10月23日(木)に開幕した第27回東京国際映画祭。10月28日(火)にはTOHOシネマズ 日本橋にて『スターチャンネル×スカパー映画部 "喜劇王吹替トーク" TIFF meets チャップリン』が開催された。
スターチャンネルでは、チャップリンの映画デビュー100周年記念して、10月より、初期の無声短編作品の吹替版全24作品を3ヵ月連続で特集する『吹替で蘇る! チャップリン笑劇場』を放送している。今回のイベントでは、スターチャンネルで放送されているチャップリンの吹替版作品の上映及び、主演のチャップリンを演じた江原正士、森川智之、堀内賢雄という海外ドラマ・映画・アニメなどに活躍する豪華声優陣を招いてのスペシャル・トークショーが行われた。
第1部は作品上映としてチャップリン初期の無声短編作品である『チャップリンの女装』、『チャップリンの失恋』、『チャップリンの質屋』の3作品が吹替版として上映された。主演のチャップリンの吹替は『チャップリンの女装』を江原、『チャップリンの失恋』を森川、『チャップリンの質屋』を堀内が担当。
三人三様のチャップリン演技が繰り広げられることで、無声映画に新たな命が吹き込まれ、古き良き作品を新鮮な感覚で楽しむことが出来る上映会となっていた。
第2部はチャップリンを演じた江原、森川、堀内の3人がチャップリンのメイクと衣装で登場し、トークショーが行われた。人気声優の登場に会場からはファンの黄色い声があがるとともに、3人のチャップリン・メイクに会場は爆笑に包まれ、堀内は「みなさん、笑いすぎ(笑)」と苦笑い。
チャップリンに対する思い出という質問に、堀内は「チャップリンは映画界の神様なので、無声映画に声をあてるということに、そんなことしていいのか?と思ったが、与えられた以上、僕たちの出来ることは全て出し切りました」と語り、森川は「声優として活動している中で、子供の頃に観ていた作品に対して声をあてることが出来て、とても感動した」と話した。江原はというと「学生の頃に『独裁者』とか『モダン・タイムス』とかを観ていたので、スーパースターだった。当然憧れを持っていたので、この仕事に関われてラッキー以上だった」と思い出を披露した。
続いて、セリフの無い無声映画に対してのアテレコの難しさについて聞かれると、堀内からは「通常のアテレコは耳から原音を聞きながら行うが、今回は原音が無いので、台本と映像の両方をチェックしながら合わせるという作業が難しかった。ほとんど映像を凝視しながらアテレコを行っていました」と説明すると、森川も「無声映画として作られている作品なので、テンポやカット割りが早いため、賢雄さんと同様に台本を見るよりも映像を細かく観ないといけないというのが普段と違って難しかった。それと、賢雄さんの演技は全部アドリブかと思った(笑)」と語り、笑いを誘った。一方、江原は「昔は無声映画には弁士の語りがあったので、今回の吹替版をどう思われるか不安ですが、皆さんが楽しめたら最高かなってところですか」と語ると、上映を楽しんだ会場からは賛同の拍手があがった。
チャップリンという映画史に残る"喜劇王"の無声映画を素材に、日本が誇る吹替文化を融合させることで、新たな発見をさせてくれるイベントとなった 「喜劇王吹替トーク TIFF meets チャップリン」。この機会に、『吹替で蘇る! チャップリン笑劇場』を、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。番組の詳細はスターチャンネル公式ホームページなどで確認できる。(海外ドラマNAVI)
Photo:3人のチャップリン:(左から)堀内賢雄、森川智之、江原正士