巨匠リドリー・スコットがマット・デイモン主演で描くSF超大作『オデッセイ』。NASAの全面協力のもと、火星に独りぼっちで取り残された宇宙飛行士の想像を絶する運命を描く本作は、第73回ゴールデン・グローブ賞で作品賞と主演男優賞を受賞。第88回アカデミー賞では作品賞、主演男優賞をはじめ7部門にノミネートされている。全世界での興行収入はすでに6億ドルを突破し、今月公開された日本でも2016年公開の洋画作品としてはトップの成績で、動員数ともに初登場第1位を獲得するなど、スコット監督作品最高の成績を更新中だ。そんなスコット監督のインタビュー映像が到着した。
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宇宙飛行士のマーク・ワトニーは、火星での有人探査の最中に嵐に巻き込まれて行方不明に。死亡したと推測した他の乗組員が火星を去った後、実は生き延びていた彼は、わずかな供給品しかない状態で、知恵と精神力、創意工夫の才能を発揮して、地球に自分が生きていることを知らせ、絶望的な状況で生き延びる方法を見つけなければならない...。
一流の監督たちがこの企画に興味を示す中、別の作品が延期になったため急遽、脚本を受け取ったというスコット監督は「ほとんど不可能なワトニーの課題と、NASAだけでなくチームの協力に魅了された。宇宙飛行士の命を救うという共通の目的のために協力し、そのスケールが大きく、複雑なチャレンジに世界中が釘づけになる話だ」と本作の魅力を解説。
植物学者としての知識を生かし、ワトニーは不毛なはずの火星の土を肥沃にし、食物を育てるための水を生み出し、ベースキャンプ内にジャガイモ菜園を作ってしまう。そんな斬新なアイディアについて、スコット監督は「本作はSFではなく、限りなく事実に近いのでファンタジーではなくリアリティーが最も重要になる。全てが実行可能だし、彼が使う道具はすでに火星にあるものだ」と、実際に可能だと請け合っている。
リアリティーは、原作者のアンディ・ウィアーも重視したようだ。「もともと科学的なことを計算したりするのが大好きだったし、真実の整合性をもって書かないと、後から屁理屈をこねて口裏合わせをする羽目になる」と語り、宇宙船の軌道を計算するプログラムまで書いたことを明かしている。
宇宙を舞台にした作品として、これまでに『エイリアン』『プロメテウス』も制作したスコット監督。それらの作品で一歩先の近未来を描いてきた彼が、今度はリアリティーを重視し現時点で実現可能なアイデアを詰め込んだ本作は、科学と自然に秘められた力で我々の知らなかった世界を見せてくれる。
リドリー監督が限りなくリアルに火星を描いた『オデッセイ』は大ヒット公開中。(海外ドラマNAVI)
Photo:リドリー・スコット
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