いまだピザを屋根に投げつける『ブレイキング・バッド』ファンに住人が閉口

全米で社会現象を巻き起こした大人気ドラマ『ブレイキング・バッド』が終了して2年以上が経過したが、番組ファンの熱狂はいまだ冷めやらないようだ。同シリーズで主人公のウォルター・ホワイトが自宅の屋根にピザを丸ごと投げるシーンがあるが、撮影で外観が彼の自宅に使われた家でそれを真似るファンが今でも後を絶たず、住人が困り果てていることがわかった。米Huffington Postが報じている。

今年3月のインタビューで「ピザが屋根の上やドライブウェイに投げられるの。ピザだらけで、もうピザを見るのもウンザリよ」と語ったフラン・パディラさんは40年来、ニューメキシコ州アルバカーキ市に住んでいるが、外観がウォルターの家として使用されたことから(屋内のシーンはすべてセット撮影)、自宅は世界中のファンの"聖地"となり、番組放送中は日に200人近いファンが訪れたという。番組終了後は人数こそ減ったものの、敷地内に入り込み、屋根にピザを投げる悪質ないたずらが横行。前庭に「立入禁止」の警告を設置し、警察が警備を強化するなどの措置が取られた。

また、クリエイターのヴィンス・ギリガンもパディラさんの窮状を見かねて、悪質なファンに厳しい言葉で警告している。「パディラ家の屋根にピザを投げることはオリジナリティがなく、ユーモアもない行為だ。これはすでにやった人がいて、君が思いついたことではない。面白くも何ともないことだ」。また、強面のヒットマン、マイクを演じたジョナサン・バンクスも、「(ピザを投げている奴を)見つけたら、とことん追い詰めてやる」と怒りのコメントを発している。

だが、番組の製作陣やキャストによる警告も空しく、パディラ家には依然としてピザが投げ込まれるという。「ヴィンスの警告は一般のファン層には効果があったけど、若いファン層が面白半分でやっているようだ。あの警告の後、すでに6回も投げられたよ」と語るのは、番組に登場する"クリスタル・シップ"仕様のRV車でアルバカーキ市内の撮影スポットを回る「ブレイキング・バッド・RVツアー」の主催者、フランク・サンドヴァルさん。同氏はパディラ夫妻の友人でもあることから、投げられたピザの後片付けを引き受けているが、この2週間ですでに3枚のピザを片付けたという。家主のパディラさんは「こうなったら『じゃじゃ馬億万長者』のおばあちゃんみたいに揺り椅子に座って、ショットガンを持って迎え撃とうかしら」とユーモアを忘れないが、終わることのないピザ攻撃に辟易している様子。番組ファンの名誉のためにも、こうした迷惑行為は止めてほしいものだ。(海外ドラマNAVI)

Photo:『ブレイキング・バッド』
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