北欧ミステリーのブーム衰えず。スウェーデン版『ブレイキング・バッド』が登場?

デンマーク発の『THE KILLING/キリング』やデンマーク・スウェーデン合作の『THE BRIDGE/ザ・ブリッジ』が火つけ役となり、北欧ミステリーが世界的なブームとなって久しい。そんな"ノルディック・ノワール"の人気がいまだ衰えない中、新たにスウェーデン版『ブレイキング・バッド』とも言うべきドラマ『Gasmamman(原題)』が熱い注目を集めている。ロイター通信が報じている。

本作は、ボートマリーナで会計係として働く3児の母ソニヤが、夫の死をきっかけに彼が秘密裏に営んでいたマリファナ・ビジネスを継ぎ、闇社会でのし上がっていく姿を描いたクライム・サスペンス。ストックホルム郊外を舞台にマリファナ、マフィアと母性の本質を描いた物語はスウェーデンで11月下旬から放送がスタートし、早くも国内メディアから好評価を得ている。

タイトルの『Gasmamman』とはスウェーデン語で"マザーグース"を意味するが、スウェーデン語でマリファナを意味するスラングでもあり、それと同時に、3児の母であるソニヤ、そして作中でガチョウ飼育施設に隠されたマリファナ製造所の意味も含んでいる。

主人公のソニヤを演じるのは、アカデミー賞外国映画賞ノミネート作『偽りなき者』でマッツ・ミケルセンの恋人役、北欧サスペンス『凍てつく楽園』4部作でノラ役を演じたスウェーデンの実力派女優アレクサンドラ・ラパポートだ。番組の共同プロデューサーも務めるアレクサンドラによると、企画段階において映画『エリン・ブロコビッチ』と『ブレイキング・バッド』を合わせたような作品を目指したそう。男女共同参加が重視される北欧では、強い女主人公の方が馴染みやすいため、あえて女性が麻薬ビジネスという男社会に挑む設定にしたという。また、「『THE KILLING』や『THE BRIDGE』の世界的ヒットは北欧人の大きな励みになったけど、本作にはもっとユーモアを加えたかった。だから『ブレイキング・バッド』を引き合いに出したの」と、これまでの北欧ミステリーのトーンとは一味違った作品であることをアピール。さらに「私たちは世界中に働きかけるつもりよ」と野心を隠さなかった。

『Gasmamman』は4シーズンにわたって製作される見通し。北欧ブームに乗って新たなヒット作となりうるか、本作の今後に注目したい。(海外ドラマNAVI)

Photo:『ブレイキング・バッド』
(C)2008-2013 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.