『黄金のアデーレ』タチアナ・マズラニー、名女優と「夢のような」共演

ナチスに奪われた有名画家クリムトによる伯母アデーレの肖像画、通称「黄金のアデーレ」を取り戻すため、オーストリア政府を訴えた実在の女性マリア・アルトマンを描いた映画『黄金のアデーレ 名画の帰還』。同作で主人公マリアの若き頃を演じたタチアナ・マズラニーのインタビューが届いた。

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タチアナは、本作のストーリーについて「これが実話だなんて信じられないと思った。一人の個人が立ち上がり、自分のものを取り戻そうとする驚くべきストーリーよ。ものすごく共感できる点だわ。この絵画と歴史は彼女の家族なの。単なる所有物や芸術ではなく、歴史があるから価値があるというわけでもない。彼女の人生と家族の一部だったから、価値があったのよ」とコメント。

マリアの故郷ウィーンで撮影が行われたことは、この映画に関わった者たちすべてにとって特別な意味があったが、タチアナももちろん例外ではなかったという。「ウィーンで撮影したことで歴史を感じることができた。だから特に努力する必要もなかったわ。土地と人々の中に息づいていたの」と、役作りをする上で現地の持つ雰囲気が役立ったと認めるタチアナ。ただし、「撮影するのは喜びであり、恐怖でもあった。イメージの持つ生々しさに何度も固まったわ」と、時にはショックを受けるほどイメージが強かったことも明かした。

そんなタチアナは、TVドラマ『オーファン・ブラック 暴走遺伝子』でエミー賞にノミネートされるなど、演技力を高く評価されている。しかし、アカデミー賞をはじめ数々の賞を手にした名女優ヘレン・ミレン(『クィーン』)との共演は特別な体験だったそう。ヘレンは本作で80代となったマリアを演じている。彼女と共演したシーンについてタチアナはこう振り返る。「小さなシーンで彼女にとっては何の意味も持たないシーンかもしれない。でも、鏡に映るヘレンと笑顔を交わしたの。それだけの場面だけど、キャラクターにとっては『時代を超えた』瞬間だった。私自身にとっても、ヘレン・ミレンと顔を見合わせて同じ場所にいたというのは、夢のような経験だったわ」

本作にはタチアナとヘレンのほか、ライアン・レイノルズ(『あなたは私の婿になる』)、ダニエル・ブリュール(『ラッシュ/プライドと友情』)などが出演。監督は、『マリリン 7日間の恋』のサイモン・カーティスが務めている。

『黄金のアデーレ 名画の帰還』は本日11月27日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー。(海外ドラマNAVI)

Photo:タチアナ・マズラニー(『黄金のアデーレ 名画の帰還』)
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