『マッドメン』最終回、高視聴率で有終の美を飾る

1960年代のニューヨークの広告業界をスタイリッシュに描いた米AMCの人気ドラマシリーズ、『マッドメン』。今月17日、アメリカで同作のシリーズ・フィナーレとなるシーズン7の最終エピソードが放送され、番組史上3位となる高視聴率のうちに幕を閉じたことがわかった。

英Digital Spyによると、"Person to Person"と銘打った最終回は、過去6シーズンのフィナーレで最高となる330万人の視聴者数を獲得したという。これは番組史上、シーズン5と6のプレミア回に次いで3位となる数字で、どちらのプレミアも時間を拡大して2話を一挙放送したことを鑑みると、史上1位にも等しい結果だ。前シーズンの最終回(270万人)に比べても著しく上昇したほか、放送局が最も重要視する視聴者層のひとつ、25歳から54歳の層で過去最高となる170万人を記録。エミー賞で4年連続、ゴールデン・グローブ賞で3年連続、作品賞に輝いた名シリーズにふさわしい、有終の美を飾った。

一方で、最終回の内容については賛否両論が飛び交っている。終わり方が曖昧だとする批判の声に対し、主人公ドン・ドレイパー役のジョン・ハムはインタビューで次のように語った。「このエンディングについては長い間、話し合いを進めてきた。これが(クリエイターの)マット・ワイナーのイメージしたものだ。僕はその詩情に心を打たれた。その時点で、彼がドンを瞑想的な静寂に満ちた場所に導くことで何を目指すのかはわからなかった。だが、彼が最終的なイメージを固めたことだけはわかった」と述べ、エンディングを支持している。

ヴィンテージ・ブームを再燃させた異色のピリオド・ドラマ、『マッドメン』。惜しまれながら、ついに幕を閉じたが、ワイナーはいかなるリバイバルの可能性も否定し、スタイリッシュな作品イメージを守りぬくつもりのようだ。(海外ドラマNAVI)

Photo:『MAD MEN』
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