイトルの一部にもなっている"get away with murder"というのは、英語にある言い回しのひとつで、「ヒドいことをしたにも関わらずまんまと逃げおおす」という意味があります。そして、この新番組に至ってはまさに文字通りの意味で、「殺人罪からの逃れる方法」とでも訳しましょうか。

ヴィオラ・ディヴィス演じる主人公アナリース・キーティングは、豪腕女弁護士であると共に法学部のやり手教授でもあり、ドラマは彼女とエリート生徒5人を中心に起こる複数の殺人事件の謎を探るサスペンス・ドラマです。

第一話のオープニングは、大学生数人が絨毯に巻かれた死体らしきものを引きずって森に入ってくるところから始まります。さすが『スキャンダル』のクリエイターたちが手がけた番組、ショッキングな始まり方で観ている側はグイグイ引きこまれ、もう抜けられない!(笑)このあとドラマは、冒頭の謎のシーンから巻き戻る形で、いったい何が起こってこんな事態に及んだのかが徐々に明らかになっていくという展開になっています。

主人公アナリースは、鬼教授兼、現役の被告専門弁護士。講義1日目初っ端からいきなり宿題の提出を求め、Eメールの行き違いで課題を受け取っていなかった生徒に対して容赦なく厳しい言葉を浴びせる...。でも、これは法学部の生徒たちにとって彼女のクラスで生き残ることができれば、実社会でもいっぱしの弁護士になれる可能性上昇、という意味のあるクラスなわけです。特に、クラスの中から選抜された成績優秀な生徒4~5名は、教授のアシスタントとして実際の訴訟事件に関与できるという特典は、法学部の生徒にとっては夢のようなチャンス。

結局、無慈悲あるいはエゲツない手を使ってでもクラスメートを蹴散らし、そのポジションを手に入れようとした一握りの生徒たちが教授に選ばれます。でも、その内のひとりは卑劣な手を使わなかったばかりか、初日に宿題のことを知らずにアナリースに無情な扱いを受けたウェスでした。実は、これには裏が...。成績優秀者の発表日前に、ウェスは図らずもアナリースの浮気現場を目撃してしまったという事実があったのです。(お~~、面白くなってきたぁ~!笑)

ウェスは、自分の実力で教授から選ばれたのか、口封じのために選ばれたのかわからず困惑するのですが、「それがわからないようなら、自分に全く自信がないということ。とっととクラスを辞めなさい」とアナリースに言われて我に返ります。確かに自信のない弁護士なんて使い物になりませんものね。教授はスパルタだけど、ちゃんと的を得ているわけです。厳しいけど正しいことを言っているアナリースの凛とした姿は、この上なくカッコ良く、こういったキャラクターを、さらりとクールに演じられるのも女優ヴィオラ・デイヴィスの器がゆえ、といえるでしょう。

ちなみに、生徒の主人公格ウェスを演じるのは、25歳のイギリス男優アルフレッド・イーノック。ハリポタ・ファンの方なら、「アレ?」と気がつくかもしれませんが、アルフレッドはシリーズを通してディーン・トーマス役を演じていた俳優さんで、この番組を足がかりにアメリカのお茶の間でもファン層が広がりそう。

さて、むしろキツいことを言われたせいで心機一転がんばる決心をするウェス。しかしこのあと、ウェスをはじめ教授に選抜された5人の生徒たちの運命に暗い影が...。というわけで、このあとは実際に観るまでのお楽しみ。


次から次へと秀逸な新番組がデビューしている、今秋のアメリカTVドラマの世界!次回の「お先見!」もどうぞお楽しみに!


Photo:
Disney/ABC Television Group Summer Press Tour 2014
アルフレッド・イーノック
(c)amanaimages